久々にワイン関係者と食事
常にマンネリ化している私の行動範囲だが、昨日は久しぶりにちょっと印象的な日々を過ごすことができた。
最初に訪れたお店は、「へ〜こんなところに、、」と思ってしまうほど辺鄙な場所。
店内は田舎の厨房をセンス良く仕立てたちょっと大人の空間。店主の理想がそこにある。
今まであまり経験したことのないような空間だ。
野菜を竈で焼いた料理が中心。最後に魚の干物が出てくる。日本酒が主だがワインもあり、まず赤ワインをいただく。ボジョレーの有名な生産者のワインだが、インポーターは付き合いがない。ちょっと梅っぽく荒さが目立つが、出来は非常に良いワインという印象。ところが連れがいろいろなことをやり始めると、ワイン自体の雰囲気が見事に変わる。
現地で飲むとかなり美味しいワインという話だが、やはりインポーター次第で本質的な部分が見えないのは悲しい。
日本酒は、原酒なのだが、温度が若干高く本来の美味しさが見えてこない。日本酒は今の時期外に出しているそうで、いわゆる常温にこだわっているようだ。この考え方は完全に間違いで日本酒はワインと同じように神経質で悪くなりやすい。悪くはなっていないが焦点が合っていない。料理もその傾向があった。
料理は趣向ややり方自体は面白いのだが、至って平凡な味わいで職人的な深みはない。料理人が若いだけにそれは致し方ないが、極端な自信とお店の作りの個性的な様子が、このお店のことを良く現している。まるで昔の私を見ているようで懐かしく思う。10年後また訪れてみたい店である。
その後場所を移し、マニアックなワインバーへ。店主は昔から知っているのだが、生き方が真逆なために知人ではあるが親友ではない。でてきたワインは昔の私だったら外れというワインだった。イタリアの白は、長い間あまり良くない環境で置かれていた感じで、ただ
強さ故にまだ飲めるという感じ。深みや複雑さはない。昔よく飲んだイタリアの古酒そのまま。
二本目はブルゴーニュの有名ワイン。ただ畑がそこまでではないので樽の付け方が果実を上回ってしまっているために若い時期では飲みにくいワイン。状態はその銘柄としては悪くない方だが、昔だったら外れと思ってしまうワイン。
しかし文句を言っているわけではない。彼は昔からこんな感じだが、生きるスタイルを大事にする人。生きるスタイルの中にワインがあるのだ。でもある意味お店とはそういった物であるべきで来店したお客様がその空間全てを楽しむことがお店であるべき姿。私なんかより遙かにお店という形態に向いていると思う。
私の感覚は前者の食べ物屋に似ているの。生意気でどうだと相手を感服させることを目的にしているような感じがあるのでお店に向いているかと言えば疑問。
一流の人間や、これから伸びていきそうな人に会うことがこれほど大事なのかと改めて思う。それが人にエネルギーになる。そして考えさせられる。自分を振り返ることができる。そして自分のやるべき道筋が見えてくる。