【bacho/LOSTAGEスプリット『HOMETOWN E.P.』インタビュー】4 - Koboreochitamono
五味:「今日届くレコードが俺めっちゃ楽しみなんすよ。」
北畑:「ふふふふふ。」
五味:「すごいんすよ、レコードが。仕様が。
・・・これ、買ってほしいな。」
北畑:「早よ、見たいすね。現物見たい。」
五味:「見た見た?写真だけ?」 北畑:「まだ、写真だけ。」
五味:「ものすごい手間がかかってる。」
―リリース情報にA side、B sideって無くて何でだろうと思ってたんですけど、4曲を片側に入れたってお聞きして・・・。
五味:「そうなんすよ。片方に全部入ってるんすよ。だから、レコードとしては贅沢な使い方というか。
で、その反対側に何が入ってんのかっていうことなんですけど。」
―え?入ってるんですか?
五味:「それはね・・・・入ってるっていうか、あれやな・・・」
北畑:「まあ、見たら・・・」
五味:「見たら分かると思うんすよね。」
北畑:「ふふふふふ。」
五味:「こんなん見たことないな、みたいな。僕もレコード屋やってるんで、レコード毎日触るじゃないですか。いきなり開けてこんなレコード出てきたら、ちょっとビックリする、みたいな感じの。」
―えー。
北畑:「ふふふ(笑)」
五味:「仕様になってますね。」
―楽しみですね。
五味:「超楽しみ。」
北畑:「うん。」
―すごい楽しんで作っておられる感じがしますね。
五味:「そうすね。でも、それは宇宙さんかな。」
北畑:「うん。」
五味:「宇宙さんて、cosmicnoteのレーベルオーナーが、モノ作るプロというか。こういう風にやろ、こういう風にやろ、こんなんも出来る、こんなんも出来るってめっちゃ言ってくれて。で、皆で、わ、そんなん出来るんすか・・・って。」
―(笑)
五味:「(笑) ほんで、やってもらったらやってもらったで、めちゃめちゃ大変な作業・・・・」
北畑:「ははははは。」
五味:「これ、間に合わへんのちゃう?みたいな。だからそう、宇宙さんのアイデアで。宇宙さんとじゃなかったら、多分できない。」
北畑:「そうやと思う。」
五味:「ま、お互いのバンドももちろんあるんですけど。やっぱそのレーベルオーナーのアイデアが、ありきのフィジカル。」
北畑:「色々面白がってくれるんで。えーこんなんあるけど、できるで、みたいな。上手いこと、それもはまったし。何かええ感じっすよね。」
五味:「そうやな、ほんまに。僕もレーベル自分でやってるから、僕の場合、メンバーでもあり、レーベルオーナーでもあるから。そのレーベルの人としても、宇宙さんと僕で、色々やりとりしてたんすけど。お金のこととか、数字のこととか。そういう話とかも、普段は自分で全部やってるから、そういうアイデアとか出てこない、新しい考え方とかもあったりとか。逆に俺やったらそうせえへんみたいなことがあったりとか。
で、すごい、作るというか発売に向けてのやりとりの中で、新しい発見とか、気付きとかあったんで。何か、これ次の僕のアルバムの売り方に関わってくるなってみたいなのは、めちゃくちゃあったっすね。音楽以外の部分で。モノを作るっていう、それ仕事にしてる人と、一緒にやれて良かったなって、思いました。」
―ジャケットのところで“戦ってる”って話が出ましたが、地元から発信することも戦いというか、色々力が要ることが多いのかなって思うんですが。
五味:「どう思いながらやってんの?」
北畑:「まあ、俺はまあ。あんまり・・・」
五味:「考えてない?」
北畑:「や、何ていうんすか・・・じゃあ、例えば東京のバンドを倒したる!みたいな気持ちは・・・」
二人:「あははははは!」
北畑:「そういう気持ちは、ない・・・ま、何ていうんすかね。」
五味:「絶対東京のやつには負けへんって、結構俺、いまだにあるけど。」
―(笑)
北畑:「あー。うん・・・」
五味:「どっかにある。」
北畑:「まあ、俺、楽しんでんすからね。結構。そういうの、普通に何か。面白がって。自分でやって。その方が自分に何か、音楽作るにしても歌詞書くにしても、色んな、新たな書く要素もらえるから。
現実、もちろん戦って、負けたくはないし。勝ちたいって気持ちももちろんあるんすけど、あんまこう・・・わざわざやってることでもないすからね。わざと田舎からやってるわけでもないし・・・」
五味:「あはは。」
北畑:「たまたまそこに住んでるから(笑)。自分の生まれた街やから、そこでやってるだけの話で。まあ、それ東京生まれやったらね、東京でやればいいし。」
五味:「確かに。狙ってるわけじゃない(笑)。たまたまや。」
北畑:「その中で、自分はこうした方が、自分は楽しめるなあっていう、やり方をやっていってる感じすかね。」
―地方にいる人間としては、そうやって活動してくれる方がいるっていうのが、すごく刺激になりますね。大都市に行かなくても、チャンスは地方でも作れるんだなっていうのを感じて、そういう意味でもこのスプリットが励みになります。確か、レコーディングをされた岩谷さんもこちらが拠点だとか。
五味:「そうすね。今、そうすね。」
北畑:「そうすね、特に不都合ないすからね。」
五味:「確かにな。」
北畑:「東京とか、色んな街にライブ行ってますしね。行って帰ってきたらいいだけの話。」
五味:「実際このツアーで東京行くしな。」
北畑:「ま、移動が、大変ていうだけやけど。慣れたらね。それも別に。」
五味:「慣れるんすよね。怖いんすけど。」
―そうなんですね。
五味:「日帰りで東京とか、普通にぱっと行くもんな。
でも、“HOMETOWN”って、姫路とか奈良とか書いてあるんすけど。CDのブックレットにも。姫路のこととか、奈良のことじゃなくて、その聴いた人の住んでる街とか、その人の暮らしてる場所のことなんで。そうやって、皆が自分のところに持って帰って、じゃあ俺、こういうことやってみようとか。別に音楽じゃなくてもいいっすよ。て、なんのが一番、かっこいいし。僕らが好きやった音楽ってそういう音楽やってた人らやし。ね、パンクとかハードコアっていったら、そういう音楽ですよね。
まあ、めちゃめちゃパンクかと言われたらそうじゃないかもしれないすけど、曲だけ聴けば。でも気持ちは、そのパンクとかハードコアの音楽が持ってるエネルギーとかを出したいなってところは、どっちのバンドにもあると思うし。
そんな難しいことやってないすよ。お互いに。ちょっと地方のなんか、面白いお兄ちゃん、先輩とかおって、そういう人みたいな感じがいいな、とか。」
北畑:「楽しんでるしな、完全に。」
五味:「ま、でもやっぱ俺は東京に一石投じたいみたいなんも、あるはあるけど。未だにちょっとある。」
北畑:「あはは。」
五味:「(笑) このツアーの最後、渋谷CLUB QUATTROでの2マン。結構俺、楽しみで。今日と明日は、ほんま友達の家に遊びに行くみたいな感覚で。もちろん今日も楽しみやし、明日姫路もものすごく久しぶりに行くんですよ。楽しみですけど、その、東京に2バンドで行くっていう、そこで来た人がどんな感じになるかとか。それ結構、俺楽しみにしてて。うん。」
北畑:「楽しみ。」
五味:「あはは。ほんまに、ガチガチの田舎もんすからね。(笑)」
北畑:(笑)
―『こぼれ落ちたもの』ってタイトルだけをパッと聞いたときに、自分は自分がそんなにメインにいる気がしないっていう感覚があるんですけど、“こぼれ落ちたもの”をLOSTAGEは置いていかない音楽をやっているってイメージがしました。
五味:「そうっすね。自分もこぼれ落ちてますから。」
全員:「あはははは(笑)」
五味:「もう、色んなとこからこぼれ落ち続けた結果、ここにいるんで(笑)」
北畑:「ははははは!」
―(笑)
五味:「そういう人と、一緒に見たい世界っていうのがやっぱあるから。そういうやつらを置き去りにしないって気持ちはあるし。もちろん、自分もそうやから。
こぼれ落ちた人たちっていう・・・負けた人とか、出来なかった人とか、諦めた人とか、いっぱいいると思うんすけど。むしろ、そっちのが多いと思いますけどね、世の中ね。そういう人達の見てる世界ってやっぱあるから。それを歌にしたい。グレーで、そんなキラキラしてないかもしれないですけど。
・・・そうすね。タイトル、そういう気持ちはあったかも。自分がまず、そうなんすよ。」
北畑:「ふふふふふ。」
五味:「うん。コンプレックスなんかもしんないんすけどね。田舎っていうのも、ほんまに都会とか、中心以外で、そっからもれたとか、こぼれたとかいうニュアンスがやっぱあるんで。それを自分なりに消化して、それを聴いてほしい。って、思いますね。」
―なるほど。
五味:「欽也くんも、だいぶこぼれ落ちてるなーって思います。」
北畑:「あはははは(笑)!どこが?」
五味:「(笑) 真ん中には居てへんやろ(笑)」
二人:(笑)
五味:「欽也くんだけじゃなくて、bachoのメンバーとか見てても、絶対にこぼれ落ちてるって、感じはしますけどね(笑)」
北畑:「あはははは!・・・狙ってこぼれ落ちてるわけじゃないっすよ。」
五味:「まあ、そりゃそうやねんけど(笑)」
―(笑)
五味:「それでもやる、みたいなところに、突き動かされてるなあって。」
―全体的に、曲も含めてだと思うんですけど、諦めたこととか諦めざるを得なかったこととかを全部受け止めて、それでも前に進んでいこうみたいな雰囲気が4曲ともあって。聴いててすごく、抉られるような・・・。
二人:「あははははは!」
五味:「こぼれ落ちたんでしょうね。(笑)」
―(笑) でも、それが頑張ろうっていうのに繋がるというか。
五味:「こんな、きったないライブハウスとかにね、2000円とか3000円とか払って来るやつらって、まあ、大体こぼれ落ちてる・・・」
北畑:「ふははははは。」
五味:「そらそうでしょう、だって(笑)。そんな成功者が来ないですよ、わざわざ。こんな汚いとこに。
そこにずっと居るわけですから。週一とか週二で。ね。色々ぐるぐるぐるぐる回って、何がある訳でもないですけど。やっぱそいつらに、何かいいもん見せたいな、ていうのはある。」
北畑:「そやね。バンドが、表現できるもんがあるから。まず、今、やれてるから。これ何もなかったらきついすね。こぼれ落ちて。」
五味:「あははははは(笑) ほんまにそこに縋りついてる、みたいなとこあるけど。」
北畑:「しかも、好きやしね。」
五味:「自分がそうやから、まず。バンドとか。ライブハウスとか。そういうものを拠り所にして、日々の生活を。」
北畑:「そうそうそう。」
五味:「支えてるんで。そのお金とか以外にも、気持ちの問題なんすけど。そういう人達っていっぱいいるし。バンドやってなくても。その場所とか、そういう音楽とか守り続けたいっていうのはあるな。
ほんまにそういう人たくさんおるからな、実際。これなかったら、壊れてまうんちゃうかみたいな人とか。」
北畑:「や、でも。それこそ、自分は音楽とか作ってなかったら、壊れてる・・・五味さんとか壊れてるでしょ?」
五味:(笑)
北畑:「ふはははは。」
五味:「ほんま、やってなかったら俺何やってんのやろ?ってたまに考えるけど、ちょっと想像・・・ずっとやり過ぎてるとこもあるけど、想像できないすね。」
北畑:「確かに。」
五味:「良かったなあ、って思います。」
―(笑)
五味:「良かったなあって、あれやけど(笑)。それでこんな楽しい、ね。モノ作りとか。」
北畑:「そうっすね。」
五味:「ま、半分仕事みたいな感じにもなってるし。買ってくれる人もいて、お金頂いてるわけですから。ありがたい、ですね。やっぱそれは、還元していかないといけない。」
―じゃあ、そんな作品をどんな風に聴いてもらいたいですか?
北畑:「うーん。まあ、ざっくり言ったら自由に聴いてもらえたらいいけど・・・」
五味:「それに尽きますね。」
北畑:「好きな、自分が音楽聴きたいなって時に、何か好きな音楽かける中に、その一枚に入ったらいいなって。単純にそれ。あとプラスは、もし、楽しかったらライブハウスは来てくださいっていう。ま、絶対ライブ来いよ!って言いたいんやけど・・・色んな趣味が、自分の趣味に金使って、娯楽で音楽聴くじゃないすか。別に義務で聴くわけやないんやから。まあ、家で聴くんが好きやったら聴いてもいいし。ま、ライブハウスもおもろいからまた、来てくれたらええなって感じすかね。俺は、別にこういう風な聴き方してくれって感じでもない。好きに、楽しいようにやってください。それの道具にっていうか、その中に、自分のやる音楽がなるんやったら、そうなりたいなって思います。」
―五味さんはいかがですか?
五味:「そうっすね。まあ、聴き方までこっちが決めれないんでね。自由に聴いてほしいと、もちろんそう思いますし。どういう風に聴いてほしい、か・・・。でも、何か最近、その、時代を批判するとかそういうことじゃないけど、やっぱ音楽がダーッと流れて、すごいたくさんあって、そこに誰でもアクセスできて、そん中の、ほんまにそん中の一個みたいな感じで、通り過ぎていく音楽がすごい多いんで。今回その配信なしで、CDも限定・・・って言ったらあれですけど、3000枚って限定でもなんでもないすよ。」
北畑:「そうすね。」
五味:「正直、すごい多いすよ。この規模でやってるバンドにしたら。だから、別にな、すぐ無くなるって思ってないし。」
北畑:「その無くなる・・・皆に探してもらお、みたいな感じじゃ全然無かったんですけどね。」
五味:「そうそうそう。すごい今、ばーってなってて、皆僕んとこからとかすごい買ってくれてて、手持ちが売り切れるとかゆってるんですけど。ま、全然あるとこにはあるし。3000枚って全然限定じゃないんですけど。一応数字決めて、これだけしかないって。で、モノとしてこんだけしか存在しない。その、通り過ぎていかない音楽にしたいっていうのが、まぁ、あったんで。限定、みたいな。枚数を決めて出そうって、相談して決めて。
レコードも1000枚。で、レコードってもっとその、何て言うんすか、決め打ちというか。ほんまに、大事にしてくれる人の手元に行けばいいって思って作ったから。何かあったときにそこまで戻ってくるみたいな音楽にしたいんですよね、やっぱり。一回聴いて、別にしばらく棚に戻ってるとかでいいし、毎日聴けとか言わないですけど。何か、今、世の中にいっぱいある、誰でもいつでも聴ける、無料で聴けるとか。そういうお手軽さとか便利さとか。別に僕ももちろん使うし、いいんですけど。自分の作った音楽に関しては、何かこうどっかで、何かあったときに戻って来れたりとか、帰って来たりとか。
ま、“HOMETOWN”ってそういう意味もあると思うんすけど。その人にとっての拠り所っていうか、帰っていく場所みたいな感じの音楽になったらいいなっていうのが、どっかにやっぱ、ありますね。だから、数を決めたりとか。」
北畑:「なるほど。」
五味:「場所を決めたりとかっていうのを、やらなあかんなっていうのが、あったんで。
まあだから、配信とかも多分、出さへん・・・。出す?出さへん?」
北畑:「え?今回のですか?」
五味:「今回の。」 北畑:「いやあ、今回のは出さない・・・。」
五味:「こんな感じでもう、出さへんもんな。
そう。何か、うん。それ自体、その人の帰る場所にしてもらえたらなーっていうのが。まあ、ずっと他の作品もそうなんですけど、今回はそれちょっと強めに意識したというか。せっかく一緒にやるし。その気持ちが何か、伝わったらいいなあと思いますね。」
北畑:「・・・伝わると思う。」
―思います。
五味:「でも、また何か変な売り方しとるわあって、思ってる人もおるからな・・・。ややこしいな、こいつみたいな。」
北畑:「でも、2バンドでやったら、意外にこういうたらまともな。」
五味:「うーん。」
北畑:「ま、音楽の内容はね、どないしようもない。バンドで作るからあれやけど。前のLOSTAGEのアルバムみたいなやり方は、五味さんが前言うた、五味さんの中でのそれが最善の方法やったんでしょ?で、またこういう、店で買えるっていう。まあ、俺らもスプリットはそうしようみたいな話になったから。それはそれでまた、面白い。ええこともまあ、あるやろうし。色んな何か要素が入って。」
五味:「そうすね。bachoの今までの売り方の流れと、僕のやってきた事と。ていうのが今、いい感じで合わさって、今の出し方になったんで。で、僕も考えるきっかけをもらったし。聴く人にとっても、それぞれにやってきた事とか、まあ、プロセス全部汲めとは思わないですけど、やっぱり、それ込みでの僕らみたいなバンドやと思うんで。なぜそういう風にしたかとか。何かどっかで伝わればいいなって、思いますね。」
北畑:「考えながら、これからもずっとやる訳ですからね。そりゃ、変わりますよ、色々。やりたい方法っていうのも。色んな影響・・・あ、こんな方法もあるか、とか。そんなんは色々あるじゃないすか。」
五味:「今回でも、4000やったかもしれんなって、俺ちょっと思ってて。」
北畑:「あー・・・。」
五味:「ふはは。」
―(笑)
五味:「思ってたより、どっちもまだ求められてるなって。まあまあ、おっさんのバンドやし・・・」
北畑:「あはははは。」
五味:「そんなないやろって・・・」
北畑:「嬉しい、嬉しい誤算っちゃそうかもしれないですけど。」
五味:「まあまあ。」
北畑:「あんまり、買うのを急がす感じじゃ全然なかったんです。」
五味:「全然なかった。全然なかったけど、何かすごい心配したメールとか来て。まだあるんですか?とか。めっちゃメール来て。ああ、何か申し訳ないなって思ってね。あるとこにはまだ全然あるんで。」
北畑:「店にはね、店に卸した分には各店に在庫があると思うんで。」
五味:「煽るつもりとか、焦らすつもりとか全然無かったんすけど。」
北畑:「そやねん。そんな価値出すつもりもないし。」
五味:「ちょっと、そっちが先行してしまって。ま、ライブでね、ちゃんと届けれるように手配したいなと思うてるんですけど。難しいな。あれもな、難しいな。」
北畑:「まあ、でもそんな分かんないすからね。」
五味:「どこに何枚置くとか決めれへんやん、こっちで。数字僕も見たんですけど、前回俺、流通使ってなかったからさ。流通使ったらどうなるかっていうのを見て。今こういう感じなんやとか、結構数字から見えてきたものとかあったりして。
それ僕、3000って皆で決めたときに、その感じ分かんなかったんで。何か今思えば、枚数調整したらよかったなとか。今は思いますけどね。難しいっすね、ほんまに。データやったら別に、アップロードすればそっから皆のとこばーって行くから、足りないってことも絶対無いし。逆に過剰在庫とかも絶対出来ないじゃないですか。結局それがいいから、皆、メジャーとかもそっちに移行してくと思うんですけど。モノを売る、難しさですね。」
―やっぱりこう、手に入らない人とかも出てきそうな感じですか?
北畑:「あとで思えば、なるかもしんないすよね。でも、出るのは知っとって買いたい人は、そんな速攻じゃなくても、手には入ると思う。」
五味:「結局、あとで買えないってのはまあ、仕方ないことなんで。」
―うん、そうですよね。
五味:「だって、例えば・・・今、旬のものとか。今何?旬なものっつったら。イチゴとかそういうの、あるじゃないすか。一番美味しいときに食べるけど、夏になったら無い。イチゴ一番うまいの食いたいんすけどって言われても、いや、無いからって言うしかないじゃないですか。」
―確かに。
五味:「音楽って生ものなんで。いつでも同じ状態で無いんですよ。そら当たり前なんで。そこはね、言われてもちょっと対応しきれない。そこまで僕らが、全部皆の気持ちごと用意する必要もないんちゃうかなっていうのは、思ってるんすよね、どっかで。サービス業じゃないから。」
―そうですね。
五味:「農民ですよ、僕ら。農民を別にばかにしてるわけじゃない。すごい仕事やと思うし。その時旬なものを一番いい状態で、皆のところに提供する。そこまでが僕らの仕事なんで。それいつでも食えるように何か、イチゴの品種改良するとかそういうことじゃないじゃないですか。」
北畑:「ははははは。なるほど。」
五味:「皆、やってますけど。
で、今一番いい状態で、今、出したから。それ皆聴いてほしいなって。今はその期間なんで。まだあるし。」
北畑:「あるしね。」
五味:「この記事が出たとき、多分まだあると思うんすよ。」
北畑:「店には結構ね、皆とってくれとーから。ここの店が無くなったとかはあるかもしれないすけどね。もう、どこ探してもないっていう状態までは結構まだあると思う。」
五味:「一応その、どこで売り切れてるとかも、僕もチェックして。ま、分かりやすいようにまとめたいな、とは思ってるんですけど。
・・・その後、またメルカリとかで売りよんねん、あいつら。」
北畑:「まあね。」
五味:「定価とかあげよって。怖いわ。」
―(笑)
五味:「まあ、ライブに来たら聴けますから。CDなくても。」
北畑:「うん。」
五味:「あと、ほんま最悪、持ってる友達に借りるとか。」
―ああ。
五味:「それ、全然普通やったやん。」
―そうですね。昔は。
北畑:「俺、全然いやじゃない。」
五味:「俺も全然いいと思う。そこで生まれるコミュニケーションとか、すごくいいと思うし。CD貸してよ、とか。今ね、データにして送ったりもしてると思いますけど、皆。別にそれでもいいっすよ、ほんまに。そこで何かその、聴いた人達のやりとりがあって、なんか意見交換されていくみたいなのって別に、いいから。人と人とのね、人間関係が生まれるわけで。」
北畑:「うん。うん。」
五味:「全然それで聴いてくれればいいし。モノはそういう気持ちで作ってるけど、その後どうなるかは、その聴いた人のジャッジというかね。
・・・聴けます。多分、いつでも。」
北畑:「うん。」
ーはい。
―じゃあ、最後に今後の活動についてお聞かせいただければと思います。
五味:「何か決まってんの?この先どうするか。」
北畑:「アルバムっすね。もう次、フルアルバムを。シングル2枚出して、スプリット。まあ、前は再録やったんで。もう、絶対アルバムです、アルバム。」
五味:「新曲で。」
北畑:「はい。まあ、シングルはちょっとまとめる可能性あります。」
五味:「bachoて、ほんま年中ライブやってるよな。まあ、僕らもそうですけど。制作期間でがっつり休も、みたいなことやるってこと?」
北畑:「いや。」
五味:「やりながら?」
北畑:「やりながら。結構ね、制作期間・・・進み遅いから、てなったらここで曲作ろうかってライブ減らしたりしても、別に皆普通に休んでますしね。ふははははは。」
二人:「ははははは(笑)」
北畑:「別に全然普通に、休んでるだけやないかって(笑)。」
五味:「難しいよな。ライブやめたからって、CD出来るわけじゃないですもん。逆にやってる方が、何か刺激があって、曲出来たりすることもあるし。」
北畑:「アルバム作って、まあ、あとは一緒。ツアーして。色んなとこ、出来るだけいっぱいライブしたいなーって。まあ、出来るだけこれからもいっぱいライブするためにアルバム作りたいし、作らなあかんっていう。まあ、そういう感じすかね、僕ら。」
五味:「いつ出すの?」
北畑:「・・・。」
五味:「これまた今ゆってもうたら、あれやな。ははは(笑)」
北畑:「いや、今年中に・・・録り終えたい。出るかどうか・・・は、もしかしたら・・・」
五味:「来年になるかもしれない?」
北畑:「うん。出ますよって情報揃えて、発表できるとこぐらいまでは行きたいっすね。出るかどうか、発売日が今年中に来るかどうかは・・・。」
五味:「固めたい?」
北畑:「うん。録り終わって、何月何日発売します、ぐらいは。」
五味:「ああ、でも、それやったら俺らも一緒ぐらいのタイミングかもな。」
―お。
北畑:「ああ。」
五味:「俺らも5月ぐらいから、ちょっと制作で、ライブ減らそかなってなってるんやけど。年内に固めてとか言ってたから。もしかしたら、いいタイミングで一緒に出るかも。」
ーええー。楽しみですね。
北畑:「フルサイズで、フルアルバム?」
五味:「スプリットの後にさ、同じタイミングでフルアルバムとか結構いいよな。」
北畑:「うん。」
五味:「あいつら頑張ってるなぁ、みたいな。」
北畑:「確かに。」
五味:「また送ろうか?俺、じゃあ。」
二人:「あはははは!」
五味:「こういうの入れよう思ってんねんけど。」
北畑:「牽制してくるん。」
五味:「そっちどうなん?って。」
北畑:「いいっすね(笑) 送ってください!」
五味:「あはははは。」
―(笑)
五味:「そっか。じゃあ、いいかも。」 北畑:「うん。」
五味:「僕らも、同じような感じですね。」
―じゃあ、皆すごく楽しみに待てますね。スプリットの後も。
北畑:「自分も楽しみやしね。ま、頑張らなあかんねんけど。音楽作るのって楽しいし。ライブで新しい曲やらな。自分らが一番いっぱい、同じ曲やってる訳ですからね(笑)。皆もそら、飽きひんって言われたら、飽きることもあるでしょ。そら。」
五味:「また、この曲って。」
北畑:「そうです、そうです(笑)。」
五味:「あっはっは。」
北畑:「(笑) それでも飽きひんて、好きやて言ってもらったら・・・嬉しいけど」
二人:「はははは。」
北畑:「自分もそら、嫌いにはならへんけど、新しい曲がないと、やっぱ今までの曲も楽しめないんで。」
五味:「そっか。ほんまそうやね。」
北畑:「これやろか、みたいな。どんどん新しい曲、やっていくのが、今までの曲やる楽しみにも。とにかく、必要なことなんで。」
五味:「そうっすね。・・・頑張りましょう。」
北畑:「頑張りましょう。」
五味:「よろしくお願いします。」
----------- Answer from Kinya Kitahata and Takahisa Gomi
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"通り過ぎていく音楽"にならないように、数を決め、場所を決め、売る。
大切にしてくれる人のもとへ届くように。必要とされている場所に届くように。
そんな思いが込められたスプリット『HOMETOWN E.P.』。
彼らが作ろうとした世界は、誰かから見たら閉じられた世界なのかもしれない。
でも、他の誰かには、果てしなく広がる可能性のように見えた。
少数派の脅威が、いつか何かをひっくり返す。そんな夢すら見てみたいと思える作品に出会えたことが嬉しかった。
bachoとLOSTAGE。
時に真逆に、時に寄り添うように、
互いを表現する2組のバンドのスプリット。
この作品は、あなたを変えるかもしれない。あなたの何かが始まるかもしれない。
作品から溢れる作り手の思いや、作品に真摯に関わった人達の思いは、きっと誰かに伝わって、変化を起こす、予感がする。
ここで伝えられる彼らの物語は、ひとまず、今日で終わりだ。
ここから先はあなた自身が、
求めて、探して、触れて、見て。
喜びも、泣き顔も、微笑みも、慰めも、孤独も、ない交ぜにして。
いつでも側に居てくれる音楽を。
決して置き去りにしない音楽を。
あなたのその目で、その手で、
確かめて。
【Release】
Now on Sale
EZCT-82 THC-012
税抜1800円 / 税込1944円
フォーマット:CD
1.No Memories / bacho
2.Sad Town / bacho
3.Foolish / LOSTAGE
4.こぼれ落ちたもの / LOSTAGE
http://throatrecords.tumblr.com/
【Live】
■ 2019年2月27日(水) 渋谷 CLUB QUATTRO
『bacho/LOSTAGE “HOMETOWN TOUR 2019”』
bacho
LOSTAGE
OPEN 18:00 / START 19:00
[PRICE]
ADV 3000yen+1d / DOOR 3500yen+1d