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Climbing in China seen from Japan

初心者必見外岩に行く場合の心得

2019.02.20 08:05

ジムクライマーの多くが「外岩なんて自分にはまだ早い」と感じているかもしれませんが、外岩にはジムでは決して得られない達成感を味わうことができます。

一方外岩にはジムにはない危険が潜んでいるのも事実。知っているだけで危険を回避できることもたくさんあるので、今回「外岩ちょっと興味あるけど、まだ自分には早いのでは?」という方に向けて知っておくと良い心得をまとめてみました。

【どれくらいのレベルになれば行けるのか?】

クライミングジムに比べて何かと敷居が高そうな「外岩」。

「いつか行ってみたいと思ってるけど、まだ自分には早いんじゃないか?」

こんなふうに思っている方も多いのではないでしょうか。

外岩にはクライミングジムに比べて危険が多く、外岩独特の文化やマナーがあり、それらを知らずに安易に出かけることは多くのクライマーに「甚大な迷惑」をかけるので避けなければなりません。

「甚大な迷惑」とは自分が外岩で犯した過ちによってその岩場が永久的に登ることを禁止されてしまうということ。事故はもちろん、ゴミの問題やトイレだったりちょっとしたことで地域住民とトラブルに発展、クライミングが禁止となってしまった事例が数多くあります。

ですから「外岩なんて簡単だし、楽しいからすぐ行っても大丈夫」と知識もなく未経験者だけで行くのは安全上もマナーの上からも厳禁。最初は「ちょっと口うるさいかな?」ぐらいに色々教えてくれるベテランクライマーから外岩のイロハを教わり出かけましょう。

つまり最初の問いに戻りますが「どのくらいのレベルになれば外岩に行けるのか?」この質問に対する回答は「行きたいと思った時」がその時でありレベルは関係ありません。むしろクライミングのレベルよりも「知識・意識」の方が重要で最低限のマナーとクライミングの心得があればいつでも外岩デビューが可能ということです。

【はじめて外岩に行く人が必要なモノ】

外岩に行くために必要なモノですが、行うクライミングの種類によって大きく2つに分かれます。ひとつはロープを使用してクライングをするルートクライミング、もうひとつはボルダリングです。

クライミングの種類によって持ち物は大きく変わるのですが、そもそも持っているギアの少ない初心者の持ち物はそれほど変わりません。


1:クライミングシューズ

まず絶対に忘れてはいけないのがクライミングシューズ。

写真:浅草クライミング 劔(TSURUGI・ツルギ)


これを忘れてしまうとせっかくの外岩エリアに到着してもデビューが延期になってしまいます。

クライミングシューズの注意点として、外岩に行く時靴が汚れることや損傷することを敬遠し古いシューズや穴の空いたシューズを持ってくる方がいます。たしかに外岩では土も付きますし、ラバーを痛める可能性はジムより高いでしょう。しかし外岩はジム以上に足づかいが重要になります。岩の種類によって靴の種類やソールの硬さがとてもシビアに登りに影響をするので、できる限り状態の良いシューズを持参することをお勧めします。

また、外岩使用後はウェットティッシュ等で綺麗に汚れを落とすことを忘れないようにしましょう。汚いままジムで使うのはマナー違反です。


初心者がジムで使用するクライミングシューズとは別に外岩用シューズを購入するのであれば、ソールが硬めのものを選ぶと良いでしょう。ビブラム社のソールであればXSEDGE(エックスエスエッジ)、5.10(ファイブテン)であればC4(シーフォー)、UNPARALLEL(アンパラレル)であればRH(アールエイチ)を選んでおけば間違いないでしょう。



2:チョークバック&チョーク

シューズの次に必要なのがチョークバックとチョークです。

写真:MAMMUTベーシック チョーク バッグ

外岩はジムのホールドと比べ硬くフリクション(摩擦力)がありません、ジムでは比較的チョークを必要としない方でも外岩では必要という場合があります。

一緒に行く先輩クライマーに借りることもできますが、チョークとチョークバックは持参すると良いでしょう。チョークバックの種類はロープを使用するルートクライミングなら写真のような腰につけられるタイプがよいでしょう。


外岩でのチョーク使用に関してひとつ重要なことをお伝えします。

「チョークを持って行きましょう」と書いておきながら矛盾するのですが、チョークは自然にとって異物、本来使用しなくて済むのであればできる限り使用しない方がよいものです。


チョークは自然の岩に白い痕跡を残してしまいます。登った後にはブラシを使って丁寧にチョークを掃除するのですが、ブラッシングを行なってもチョークを完全に除去することはできません。

チョークの跡はクライミングをしない一般の方からすると自然に対する破壊や落書きに見えるのです。ですからチョークの使用は最低限に抑え、使用した岩はブラシで丁寧にチョークを落としできる限り自然の状態に近づけることがクライマーのマナーとして求められます。


3:ブラシ

外岩では大小様々な大きさのブラシが必要になります。


写真:豚毛 竹反りブラシ 300mm

クライミングジムにはホールドのフリクションを回復するためにブラシが置いてあります。しかし外岩においてブラシは持参しなければなりません。

ブラシには様々な長さ、大きさ、形状がありますがまずは1本歯ブラシと同じぐらいの長さでブラシ部分の幅が大きいブラシを用意しましょう。

ロープを使用しないボルダリングでは高い場所を掃除するためグループに1本柄の長いブラシが必要です。

写真:pamo stick パモスティック

チョークの項目でも書きましたがブラシは岩のフリクションを回復するだけでなくチョークで汚れた岩を自然の状態に戻すという大事な役割を持っています。ジムでは必要性をそれほど感じないブラシですが、外岩では絶対に必要な道具のひとつなので必ずマイブラシを持参しましょう。

(とは言え初心者から柄の長い大きなブラシを購入する必要はないですよ!)


4:ハーネス(ルートクライミング)

ロープを使ったルートクライミングではシューズと同じぐらい重要な道具です。

写真:Black Diamond(ブラックダイヤモンド) モーメンタム

命を守るための道具なので必ず自分のモノを用意しましょう。ハーネスはサイズ選びが重要です。特に大きすぎるサイズは落下時腰に大きな負担がかかり大怪我の原因となります。試着し身体にフィットするものを選びましょう。


5:飲み水&携帯食

外岩は一種の登山です。どれだけアプローチ距離が短いとしても自然に入っていくことに変わりはありません。万一に備えて飲み水と非常食としてプロテインバーやチョコレート等エネルギーになる食料を持って行きましょう。飲み物はジュースでも構いませんが怪我などをした時傷口を洗い流せるよう水を用意しておくと良いでしょう。


6:防寒着

初心者にとって意外と盲点なのが、外岩でのクライミングは雨天中止ということ。もちろん雨が降っても影響がない岩場もありますが、通常雨が降れば外岩は中止です。したがって登山で必須となるレインウェアは外岩ではあまり重要ではありません。それより重要なのが防寒対策、岩場は日が落ちると夏場でも急に冷え込むことがあります。万一に備えて防寒着を持っていきましょう。


7:ヘッドライト

外岩に行く場合ついつい楽しくて日が落ちるまで登ってしまうなんてこともあります。

写真:Black Diamond(ブラックダイヤモンド) リボルト

また片付けやチョークの掃除で想定以上に時間がかかってしまうなんてこともあります。スマートフォンを懐中電灯として使うこともできますが片手が塞がってしまうので安全も考慮しヘッドライトを用意しましょう。

7つ道具を揃えてレッツクライミング!

以上7つが初心者が外岩に行くために最低限必要な装備です。もちろんこちらで紹介した物の他にも持って行く必要があるものはたくさんあります。それらは同行してくれる先輩クライマーのアドバイスを参考にしてください。


この他に必要な道具に関しては長くなってしまうので別の記事で紹介しますね。記事が書けたらリンクを貼るようにします。

ではではみなさんの安全で楽しい外岩を願っています!