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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

オルレアンの少女18-決戦!胸を射られて落下

2019.02.28 10:53

その日の夜は奪取したオーギュスタン砦に皆泊った。夕食後に首脳が、本陣を攻めるには兵が足らないので明日の出撃はやめよう、と言ってきた。ジャンヌは烈火の如く怒り、拒否。そして聴聞僧に「明日はもっと早く起きて」といい、「私も乳房の上から血を流す」と不思議なことを言った。

いよいよ5月7日運命の日が始まる。ジャンヌは兵士達を集めた。目の前とはいえ本陣のトゥーレル要塞はこれまでとはケタ外れ、高い要塞の周りを堅固な城壁が囲み、その周りは空堀が掘られていた。しかし兵士達はジャンヌが居る限り負けないと士気が高い。

ジャンヌが言った言葉を、昨日反対した武将が証言している。「神の御名にかけて、今晩は橋を渡って帰ることになるわ」そして「私を愛するものは、私に続け!」と叫び、例の軍旗を持って真っ先に走った。兵士が突撃しないわけはない。この言葉はルイ6世が言った言葉らしいが、ジャンヌは声に教えてもらったのだろう。

しかし要塞は堅く、戦闘は激しさを極めた。ジャンヌは、昼ごろ城壁に一番梯子をかけて登り出した。するとその上から弓兵が現れ、ジャンヌを射て、予言通り、彼女の乳房の下当たりに刺さって彼女は地面に落下した。