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NPO法人 日本老化防御医科学センター

基底膜を標的にした温度シフトダウン効果とは?

2019.02.25 11:02

皮膚構造脆弱化への防御作用に関して、生体組織エレメントとしての基底膜は重要である。

基底膜とは、ある生体組織とその隣接する別組織との間を区切るエレメントであり、その構成成分は、IV型コラーゲン・ラミニン・フィブロンクチンなどのタンパク質である。

基底膜の構造は生体組織に依って異なるが、特にIV型コラーゲン分子は鎖状であり、隣りの分子との間をend-to-endとして片端どうし結合して多角形のヘキサゴナルなハニカム構造を形成している。これをフレームとしてヒアルロン酸・コンドロイチン硫酸・ヘパラン硫酸などが付着して膜構造を形成している。

これらの立体構造の秩序性は、組織構造の脆弱化を面構造から防御できるかを規定しており、組織表面を広範囲に一過性冷却する温度シフトダウン効果によって皮膚構造を強化させる作用があるとの経験則が従来あったが、これを体系的に科学検証しようと企図している。

一定した温度・処理時間を制御するためにペルチェ素子による冷却面制御と広範囲の組織表面を急激に冷却するコールドプレートを用いて、37℃から5~10℃へ冷却する電気的温度制御を行なって、安定した温度シフトダウン効果をもたらし、毛孔・皮脂腺・汗孔を裏打ちする基底膜のタンパク質ランダムコイル化の抑制度と基底膜面構造の充填度とを向上させて、その孔径の抑制や歪曲形状の是正をもたらすかを走査型電子顕微鏡で視覚化すると共にそのスコアを定量的に計測することができる。

このコールドプレートは電器メーカーや美容機器メーカーなどから広く販売さ れている安全な電化製品であるが、温度・処理時間・冷却面の制御が製品優劣の 決め手となり、試験的に使用してみて初めて効能を実感することができる。