2018年11月 さいしょの「ぺ」公演『一人称^自分』
2019.02.27 05:06
日常的に発する声で、非日常的な会話をすることに、もう飽きなければならない
呼吸、幸福、苦悩、偏愛
誰もが皮膚感覚でヒリヒリすることのできる空間をデザインしよう
原作
ドストエフスキー『地下室の手記』
作・演出
宮澤大和
出演
石塚晴日(ぺぺぺの会)
岡ありさ(劇団木霊)
金澤卓哉
佐藤鈴奈(ぺぺぺの会)
日花 泉
広瀬匠馬
藤沢千代
ドストエフスキー「地下室の手記」を原案にした、旗揚げ公演。
舞台と客席を分けない演出によって、一つの空間に演者と観客が共在。
観客は、上演中に座席の移動・写真撮影・ツイッターでの感想共有ができ、PDFで販売された戯曲を読みながら作品を鑑賞することができました。
様々な要素が、作品に揺らぎを与え続けることによって、令和を迎える私たちの社会の揺らぎを現出させました。
原案「地下室の手記」(ドストエフスキー)について
『地下室の手記』でテーマとして扱われる自意識は、現代日本に暮らす人々の苦悩に通ずるところがあると思います。主人公が手記に自らの主張をまとめる情景を、目をつむって現代に置換し夢想すると、日記ではなく、どうしてもツイッター、ブログといった公の目に触れるものが浮かんできます。いっけん勢いに任せて書いたように見えるかもしれませんが、誰かに読まれる意識が途切れている箇所は一文もありません。自意識に苛まされた男の書く手記。『地下室の手記』の面白さはこういったところでも発見することができます。
作・演出 宮澤大和
公演動画
創作ノート
頂いたご感想・劇評