Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

東京・吉祥寺の勝又木材【一枚板カウンター】

楠、削ってみました。

2007.10.01 21:36

写真は、楠の一枚板で、寸法は、約1100㎜×450~550㎜×厚60㎜です。削ったら、赤い色身がとてもきれいだったので、少しネジレがありますが、18000円の値を付けました。彫刻材としても有名な、メンソール系の強い香りを放つ人気の材です。昨日、工務店さんから、うちの在庫にないものを、「今日の昼までに東京駅近くの現場に入れて欲しい。」と言われ、昨日は埼玉まで品物を取りに行き、今日午前は東京駅近くの現場まで運びました。この注文を受けるときに、「昨日1万・今日1万の別途運賃がかかるけどいいですか?」と聞いたところ、「助かります。お願いします。」と即答してくれたので、気持ちよく配達にいってきました。この金額が安いのか高いのかは、わかりませんが、遠距離小口配達というのは、東京の材木屋がこれからさらに減っていく中、増えていくのではないかと予想されます。こういった需要は実際にあるのに、工務店さんの方で、「こんな少量で遠くまで配達してもらっちゃ悪いから頼めない。」と思ったり、材木屋の方も「そんな少しだけ、わざわざ持って行けないよ。」などと言って断ったりしているのが今までの材木屋として多かったのではないかと思うのですが、これからは、「運賃このくらいかかるけど、それでもいいですか?」と言って聞いてあげるのがお互いにとっていいのではないかと感じました。数年前、宮大工さんとお話させてもらったとき、その方が、お寺の増築工事の見積もりを出し、檀家さん達に「この金額しか出せない。」と実際に原価割れするような金額を提示されたときに、言ったという言葉が記憶に残っているのですが、その方はそのとき、「私だって、ご飯も食べれば、味噌汁だってすするんですよ。」と言ったそうです。これは、今の時代、とにかく安ければ、「人のことなどおかまいなし」という風潮を物語ると共に、せめてもの抵抗をした宮大工さんの意地のようなものを感じました。遠距離で少額の荷物だと運賃がかかるというのは、一般の人は理解してくれるのですが、一部の工務店などには理解されにくいこともあり、そんなとき宮大工さんの言った言葉を思い出しながら、やっぱり「かかるものはかかる」と言うように心がけています。