ご銘を読む~
2025.10.20 03:31
銘
茶席にある品々には、銘メイといわれる固有名詞がつけられています。
名前のようなものですが、そのものにふさわしい銘がつけられています。
不思議なもので名前がついた途端にそのものにはストーリィが生まれます。
ことばの持つ力です。言葉によって様々なイメージや感情が思い起こされます。
そして特別なものに生まれ変わります。
NLP、神経言語プログラミングと訳されています~
では、言葉と神経系統と脳内のプログラムはつながっているというのです。
例えば、お茶碗ですが、有名なものには、必ず銘があります。
そのものを彷彿とさせるものもあれば、連想させてくれるものもあります。
黒楽茶碗 銘禿 不審庵蔵
楽茶碗に禿(かむろ)という銘のお茶碗があります。
いかにも禿、おかっぱ頭のお稚児さんをイメージさせる形です。
そして利休はこの茶碗を手離さず手元に置いていた。という意味もあってこの名が付いたようです。
ご銘は、象徴でもあります。
言葉の後ろには様々なメッセージやその世界が広がってゆくのはみなさま良くご承知だと思います。ご銘はお茶碗だけではありません。
茶杓は、竹を削って作るお茶を掬って茶碗に入れる匙ですが、
その茶杓にも必ず銘がつけられています。
有名なものでは泪なみだというご銘の茶杓があります。
利休居士が、賜死の際に最後のお茶会で使うために自ら削ったものです。
後、古田織部守がもらいうけて泪というご銘にふさわしく、
外筒(茶杓を入れるケース)に小さな窓を開けて、位牌代わりに拝んだというのです。
茶杓 銘泪 徳川美術館蔵