敗北が鍛えた“折れない心”
2025.10.21 10:28
アメリカ留学中、園部八奏は「ボコボコにされた」と笑いながら振り返る。その言葉の裏には、14歳で初めて直面した世界との大きな差があった。盛田正明テニス・ファンドの支援で渡ったフロリダ・IMGアカデミーには、年齢も国籍も関係なく、勝負だけがあった。相手は心が折れそうな場面でも確実に追い上げる。日々の敗北と向き合う中で、園部は心と身体が鍛えられていくことを実感し、「成長の必然性」を理解した。
日本だけでは得られなかった経験も多い。英語でのコミュニケーション、海外生活、自立心。すべてが以前より格段に強くなった。園部のテニスは攻撃的だ。パワフルなサーブとフォアハンドで主導権を握り、守りだけでは勝てないと信じる。その姿勢は、過去の敗北があったからこそ確立したものだ。
園部八奏は、敗北の経験を胸に、どんな相手にも怯まず、勝利の価値を知っている。あの苦しい日々が、いまの強さを支えている。
TEXT&PHOTO:TomoyukiNishikawa/SportsPressJP