路線バス運転手、車いす客乗車を拒否「誤った判断」 2019.02.28 06:17 路線バスで車いす客乗車拒否路線バスが車いすの乗客を乗車拒否していたことが26日、明らかになった。発覚したのは千葉県松戸市の松戸新京成バスで、22日に男性運転手(50)が車いすの男性と女性の介助者に対し、「あと30秒で発車します。ごめんなさい」と車内マイクで伝え、出発した。車いすの男性らは午前10時46分発に乗車予定で、バス停には定刻の約1分30秒前に到着していた。運転手は出発の約30秒前に男性と介助者に気付いたが、乗降用スロープの設置、車いすをベルトで固定するのに要する時間を理由に乗車を断った。運転手は「発車時刻に遅れると、誤った判断をした。後悔している」と謝罪している。同バスには乗客16人が乗車していた。このバス停は始発、終点で乗車拒否したバスが発車した時には10時56分発の後続バスが反対車線で乗客を降車中だった。後続バスの運転手が、車いすの男性と介助者が乗車しなかった理由を聞いて乗車拒否が判明。車いすの男性と介助者は後続バスに乗車した。同社の路線バス98台は低床型で、すべて車いす対応。車いすの乗客が乗車に要する時間は「約5分」だという。中央の乗車口にはドライブレコーダーが設置され、「運転手と車いすの男性、介助の方とのやりとりは録画されていました」と同社は一部始終を確認し、運転手への聞き取りを行った上で「発車時間が遅れてでも乗車していただくべきだった。指導を徹底する」としている。【大上悟】○…東京五輪、パラリンピックを照準に車いすに乗ったままで利用可能なタクシーの改良が進んでいる。17年10月にデビューしたトヨタ「ジャパンタクシー」は車いすで使用する際のスロープの設置や、車内で車いすを固定する工程に約10分間を想定したが、「実際には20分近くかかる」と指摘する運転手もいる。昨年11月、車いすを利用する名古屋市の男性らが「乗る際に時間がかかり、乗車を拒否されることもある」として、トヨタに対して約1万2000人分の改善を求める署名を提出した。これを受け、トヨタではスロープ設置などの工程を短縮するなどの改良を行った新車両を4日に発表。「慣れれば、作業時間は3分ほどで行える」としている。