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清水優美の『Buona giornata!』vol.9 「サンレモ音楽祭♬ からの・・・」

2019.02.21 23:43

こんばんは!Buonasera!


今回は、2/5~2/9に開催されたイタリアンポップスの音楽祭「Sanremo2019(サンレモ音楽祭)」からの話題をお届けしたいと思います。


私は日頃からイタリア語の勉強のためにもポップスなどの音楽を聴いているのですが、サンレモ音楽祭が連日TV放送されていたので観てみました! 

↑音楽祭名に “canzone(カンツォーネ)” とありますね。

日本ではカンツォーネというと、イタリア民謡とかイタリアのある音楽ジャンルを指すようなところがありますが、イタリア語では単に “歌” という意味です(イタリアの民謡大会とかではないのでご注意ください 笑)。


RAIのサイトはこちら

 世代を超えて愛されている長寿番組で、毎年この年の優勝者が決まります。

日本でも “レコード大賞” とか “有線大賞” とかありますよね。

でもそれらとは全く違う仕組みがあるんです。それは、

 「アーティスト達がこの音楽祭のために作った新曲を披露して優勝を競う」のです。


  (新曲ぞくぞく!・・・といわれてもまだまだ詳しくない私、、、(^_^;))


(日本にいるときから聴いていたNek)


音楽番組を見ていて “おやっ!?” 日本との大きな違いに気付きました!!

「歌詞テロップが出ない!!!」  


イタリアの友人に聞いてみたら、

「歌詞がTV画面に?何それ???イタリアではこれが普通だよ!?」って感じで、

エェ━━━━━( ゚Å゚;)━━━━━!!?  ええぇぇーー状態(笑)。


面白いのでちょっと調べてみることにしました♬

わかったことを箇条書きにしちゃいますね。


① イタリアだけじゃない!ほぼ世界中で歌詞テロップは出ない! 

日本が異例なようです。(日本はカラオケ発祥の国、だからこそなのかな・・・?)

そういえば、米のAMA(American Music Awards)などでも確かに出ていないですね。


② 字幕スーパーの謎

“スーパー”って???

それは、“スーパーインポーズ(Superimpose)” という映像技術(複数の映像を重ね合わせる技術)により、映画の字幕が誕生。

だから“字幕スーパー”っていうんですね!


この字幕世界的には一般的じゃないようです。

世界の常識はその国の言語への吹替え。

(またしても日本が異例のよう・・・ でも、その俳優の声を聞けるのは嬉しいけど・・・)

先日ミラノの映画館に行き、オリジナルが英語の映画を観た時も、イタリア語吹替えがほとんどでした!

(それにしても、音楽番組の場合、「歌詞スーパー」と呼ばないのはなぜかな・・・??)


③ テロップ(Telop)は商品名だった!

Telopは、「Television Opaque Projector」の略で、これはTV画面に文字などを投射するプロジェクターの商品名だったそう。

(現在では、「スーパー」は「映像に映像や画像を重ねる」という意味、「テロップ」は「映像に文字を重ねる」という意味で使われることが多くなったそうです。)


④初の歌詞テロップは苦情から! for サザンオールスターズ「勝手にシンドバッド」

日本のTVで初の歌詞テロップが登場したのは1978年。

「夜のヒットスタジオ」でデビュー曲を披露した桑田さん、そのあまりの早口に “何言っているのかさっぱりわからん!!!”との苦情が殺到し、2度目の出演時に歌詞を出したそう。

その後、歌詞テロップの定着は、1982年「ザ・ベストテン」が “初登場” と “今週のスポットライト” のコーナーで正式採用し徐々に一般化されていった、ということでした!


⑤世界の “KARAOKE”♬と文化 (?ちょっとおおげさ) 

今や世界語になっている“カラオケ”、「空(の)オーケストラ」で「歌謡曲などの伴奏だけの録音。または、その再生装置」ですが、歌詞テロップ普及との関係はやはりあると思うのです。


世界のカラオケ事情・そのスタイルは様々で、“生オケ(生の演奏で歌う)”が主流な文化も多々。 

“楽譜を見て歌う”ということはあっても、“歌詞を見て歌う”というのは、映画などでも見たことがないシーンですよね。


日本でも今のような映像カラオケ(画面を見て歌う)は1980年代初めからで、それまではテープの曲に合わせて『歌詞カード』を見ながら歌うのが普通だったそう!

(そういえば・・・学校でも体育館に「校歌」の歌詞が大きく掲げてありましたし・・・)

(古(いにしえ)には、短歌や俳句(うた)も筆でさらさらと綴られて・・・)

日本では、歌詞を表記する(文字でしたためる)文化が根付いているのかな~と思ったりしました。


と、深ぼってつづってしまいました(長くてごめんなさい(^ ^;))


サンレモ音楽祭に戻ります!

5日目(最終日)には、私の最近のお気に入りアーティスト「Elisa(エリザ)」がスーパーゲストで登場しました♥ 

(メイン司会者の他にコメディアンの方もいて、日本と似たような楽しい雰囲気。)

↑画面中央がElisaです。 


Elisaは、

1977年、トリエステ(イタリア北東部の街)生まれのシンガーソングライター。

イタリアの歌手としては珍しく、主に英語で歌ってきたそうです。

2001年のサンレモ音楽祭に出演し、楽曲『Luce』で優勝。そこから一気に国民的歌手となったスターだそう。

サンレモ音楽祭の影響ってとっても大きいのですね!


Elisa - Luce(You Tube)

Elisa -Anche Fragile(You Tube) (←これもオススメ)

皆さまもぜひ一度聴いてみてください!


Sanremo2019の様子は「Piccola RADIO ITALIA」さんの記事にも詳しくありますのでご参照ください。


それでは、また書きます!Buona serata! 

<つづく>


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☝今日のイタリア語☝

「della(デッラ)/di(ディ)」=「~の」


サンレモ音楽祭名「Festival della canzone Italiana」は、

「イタリアの歌祭」、英語だと「Festival of Italian song」。

della」は「of」の意味を持ち、原型は「di」(前置詞)です。


イタリア語の前置詞は、ほとんどが次にくる名詞の冠詞(男/女 単/複数)と『合体して1語』となり使われる。

della」=「di」+「la(女性単数の冠詞)」

(例)della mamma 「ママの~」

*逆説的ですが、「canzone」は女性名詞なのですね。


合体はこんな感じとなります↓ 

diはそのまま使うこともあります(冠詞が必要ない場合)。

多いのが人名、地名の前にくる場合です。

(例)アダムとイヴのりんご⇒ La mela di Adamo ed Eva


diは「~の」以外にもいろいろな意味を持ちます。

その一例を有名人の名前でご紹介しましょう!

「Leonardo DiCaprio」 

(Wikipediaより)

レオ様こと、レオナルド・ディカプリオ。

「DiCaprio」は、「di Caprio」⇒ 「カプリ島(出身)の~」です。

(Caprioが地名だからCが大文字なのですね!)

Leonardo DiCaprio は、「カプリ島レオナルド」となります。

ご先祖がカプリ島(イタリア南部の島)出身だったのでしょうね。