フランス語で「着物」ってどういう意味?
こんにちはこんばんは、生涯福岡人!編集部です。
今回はまじめな話題ですよ。
みなさんは、カタカナ英語って言葉を耳にしたことはあるでしょうか。
英語として本来の意味をもって使われる言葉ではなく、日本にその言葉が入ってくる過程で、なんらかの意味合いの変化が起きた言葉ですね。例えば、「ショートカット」とか。
マリオカートとかでお馴染みの言葉ですね。
といった具合に、カタカナ英語があるんならその逆の、「外国に流入した日本語」ってのもあるわけです!
ここでようやく本題です(゜o゜;
私は今度大学のゼミに入るのですが、その事前課題として『フランス語で「着物」ってどういう意味か調べておいで』と言われました。
経緯として、簡単に言うと、
「外来語として入ってきた語は、意味が限定される」
ということをお聞きしまして。
例えば、英語に"look up"という語があります。これは、「尊敬する」とか「見上げる」という意味があります。
これが日本語に外来語として入ってきた時にどうなったかというと、"「見上げる」という意味のみ"がその語の意味として使われるようになったんですね。
確かに、逆の例を考えると、日本語の「かわいい」という語が"kawaii"として英語圏に入っていった時に、『かわいらしい』という意味合いでしか使われてないんじゃないかとふと思いました。
その話の流れで、フランス語はどうだろうってことになったときに、先生から、『「着物」は面白い意味になったんだよね。』と言われて、それが事前課題になったわけです。
それでは長くなりましたが、課題を進めます...。
...
ここからは、色んな文献を見て書いていきます。参考にしたもの等は一番最後にまとめて記載します。
今回見つけた資料の中に、こんな文がありました。
言いたいことは分かるけれど、日本人として使用がためらわれる言葉がキモノ。
日本でいう着物を指す場合は事実ですし、
浴衣も「キモノ」の一種なので許容範囲です。
ポリエステル製のバスローブ風ガウンのことも「キモノ」。これも許しましょう。
しかし。柔道、剣道、空手などの胴着が「キモノ」
…いや、それは違うのでは…と言いたくなってしまいます。
ところが、スポーツ用品店でもちゃんと?kimonoと明記されているんですね、これが。
ふむ。どうやら、日本語で言う着物とフランス語でいうそれとは意味合いに違うところがあるみたいです。
さらに別の資料を見てみると、
実はフランスは「kimono(着物)」という言葉が通じない国だと言われています。なぜなら、フランスでは柔道がとても盛んなので、「kimono=柔道着」と思っている人が多いからなんです。競技人口はすでに日本の3倍とも言われていて、世界1の柔道大国になっています。
ふむふむ。なるほど。ということは、私たちが想像する「和服美人」のようなものはフランスでは通じにくいってことなのでしょう。
ところが別の資料では、
kimonoは実はフランス語になっていますが、あちらでは前で合わせるシルクのキャミソールのようなものを指します(眠るときに着ます)。
キャミソール...。一体なんなんだ、"KIMONO"。
こんなに意味が拡大してるってことは、フランス語に確実に根付いたってことなんでしょう。
ところで、日本語においてもすでに「着物」という言葉には、使う人によって意味に差異が生じています。
団塊の世代やそれより上の世代の人たちにとって、着物は、"和服のカテゴリーの一つ"として扱われます。というより、それが和服が普通だった世代にとっては、私たちが普段洋服選びをするように、服装の選択肢の一つとして着物があったというだけのことでしょう。
それに対してそれより下の世代にとって、"着物=和服"として考える人が多いようです。洋服が当たり前の時代に生まれてきた世代にとって、和服は洋服と対照なものであり、和服の代表格として、和服=着物という考えがあるようです。
話しを戻すと、フランス語の"kimono"は、様々な意味があることが分かりました。これがフランスに入った当時からこんな感じなのか、それとも徐々に市民権を獲得していって今の形になったのかまでは分かってません。
なので、さしあたって考えたいのは、"kimono"という語がフランスに入った年ですね。そこから意味の変遷が探れるかもしれないので...。英語のOED(Oxford English Dictionary)みたいな、すごく詳しい辞書のフランス語版とかってないですかね...。
(追記↓↓ちょっとおもしろそうな記事を見つけたのでリンクをば。)
ゼミの専攻は英語系なので、別に力を入れてフランス語を勉強するわけではありませんが、気になります...。
いやあ、長くなりましたが、とりあえずは課題はクリアっぽいですね。
★★★★★★★★★
-参考資料-(それぞれクリックするとリンク先に飛べます。)
生涯福岡人!編集部