輝きプランナークローズアップ~パナソニックエイジフリー 佐々木聡子さん~Vol.2
前回に引き続き、パナソニックエイジフリー(大阪府門真市)で、これまで2000件以上の介護リフォームを手がけてきた佐々木聡子さんをご紹介。
◆ 得意の書道でプレゼント
デザインへの興味は書道から
佐々木さんは文学部に進み、書道を学んだ。これが空間デザインに興味を持つきっかけとなる。「書の作品は基本的に白い紙に黒い文字を書きます。バランスひとつで作品が生きるか死ぬか決まる世界です。また、作品を展示するときも並べ方ひとつで作品が映えるか映えないかが決まるので、考えながらレイアウトすることが楽しかったです」と佐々木さんは振り返る。大学卒業後、デザインへの道が諦めきれず専門学校へ進学。インテリアを学び、建築士の資格が取得できるコースを選び卒業した。
卒業後にはリフォーム会社に就職。反響営業から見積もり、図面、工事、集金まで一気通貫で行なった。「自分の考えたことが形になるのを目の当たりにした時におもしろいと思いました。限られた中でどんなパフォーマンスをするか、例えば少しのスペースがあれば収納がつくれるなと考えるのもおもしろい。誰かが住んで使うので、役に立てることが嬉しかったです」と佐々木さんは語る。
この会社に4年間勤めた後、設計デザインを分業しているリフォーム会社へ転職した。最初の会社では、図面は全て手描きで、パソコンで描くことが必要な時には担当に依頼していた。「自分でパソコンで描けるようになりたかった」と佐々木さん。「自分で営業をやっていたときはいっぱいいっぱいでしたが、営業についていくようになったので一歩引いて周りを見られるようになりました」
2年間この会社に勤めた後、今度は設計事務所に転職する。「それまで確認申請が必要な物件になると設計事務所に投げてお願いしていました。任せてしまうので、そのあとの流れが自分ではわからない。それではダメだと思い、設計事務所はどのようなものなのか知りたくて入りました」と語る佐々木さん。転職の理由はいつも尽きることのない探究心だ。「全部知っていたら、実際にはやらないとしても不安が少なくなると思うのです」
くすぶっていた福祉への思い
体が不自由な人の力になりたいという思いは中学生の頃から消えることがなかった。それまでも介護リフォームに携わることはあったが、もっと本格的に取り組みたいという思いが「ずっとくすぶっていた」という。専門にやっている会社を探し、パナソニックエイジフリーに出会う。そして、2010年11月に入社。培ってきたプランナーとしてのスキルを存分に生かし、介護リフォームという形で車椅子の人も暮らしやすい環境をつくっている。
リフォームは手すりが欲しいという依頼からスタートすることが一番多いという。生活動線を知り、その中で困っていることや不便していることを聞いていく。「手すりは一時的な解決にはなるけれども、根本的な問題はそこではないこともあります。ひとつひとつ紐解いて、生活しやすい環境をつくってあげることがプランナーの醍醐味です」と佐々木さん。介護リフォームでも知らないことはなくしたいと力強く語る。「構造的な部分などは苦手。施工の部分は職人や工務に頼っています。ここの知識も身につけて自分でハンドリングできたら、やりたいことがもっと形になるのではないかと思うのです」