Many thanks
12月からサロンの仕事は少しセーブさせていただいていました。
2年前から闘病していた義父は入院せず、「大好きな自宅でなるべく普段通りに」と毎日を過ごしていました。
余命と宣告された日を過ぎ、少しずつできること、できない事のバランスが変化していく中
義父が「ゆっくり眠りたい」と
ふと語ったのを聞き
「アロマで足のマッサージはどうでしょうか?」
と提案すると
新しい事が好きで探究心の強い義父が即OKをしてくれたので(担当医師にもOKをいただき)それから2日に1度のフットトリートメントが始まりました。
足が冷えている日は足浴をしてみたりアロマオイルや、キャリアオイルを変えてみたりの試行錯誤。
ホットタオルで足先を包んで圧をかけないように、何より「タッチング」を一番の目的にしていました。
とてつもなく博学な義父は
「聞いて知らない事は無い」位だったので私が
「この植物の精油にはこんな成分が…」というと
「だから鎮痛作用があるのか」とか「この成分は昔はこの植物から精製していた」というようにふとした会話から更に深くアロマや化学成分について語れたのですが
最終的には精油の薬理効果は置いておいて義父が好きなラベンダー一本に絞りました。アロマもさることながらタッチングによるリラックス効果を義父も私も実感する事が多かったからです。
最後になってしまったフットトリートメントの日
いつもはすぐに眠ってしまう義父がとても饒舌に、表情豊かに私に話した事は
「やっぱりマッサージしてもらうっていいね。普段より眠れるし不安感が小さくなるんだよ。ありがとう」
という事でした。
呼吸が苦しくて目が覚めたとき
義母と語りながら時間をやり過ごしていると
フワッとどこからかラベンダーの香りがしてまた眠りに落ちる。
もちろん熟睡というわけにはいかなかったようですが、そんな夜中の事も語ってくれました。
誰かに触れてもらって幸せな気持ちになったり、不安感が消えたり、薬を飲んでも治らない症状が不思議と消えたり
私もアロマとタッチングには本当に大きな可能性を感じました。
最後のお別れの時、義父の足に触れ、これまでの感謝を伝えました。
あれからもうすぐ1カ月。
きっと今頃
自由に船に乗って海を冒険したり
遠い外国へ旅したり美味しい物を食べたり、鳥を愛でたり、カメラで写真を撮ったり
でも一日の終わりには大好きな家で、お酒を飲みながら静かに笑っているのだろうと思います。
[好きなことを、まじめに]を大切に。
感謝と敬意を込めて。