菊の花、ひらく
2025.10.17 09:00
「菊花開(きくのはなひらく)」10月13日〜10月17日頃
暦の上では、七十二候が寒露の次候に変わり、菊の花が咲き始める頃です。その名に導かれるように、10月10日、わが家の菊之助が旅立ちました。
14歳の白い雑種猫。いつもどこかとぼけた表情で、テーブルの上でひっくり返ったり、洗い物をする私のそばでじっと見つめていたり。誰かの膝を見つけては、当然のように乗ってくる甘えん坊でした。猫パンチもシャーも知らない、穏やかで人が大好きな猫。私の生徒さんたちも、みんな菊之助が大好きでした。
その日も朝はいつも通り。ごはんをもりもり食べて、トイレも済ませて、いつもの窓際でお昼寝。けれど午後、急に苦しそうになり、ほんの数時間のうちに、まるで「じゃあ、そろそろ行くね」とでも言うように、静かに大空へと旅立っていきました。
あまりに突然で、私はまだ悲しみの中にいます。ただ思い返すのは、家のあちこちで菊之助が転がっている風景。いつも誰かの笑顔のきっかけになり、そこにいるだけで空気をやわらげ、季節の移り変わりをそっと知らせてくれた存在でした。
今ごろは、たくさんの菊に囲まれながら、ちゅーるを食べて、のびをして、気ままに寝転がっているのでしょう。菊の花が咲き始めるこの季節に、菊之助という名を持つ猫が旅立ったことは、偶然ではないような気がしています。
菊ちゃん、ありがとう。
これからもずっと、季節の光の中に、あなたの気配を感じながら生きていきますね。