インドで私も修行した in リシケシ 食事編1
最初にちらりと触れたが、なんで夫と私がインドへの旅を諦めていたのか。それはお腹を壊してしまうという誤った心配があったからだ。これから食事のことを書こうとしてるのに申し訳ない話だけれど、10年前にがんを患い大腸を20センチほど切ってしまった私は普通の人よりお腹を壊しやすく旅先での食事面とトイレのことは大問題だった。インドへ旅した人たちが口を揃えてお腹を壊した、水には注意するように、と言うのでやはり心配でインドへの旅という選択肢はなくなっていた。
しかしそんな心配はなく、お腹を壊すこともなくて本当に美味しくて美味しくてたまらない幸せな日々となった。あぁ、、夫にも食べさせてあげたかったなぁ。なので夫の分も食べるつもりで、食材を育て作ってくれた人たち、料理をしてくれた人たち、食べに連れていってくれた人たち、一緒に食事をしてくれた人たちに感謝して、毎食お腹いっぱい食べさせていただいた。想定外に太ってしまうおまけ付きで。
そして今回の旅で私の修行となりそうなのが、アルコールはないということ。もともとインドではアルコールを販売しているところは少ないと聞くけれど、リシケシではアルコールは全くない。聖地であるため、アルコールなど不謹慎なものは持ち込み禁止、そして、肉類魚類も料理には使われない。菜食が基本だ。
動物性の食材を使わないヴィーガン食は自分でもランチヨガなどで実践していたり、普段の食事も菜食が多いので苦にはならない。闘病中、セカンドオピニオンで診ていただいた中医学の先生から玄米菜食、特に乳製品を含む四つ足動物のものを摂らないように指導され、2〜3年実践していたが、その時も肉類への欲求はなかった。
さて、飲兵衛の私は果たして8日間お酒を断つことは苦行になるのだろうか…
最初の写真は到着した日のデリーのホテルでの夕食。
ダルカレー、バターチキンカレー、もう一品は名前を忘れてしまったけど野菜系の辛めのカレー、そしてインドのご飯バスティマライスとチャパティだ。
初のインドでの食事、カレーのお味は、美味しくて体に染み入った。バターチキンカレーもマイルド過ぎず野菜の旨味が効いていて、鶏肉は骨付きのぶつ切りがゴロゴロ入っている。ダルカレーはココナッツミルクがマイルドで深い味。もう一品のカレーはパクチーがトッピングされていて少し辛味が効いたベジタブルカレー。辛いもの好きな私には少し物足りない辛さだったが、後に診断されたアーユルヴェーダ医学での私の今の体の状態からは辛味を控えた方が良いとのことだったので良かったのだろう。みんなでシェアしながら美味しくいただき、これからのリシケシでの日々に想いを馳せた。
デリーのホテルでの朝食はバイキングスタイル。とは言っても、卵の炒め物、甘くないフレンチトーストのようなサンドはペースト状の豆が入っている、人参のマヨネーズ和えのサンド、他にトーストもあった。写真右端のMixed vegpicklというソースが辛くてお気に入りとなった。
そしてこれから毎日いただくことになるチャイ。このホテルのチャイは濃厚な茶葉でとても美味しかった。
リシケシに到着後のランチはマサラ味のじゃがいもなどの野菜を包み込んで薄く焼いたパラータ。インドの定番軽食、これがとても美味しくてこれからのリシケシでの生活が益々楽しみになった。デリーの朝食でいただいた辛いソースと大好きなサワークリームが添えてあるのも嬉しい!菜食とは言っても、パニールというチーズなどの乳製品や所によっては卵も食事に使われている。
この日の夕食は宿泊先近くのレストランにて。
3種類のスープとカレーなどオーダーしみんなでシェアしたのだけど写真がない…すでに想定外の寒さに体が縮こまっていたので暖かいスープが体に染み渡る。このお店にはこの後もお世話になる。
宿泊先の朝食。野菜カレーと大根葉のソテー(サブジ)、チャパティと大根と人参のサラダ。そしてチャイ。
インドの家庭料理という感じのこのホテルでの朝食が私は今回の旅で一番美味しかったのだ。塩加減も薄味で胃腸を目覚めさせてくれる。人参は京人参のような濃い色で甘い。大根は細いが辛味はなくジューシーだ。そして嬉しいことにグリーンチリが添えてある。普段朝食はあまり摂らず、お茶や軽いもので済ますことが多いけど、美味しすぎて毎回おかわりしてしまうほどだった。
だんだん何日目にどこで食べた食事だかわからなくなり日にちが間違っているかもだけど、
二日目の昼食はガンジス川が見渡せるカフェにて。最終日の夜にも訪れたこちらのお店では日本のインド料理店でもよく見かけるようなセットメニューをオーダー。
三種類のカレーは確かダルカレー、パニールのカレー、野菜カレーだったはず。ヨーグルトとサラダ、チャパティとひよこ豆のおせんべいのようなパパド、デザートは甘い蜜が染み込んだカステラみたいなもの。
私は好き嫌いはほとんどないのだけど、唯一、とある笑っちゃう事情で甘いものが苦手なので、これはお仲間に食べていただいた。
夕ご飯もみんなでシェアして食べるのでこんなに豪華に。
インドでは生野菜は食べない方がいいと言われていたけれど、それもここリシケシでは無用な心配だった。パニール入りの豆苗に似た野菜と瓜のサラダ、トマトソースのサラダ、ジャガイモの炒め物、中華風ヴィーガン肉団子はふんわりしていてボリューム満点、ほうれん草など野菜たっぷりのラザニア、カレーも二種類。こんなに食べてたら太るに決まってる。
そして、お酒のことなどすっかり忘れて美味しくジンジャーティーでいただいた。
朝食のカレーは毎日違うものを作ってくださった。これもとても美味しくて美味しくて、ついついおかわりしてしまった。豆のカレーとキャベツのサブジ。豆は本当にいろんな種類のものがあり、これはたしか大豆が小さくなったような形のものだった。
Vyas先生と奥様のミニさんに感謝。
この街には世界中のヨギが集まるので食事もインド料理だけではない。
この日のランチはバス通り沿いのガンジス川が見渡せるカフェにて、ハラルプレート。
これがまた、とてもとても美味しかった。
私もよく作るひよこ豆のペーストのフムスも本格的なお味。このゴマたっぷりの丸いお団子みたいなものの名前がわからないのだけど、これは絶品だった。そしてポテトフライも揚げたてでオイルもとてもよく美味しかった。サラダにはライムを絞っていただく。薄味で野菜本来の味を生かしたお料理に普段の日本食は塩分取りすぎだなぁと感じる。ぬか漬けや味噌汁、梅干し、ご飯のお供は塩分過多だ。気をつけないとだなぁ。
この日は夕方、ディナー前にシロダーラというアーユルヴェーダの施術を受けたため、頭がオイルまみれで皆さんとの食事に行けず、一人寂しくホテル近くの初日に行ったレストランにて。
今思うと一食抜いても良かったのに、こんなにガッツリと食べてしまった。
そしてやはり一人のご飯は美味しくない。日本ではほとんどいつもひとり飯なのに、ワイワイみんなでシェアしながらいただくご飯のなんとありがたいことか。
食卓を囲む、という当たり前の日常、私にはやはりそんな日常が必要なんだとはるか遠いインドの地のレストランでしみじみと思ったのだった。