世相と人柄を映すエクササイズ
ストレス社会にはヨガ。
強さの象徴として筋肉。
そして合理性と整合性と快適性のバランスを追い求めた結果、社会はピラティスのブームを歓迎している。
どの種目を選ぶかによって、その人の人生が見えてくる。
例えばヨガ。
他者や地球との調和、そして平和を願い、争うのではなく自分自身に目を向け、エクササイズという儀式を通じて心を落ち着かせていく。
習慣化することで脈が落ち、呼吸が落ち着き、自分が落ち着き、やがて自分にも他人にも優しい生き方ができるようになる。
パーソナルトレーニング。
最新の科学的根拠を駆使し、効率的に筋肉をつけ脂肪を落とすための最短ルート。
トップトレーナーによって完全なボディメイクを可能とし、人々にトレーニングを通して自信を与える素晴らしい運動の一つ。
ピラティス。
上記2つの良いところを融合させ、尚且つ独自の理論が体系化されたピラティスは、最新の器具によってリハビリ・アスリート・大人の習い事と様々な ふり幅を持ったメソッドと言われている。
精神性も重視され、ダイエットの最短ルートとして設計されたわけではないピラティスに興味を持つ人は「最短ルートではない」という意味を「長期的な健康と美容には最適である」という観点で正しい選択だということを理解している方が多い。
しかし「どの種目を選ぶか」ばかりではない。
どの種目を選んだとしてもクライアントの性質は如実に表れる。
呼吸が浅い、余裕がない、せっかちな方のレッスンは呼吸のタイミングが てんでバラバラ。
思い込みが激しい方のレッスンは、勝手な想像から指導者が言ってもいないことを先走ってやろうとする。
いつも合理性ばかりを考えている人ほど基礎的な呼吸やスクープなどの動きを大切にしようとしない。
今に集中する訓練が未熟な方は「息を吸って準備」と言っただけなのに、過去の習慣から既に両脚をテーブルトップポジションへ持ち上げているケースが多い。
(日頃より「吸って準備」と言った後に「テーブルトップへ」と言うことが多いため)
そのような方たちがエクササイズを通じて自己認識をし、改良を加えて社会で羽ばたく姿をこれまでに幾度となく見守ってきた。
同じミスを何度も繰り返す人。
同じことを何度も忘れてしまう人。
ついついホームワークをサボってしまう人。
人と交わした約束を確実に守ろうとする人。
自分が頑張る意味を積極的に増やし、自分のため、担当するトレーナーを喜ばせるため、と自身をモチベートしていく人。
また提供する側にも色々ある。
自分の時間を60分使うなら2万円が妥当だと言う人。
お客様を綺麗にすることで きっとご主人様も喜び 家庭まで幸せになるようにと願いながら指導をする人。
色々である。
「フィットネス業界は目まぐるしく変化し 今後、美容室業界の後に続く」
と5年前に予想した安曇野フィットネスの代表は今何を思っているだろうか。
きっと「これで良いのだ」と言っているに違いない。