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RELATIVITY

コエンザイムQ10

2019.02.24 05:59

〈前置き〉

この手のサプリメントは会社による質の違いはそこまでありません。

しかし、コエンザイムQ10に関しては成分が酸化型なのか還元型なのかは確認して選択する必要があると言えます。

効果を発揮するのは還元型であり、若い健康な人では酸化型を体内で還元型に変換できますが、加齢とともにその作用は減弱していきます。


コエンザイムQ10(以下CoQ10とする)とは、1957年にウシ心筋ミトコンドリアの電子伝達系の構成成分として発見されたQuinone(キノン)骨格とイソプレノイド側鎖の繰り返し回数10回を持つCoenzyme(補酵素)であることが名前の由来です。


CoQ10の効果はミトコンドリア活性化と抗酸化活性と言われています。1つの細胞には数百~数千のミトコンドリアが含まれ,ヒトの60兆の細胞には数京個のミトコンドリアが存在しエネルギーの産生が行われています。


CoQ10はミトコンドリアのエネルギー産生過程でエネルギーの効率的な利用を高める酵素として働いています。このような作用からCoQ10は心不全の治療薬(ユビデカレノン)として医薬品として使われてきました。薬事法の一部改正により2001年から健康食品として利用可能になっています。


また、CoQ10は抗酸化物質としてはビタミンEと共同して働きます。生体の物質が酸化ストレスを受けると、ビタミンEからビタミンEラジカルが生じるが、これを還元型CoQ10(ユビキノール)が還元してビタミンEに戻し、自らは酸化型CoQ10(ユビキノン)となります。酸化型CoQ10は血流をめぐり肝臓に吸収されたのちに還元され、再び還元型CoQ10となり血液中に戻る。これを繰り返しており体では血液中のCoQ10の95%以上が還元型の状態で維持されている。


CoQ10は生体内で合成が可能な物質です。その半数は食べ物由来であると報告されており、イワシなどの青魚を筆頭に魚や肉などの動物性食品に多く、バターやチーズなどの乳製品、大豆や落花生、ブロッコリーなどにも含まれています。

加齢による合成の低下と食事からの摂取低下により高齢者では臓器に含まれるCoQ10が低下し、機能低下により還元型CoQ10の割合も低下することがわかっています。寝たきりの高齢者や糖尿病患者ではその量と割合が著しく低下することが報告されています。特に糖尿病患者での還元型の割合の減少は顕著です。糖尿病による全身の酸化ストレス亢進が原因であると考えられています。


またコレステロールが蓄積する病気である脂質異常症の治療薬であるスタチンには血液中のCoQ10濃度を低下させることが知られています。つまりスタチンという薬はコレステロールの合成を抑制するだけでなく、CoQ10の合成も減らしてしまうことからスタチンの服用後2週間で血液中CoQ10濃度は25~50%減少することが報告されており、意識的に補う必要性が指摘されています。


多くの研究を調べると

ネズミの実験では、運動性や毛並みなどを評価した老化度評価において還元型CoQ10摂取により有意な老化の遅延が認められたとする論文や若いアスリートにおいても運動能力の向が認められたケースが取り上げられています。

バランスの取れた食事をとり、還元型CoQ10の継続的な摂取によるミトコンドリアのエネルギー利用の効率化や抗酸化作用により運動能力の向上が認められたされています。


もちろん一般人であっても骨格筋の機能、筋肉中のミトコンドリアの量と質を高めるにはCoQ10の摂取だけでなく継続した負荷トレーニングが必須であると言えるだろう。


副作用についてはあまり報告例はないが、医学的には動脈硬化予防作用があると考えられ、血がさらさらになることが挙げられます。一見いいことではあるが、出血した際に止まりにくくなるということに注意が必要です。また、降圧薬、糖尿病治療薬を使用している人は効果が強く出る可能性があるため注意が必要です。摂取している際に医療機関にかかる場合はしっかり報告する必要があります。


《総括》

コエンザイムQ10は、運動能力の向上を認めると判断できるでしょう。

エネルギー産生を活発化させて、パフォーマンスを向上させたい人は是非摂取することが推奨される。

また摂取する際は、健康的な人は酸化型でも効果を認めるが高齢者や臓器の機能がある人は還元型の製品を選ぶ必要があると言えるだろう。

継続的な摂取による害はあまり報告例はないものの、肝臓での代謝を行う物質であるため肝臓に負荷がかかることは考えられる。

長期的な摂取よりも、バランス良い食事が摂取できない時やパフォーマンスを上げたい時に是非摂取することを推奨したい。