【読みラボ】人間なんておかしいね。他4冊(2016年2月)
先日、たまたま公園の帰りに近所に見つけた図書館に行ってみた。息子氏は最近、宇宙に興味深々のため宇宙関連の本をどっさりと運んできて何やら真剣に読んでいる。聞いたところなんと12冊/2週間まで借りれて、市にいくつかある図書館どこでも返せるそうである!公共施設もなかなか捨てたもんじゃない。
ということで、本屋やkindleや図書館や人から借りるなどして2月に読んだ本の中から、心を動かされたオススメの5冊を忘れないうちに残しておきたいと思う。
<今月の読みラボリスト>
・人間なんておかしいね / やなせたかし
1.人間なんておかしいね/ やなせたかし
ストーリーがあるわけでもわかりやすい解説があるわけでもない。ただとにかく心に残ったので引用多めに紹介したいと思う。
私の幸福はこのあたたかく塩辛いお茶漬けの中にあるのだろうか
私はお茶漬けのおいしさのためにすっかり心が堕落してダメな男になったのではないか
お茶漬けサクサク日が暮れて
お茶漬けサクサク年とって
谷川俊太郎氏にぜひ朗読してもらいたい。
勇気がぼくにささやいた
涙こぼすながんばれと
なんのために生まれて
なにをしていきるのかわからないままおわるそんなのはいやだ
あこがれよなかよくしよう
おまえだけがともだちだ
ぼくらはみんな生きている
生きているからかなしいんだ
てのひらを太陽にすかしてみれば
まっかに流れるぼくの血潮
2.戦略人事のビジョン / 八木 洋介
「よい会社」が何か?という定義は近年より難しくなってきていると感じるけれど、競争の激しい市場の中で生き残っていくためには、「強くて、よい会社」になっていかなくてはならない、と。日本企業が「よい会社」ばかりを目指していく風潮がある中で、「強い会社」の代表格であるGEにいた八木さんだからこそ語れる説得力と迫力は凄いものがあった。
「賛成する人を増やすより、反対する人を減らせ」や「ふつうの人たちに届くようなストーリーを語れ」など、組織マネジメントや戦略にも繋がる即効性のあるおまじないが散りばめられている。
「人を知る」ために僕自身がこれから身に着けていかなければならないこと、「人事のプロ」になるために何が足りないかということを丁寧にそして貪欲に探っていくための教科書としてこれからもお世話になること間違いなしの一冊。
3.愚か者/松田公太
本書を読んで、松田さんは「政治家」という肩書を背負っている完全な「起業家」だと思った。また気になったのはタリーズの買収騒動から始まり、周囲の裏切りや妬みが発生する頻度が激しすぎるという点。自身でも軽く触れているが、“人の気持ちに鈍感なところがある”というのは間違いないんだと思う。しかし、そういう困難が何度訪れようと、松田氏は決して人や運命を恨みはしない。根っからの起業家魂で、新たな環境を開拓し、そこで成功を掴み取ろうとする。大物は「鈍感力」や「根拠のない自信」が必要だというのも聞いたことがあるが、まさにその極みだと思った。今度の選挙では「元気会」に注目だ。
4.言行一致/石田言行
trippiece自体はシェアトリップ型旅行サービスとして今では割と有名なサービスだが、なんと代表の石田氏はまだ25歳という若さ。生い立ちから創業して軌道に乗るまで、そして最近になってようやく言えるようになった「言行一致」というコトバの持つ力。何より冒頭に出てくる、父親からの名前にまつわるエピソードを語った手紙がとにかく秀逸すぎるので、興味ある方はとにかく一読あれ。
最後に、石田氏の定義づけた「言行一致」というコトバの引用をのせておきたい。
“多くの人にとって、足りない才能とは「高い目標を立て努力を続ける才能」だと思う。そしてその才能を埋める魔法のような言葉が「言行一致」という言葉なのだ”
5.林修の仕事原論 / 林修
またタイトルは「仕事原論」とついているが、半分くらいはおもてなしやコミュニケーション術、読書法など満載のハウツー本として使える内容だと思う。
以上、5冊。
こうして見るとやはり「人」にフォーカスして本を選ぶ傾向にあるな、と思った。そして小説などフィクション系が一切ないという。まあ娯楽として楽しむなら、映画や漫画のほうが気楽に楽しめて好きなんですよね。歴史小説なんかは割と好きなので久しぶりにチャレンジしてみよう。
ではまた来月も続くことを願って。