逆境の中でも選手がステップアップする必要がある
男子プロバスケットボールBリーグ1部(B1)の2025-26シーズンが10月3日に開幕し、第1節アルバルク東京対宇都宮ブレックス戦がトヨタアリーナ東京(東京都江東区)で行われた。新アリーナのバスケットボール公式戦こけら落としとなった記念すべき初戦、A東京は昨季王者の宇都宮に56-81で敗れた。5日には同会場で第2戦が予定されている。
アルバルク東京のデイニアス・アドマイティスヘッドコーチは試合後の会見で、宇都宮ブレックスとの開幕戦を振り返った。昨季王者との対戦について、フィジカルの部分で大きく差をつけられたとし、リバウンドや接触プレーの局面で主導権を奪えなかったことが敗因につながったと語った。特にセカンドチャンスポイントで22点を許し、オフェンスリバウンドも15本を取られたことが試合展開を苦しくしたと分析。
今季掲げるテンポを上げるバスケットについては、負傷者が多い現状では理想通りに進めることが難しいと説明した。ポイントガードを欠く中でオフェンスの組み立てに支障が出ており、まずは堅実なディフェンスとリバウンドからリズムを作る必要があると述べた。ゲーム2に向けては、相手のフィジカルに押されないタフネスとメンタルの強さを求めたいとした。
フィジカル面での課題について、体のぶつかり合いやスクリーンの強度、バンプの応酬で相手に上回られたと具体的に挙げた。リバウンド争いでは選手がゴール下で埋もれ、十分に参加できない場面もあり、ファウルで止めるべき場面で消極的になったことも反省点に挙げた。
選手起用については、福澤選手をもっと早い段階からコートに送り出す選択肢もあったとしながら、現在のチームにとって重要なオプションであり、次戦ではプレータイムが増えると見通した。ポイントガードとしてチームを引っ張る役割を期待しているとも語った。
また、新アリーナでの初戦に臨むにあたっては、セカンドチャンス、ファストブレイク、スリーポイントといった失点のパターンを避けるよう選手に伝えていたという。それが遂行できず相手のバスケットに持ち込まれてしまったことを悔やみ、ファンの前で残念な結果を見せてしまったことへの申し訳なさを口にした。
トヨタアリーナ東京での開幕戦は、チームにとってもファンにとっても特別な舞台となったが、ヘッドコーチは結果を受け止めつつ、逆境の中でも選手がステップアップする必要性を示して会見を締めくくった。
取材:JunkoSato/SportsPressJP