掘ちえみさんのホロスコープ〜閉じ込められた叫び
今回はデヴィ夫人のホロスコープを用意していましたが、急遽予定を変更して、堀ちえみさんのホロスコープをお届けします。
舌癌ステージ4ということで、とても驚きました。
「スチュワーデス物語」は私も見ていましたし、子供を持つ同年代の女性としてシンパシーを感じていますし、
なんとか回復して、ひまわりのような元気な姿を取り戻して欲しい、という願いを込めて。
ちえみさんは1967年2月15日 午前4時8分、大阪府堺市生まれです。
このデータを正しいものとしてチャートを作成しました。
太陽は水瓶座、月は牡羊座。
水瓶座の「博愛と革新のエネルギー」で牡羊の「1番になりたい、トップでいたい」欲求を叶えて行く、というのが基本スタイルということになります。
これだけだと非常にサバサバしたアグレッシブな頑張り屋さん、という印象ですが、、
それとは別に、
ちえみさんは魚座の水星、金星、土星のステリウムを持っています。
魚座とは、
「周囲と一体になって同化し、深く感じ、奉仕的で優しく、心情を大切にする」という質を表現するサインです。
一方、牡羊の月は、「1番になりたい、トップでいたい」という欲求を持っていますから、
魚座的な考えや話し方(水星)、美意識や情緒(金星)、物事の現実化の方向(土星)、、、つまり
「奉仕的な優しさに美意識を感じ、話し、周囲と同化して夢を現実化したい」という質がどういう形で現れてくるのでしょうか。
水星金星のコンジャンクションは理想主義を表しますが、そうすると
魚座的な理想と牡羊座的な欲求を持つ、ということにもなります。
芸能界は魚座的(海王星的)な要素の強い世界ですから、そこで理想を表現してトップに立ちたい、という欲求を持っていたと言えますし、実際に彼女はトップアイドルでした。
MCのディスポジター(職業の適性)は「公衆に向けたコミュニケーション(魚座的な)」ですから、職業における欲求は満たされていると言えるでしょう。
月も3ハウスなので「コミュニケーションや表現活動の欲求」です。
厳しいと言われる芸能界ですが、
彼女の実績は、水瓶座の頑固さと牡羊座の負けん気を発揮して掴んだもの、とも言えますね。
でもよく見ると、太陽と月は男性サインですが、あとは全部女性サインなんですね。
なんとなくですが、、
ちえみさんは表面に見える快活な部分と心の奥底とでは、ギャップがあるのではないかと思うんです。
また、とても目立つのが、MC上にある火星とIC上の月、このオポジションに対して7ハウスの木星が加わってTスクエアを形成しています。
火星は4ハウスを、月は7ハウスを支配。
木星は12ハウスを支配。
MC軸は両親軸でもあり、ここにある天体は両親との緊張関係も表します。
月と火星は、母親からの怒りや気の強さから受ける影響を表します。
それが幼少期の家庭環境(4ハウス) から来る人間関係の取り方や情緒(7ハウス)になんらかの影響を与えていたことを示し、
それがTスクエアの木星で拡大されて健康問題や中毒(12ハウス)に発展してしまう可能性を示唆しています。
お母様とはどのような関係だったのか、また、今はどうなのか、
もし直接聞けるのならお聞きしたいところです。
(ネットの情報では絶縁状態とのことです)
海王星からノードへのクインデチレ(165度)も気になります。
(感情的に存在の薄い母親の可能性)
ちえみさんは今回の病気以外にも、突発性の膵臓炎や突発性大腿骨頭壊死なども患っていたとお聞きしています。
突発性っていうのは、、
原因不明っていうことです。
しかも耳慣れない、難しそうな病気ばかりです。
そして今回のガン。
ちえみさんの病気は何を物語っているのでしょう。
さらに
先の水星金星のコンジャンクションは冥王星から圧力をかけられて抑圧されているのと、
土星は天王星から激化のエネルギーを注ぎ込まれていて、安定と変化の綱引き状態を強いられています。
これら3つの魚座の天体たちはいずれもとても緊張しています。
まるで「本当に言いたい事は言えない」ように見えます。
もう一つ、太陽は11ハウスの海王星からスクエア。
この場合圧力を受けるのは2ハウスの太陽です。自我の困惑、エゴの消失。太陽は8ハウスを支配。。
自分を抑えて寂しさを隠し、愛されるために周囲に尽くす、、
そんなストーリーが見えてくるような気がします。
自分の本心はいったいどこにあるのでしょう。
ちえみさんは3姉妹の長女だそうです。
ここで思い出すのが、アドラー心理学で言われる「長男長女の喪失体験」という話しです。
長男長女というのは最初は一人っ子だったんですね。
初めはお母さんを独り占めにしていたのですが、ある日突然弟や妹が現れてお母さんを取られてしまう。
相手が赤ちゃんなので、今までのやり方では勝ち目がない。
なので、どうしたらお母さんの気を引けるのか試行錯誤を始めるしかない。
ある子供は(母親に喜ばれる)優秀な子になって、
ある子供は(母親を困らせる)問題児になって、
ある子供は(母親から心配される)病弱な子になって、、etc
という具合に、ナンバーワンの座を失った長男長女は再び母親から注目を得るために、涙ぐましい努力を始める、という理論です。
でも母親がその努力に気づいてくれなかったら、、、
ちえみさんの牡羊座の月は「ナンバーワンになりたい欲求」を持つので、それは特に一大事だったかもしれません。
それから、先程魚座のステリウムに触れましたが、それと重なるように
2ハウスのステリウムもあるんですね。(太陽、水星、金星)
2ハウスの体験領域は自己価値です。
そしてその全てがやはり圧力を受けて緊張しています。
冥王星から押さえつけられた水星と金星。
海王星から困惑のエネルギーを受ける太陽。
考えや情緒が抑圧されて、さらに自我も曖昧になってしまう。
本当の自分はどこへ行ったのか分からなくなってしまうような不安。
自分はアイドルである以外に何の価値があるのか?
そんな事を漠然と思ったりすることもあったんじゃないだろうか。。
本当のところは本人に聞くしかないのですが。
でも、仕事には恵まれて手ごたえも感じている。
だからもっと、もっと、もっと仕事を頑張る、周囲にも気を使う、、
(素の自分に価値を感じられないから、愛されている事を仕事で感じたい)
(でもそんな事は誰にも言えない)
これは不安ですよ。。
仕事では大成功を収めた彼女ですが、ここはまた別の次元なのです。
その辛さ、ご本人は気づいているのでしょうか。
スピリチュアルな考え方には
「病気は何かに気づくために潜在意識が送り込んでくるギフトである」というのがあります。
潜在意識は何をちえみさんに気づかせようとしているのでしょうか。
ちえみさんは子沢山としても有名です。
私も3人子供がいるのですが、
妊娠子育てしていた時は無条件で自分に価値を感じられたのを思い出します。
私はとても自己価値が低かったのですよ。
そんな私が無条件で価値を感じられた。
無条件で、ですよ。
子供にとって私はなくてはならない存在、、
そう思うだけで自分の存在意義が感じられた。
勿論そんな人ばかりではないのは分かっています。
自分と一緒にするな!と言われても仕方ないですし、何人子供を持とうと自由ですが、
このご時世に5人も子供を持つ(今のご主人の連れ子を入れると7人)というのは、そうそうある話ではありません。
何が彼女にそうさせるのか、
私はそこを考えてしまうのです。
そして、あと一つ特徴的な配置があります。
図を見てわかる通り、かなりタイトな水のグランドトライン(海王星、土星、木星)があります。
グランドトラインは一般的には吉相と言われていますが、それは一方的な見方です。
心理占星術では「エネルギーの閉回路」という見方をします。吉凶という考え方ではありません。
勿論、ここで増幅された大きな力がプラスに働く事もあるでしょう。
しかしその組み合わせと状況によっては、「出口のない堂々巡り」になってしまう可能性もあるのです。
海王星も土星も重い天体ですし、木星がお母様との軋轢を拡大して12ハウス(健康問題)を支配している状況を考えれば、この木星を含むグランドトラインはどのように働くのか。
水のエレメントなので感情の堂々巡りです。
その行き着く先は「もう傷つきたくないから自ら関係を断つ」という方向です。
でも、水瓶座の太陽と牡羊座の月は、その不安を無視して内面と向き合うことを避け、外の方向で頑張ってしまう。
このエネルギーで得た芸能界での成功はあまりにも大きいので、そこ(外向きに頑張ること)に固執してしまうのかもしれません。
まるで辛い気持ちを認めることに対して、罪悪感や敗北感を感じているようにさえ見えるのです。
私見ですが、お母様の期待には応えられない、裏切ってしまった、と感じて傷ついているのかもしれません。
ここに、ちえみさんが病気と縁が切れない理由があると思うのです。
直近の報道では、リウマチの治療もしていたと聞きました。
ちえみさんはご自身のブログで
「素晴らしい試練を与えていただいたんだ、貴重な体験だと、そう思いたいです」
と綴ってらっしゃいます。
試練。。
とご自分でおっしゃるのなら、これ以上気丈に振る舞うのではなく、
絶縁状態のお母様と腹を割ってお話しする試練を選択することをお勧めしたいです。
簡単なことではないと思います。
スカイツリーのてっぺんからバンジージャンプをする方がずっと気が楽でしょう。
15歳の少女が親元を離れて、いきなり人気アイドルになってしまった。
その後の突然の引退と復帰や結婚と離婚を繰り返した事も含めて、ご自身は勿論ですがお母様の葛藤も相当大きい大きなものだったはず。
溜め込んでいたいろんな感情を吐き出して、泣いて怒ってグチャグチャになって、
お母様の葛藤も飲み込んで理解して許して、そしてご自身の事も理解して許して、、
もしそれができたら
スッパリと病気と縁を切ることができると
私は思うのです。
手術は無事に終わったようですね。
順調な回復を心より願っています。
次回、予定では
魚座、海王星、12ハウスです。
もう3月だもんね。
これも長くなりそうだなぁ。
12ハウスかあ。
難しいよね。(ワクワク)