営業できないことと、営業しないことの違い
営業のできる人が、世の中にはたしかにいる。それはまるで神業のようだ。話していて、楽しく、信頼感が増し、発注をしたくなる。またヒヤリング能力も高く、理解力も高い。このような人は本当に営業能力が高いのだろうな、と感じる。
随分前になるが、とある新卒の男性社員がいた。彼は、少し空気が読めず、よくクレームを起こす所謂「問題が多少ある社員」だった。ストレートに言い換えると、営業能力が非常に低いかただった。しかし1年後に彼は、トップセールスマンになっていた。
彼は、何らかの能力が覚醒したのだろうか?
そうかもしれない。
しかし、彼がやったことはただひとつである。
それは、圧倒的に行動したことである。
営業成績が高い人は、決して能力値が高いだけではない。
営業の成績が良い人とそうでない人とでは、圧倒的に行動量が違う。それは一目瞭然だ。営業成績の良い人間は、まず打席に立ちたがる。そこにはなりふりを構わない。まずアタックに次ぐアタックだ。その後に本来の自分の能力を発揮する。
日々、いろいろなかたと話していると、営業数値を上げるには、どのようにすれば良いのか?というご相談を受けることがある。
ここで重要なのは、「営業能力を上げる」ことと「営業数値を上げる」ことは、けっして同じ意味ではないということだ。
営業能力を上げるためには、さまざまな能力向上のための努力をしなければいけない。それはたとえば本を読んで知識をつけることかれないし、話し方や聞き方の講座などに通いポテンシャルを上げることかもしれない。
しかし、営業数値を上げることは、至ってシンプルに2つの方法しかない。
ひとつは行動量を圧倒的に増やすことだ。周りが1の行動を行なったときに、2の行動をする。時間の隙間を見つけて、クライアントのフォローを行う。これは逆に言えば、誰でもできることだ。
またもうひとつは、単価を上げていくこと。数字というのは単価×数量でしかない。単価を増やし、数量を上げることでしか、営業数値はまず上がらない。
面白いもので、行動量を上げる努力し、単価向上を常に考えていると、営業能力も後追いで必ず追いついてくる。これは言い換えると要領が良くなることと同じ意味かもしれない。
営業という職種は骨の折れる仕事だ。しかし、営業数値を上げる方法は、至ってシンプルなものだ。数値ができないからと言って悲観することはない。それは能力とは全く別の意味だ。まず打席に立ちバットを振らなければ、どんな天才打者でも数字は残せない。
行動あるのみだ。