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NPO法人 日本老化防御医科学センター

健康法をわかりやすく解説 Vol.05

2019.02.24 12:18

前回記事

電解水素水は口腔内部で溶存水素を保持する

電解水素水の舌がん予防を実用化するためには、実際に口腔内部における溶存水素の維持が前提条件となる。そこで次のような試験が行なわれた。

※被験者には実験前2時間程度摂食を止めてもらい、試験に臨んだ。

  1. 口腔内を水でうがいしてもらう
  2. 口腔内に水素水を45mL含んでから各時間に30mLを吐き出してもらう
  3. 直ちに溶存水素濃度を測定
  4. 静置は口腔内に水素水を含んだのち舌や頬を動かさず時間が来たら吐き出してもらう
  5. すすぎは口腔内に水素水を含んだ後、口腔内を洗浄する様に舌や頬を動かしてもらい所定時間が来たら吐き出してもらう

図18

図19

図20

この結果、下記項目がわかった。(図18-20)

  1. 電解水素水に含まれる豊富な溶存水素は、口腔内に入れると初期採水レベルの4割にまで激減する
  2. しかし、それ以降は口腔内で30秒まで9割 (0.4 ppm)の溶存水素を維持する
  3. 口腔内で3分間、経過しても高い溶存水素レベル(0.3 ppm)を保持している
  4. 酸化還元電位は、溶存水素濃度の経時変化と概して連動する
  5. 溶存酸素濃度はほとんど経時変化せず、溶存酸素は安定に存在する

以上より、本試験で用いた電解水素水の溶存水素は、人体に接触しても比較的安定なナノバブルを比較的、高率に含有すると考えられる。


口腔がん予防法としての電解水素水の口腔内ホールド反復法

電解水素水は、口腔内部という有機物との接触条件においても、一定レベルの溶存水素を保持することが判明した。(図18)

一方で、ヒト舌がん細胞などは単一細胞状態で、電解水素水を立続けに供給すると、細胞死を引き起すことも判明した。(前回の図12-15)

これらの実験結果より、口腔がんを予防する一案として、「電解水素水の口腔内ホールド反復法」が提唱される。すなわち、口腔がんの発がんの第1歩として、1個のがん細胞が生じる段階で、のどが乾く度に反復して、飲水として電解水素水を15-30秒ほど、うがいせずに口腔内に静かに含み、口腔内をゆっくりと行き渡らせる操作を行なう方法が口腔がんの予防に役立つ可能性が考えられる。

今後、より溶存水素濃度を高め、さらに、その持続性を向上させれば、より有効策となると考えられる。


有機物との接触条件における電解水素水による溶存水素の保持力

電解水素水の溶存水素に基づく臨床応用は、純水の中ではなく、人体内と同様に、有機物の豊富な環境での溶存水素の保持力いかんが成否の分岐点であり、実用化の上での重要な指標である。

そこで、実験手法として、有機物の豊富な10%血清 含有 細胞培養液における、電解水素水の溶存水素量, 酸化還元電位, pHの経時変化を測定した。(図21)

水素水で調製した培養液は、溶存水素 濃度が、通常の水では0.01ppm未満であるが、初期値0.17ppmから30分経過して92%に該当する溶存水素濃度を維持していた。理論的な最高値は常温常圧での真水では概ね1.6ppmと言われるが、本実験での有機物の豊富な過酷環境の中としては、相当レベルを達成したと評価される。 同じく電解水素水の培養液は、酸化還元電位は通常の水では+180〜+200mVのところ、-130〜-110 mVの高い還元性を維持していた。通常の電解水ではアルカリに傾きがちなpHも、ノンセパレート(非隔膜)式の電解水素水では7.1〜7.4のほぼ中性で安定しているが、これらの点も一定水準をクリアしたと言える。

今後、有機物との接触条件での溶存水素の初期値0.6ppm以上,1時間経過で0.4ppm以上を目指すべきである。

図21