見学ということ
1990.11.08 01:19
ワザの向上にとって、他人のワザを見ることは重要であり大いに役立つ。おのれのワザは自れの感性がとらえ直接的であるのに対し、見学することにより間接的にワザを研究できるからである。ただ単に、ワザが極まる、掛かるというのを見るのではなく、相対する人に対し、いかなる行動をとるかを熟視するのである。見た目に悪い見栄えのしないワザは、やはり極まりワザとは言い難く、真に美しいワザ、すなおなワザが見学の対象であるが、逆のワザもまた手本にできるのである。
自れのワザの動きは、多くなく、少なくなく、大きくなく、小さくない無駄を省いた無理のないものをめざす。
平成初期、相久の稽古メモより抜粋