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松道流 護身武道 松栄館

砂利2則

2025.11.01 08:10


1,銭湯にて

 霜降も末候になりました。

 朝夕の温暖差も激しく、銭湯通いの頻度があがりました。

 先日、露天から中の湯舟に入ろうとしたとき、右足裏に「なつめ」ぐらいの大きな石ごろを踏んだ感触があり、こらぁ踏んづけると足裏が破ける!とおもい、咄嗟に左足に重心を移しました。

 直後に検証すると、ほんの米粒ぐらいの大きさの、砂利でした。

 そこで思い起こしたのは宮本武蔵を描いたまんが「バカボンド」のワンシーンです。武蔵は修行の途中、河原で廃材についた錆びたくぎを踏みぬきます。

 「気が全身に融通無害に通っていないとこうなる」とのセリフが添えられました。

 お、ぼくも足裏の隅々まで鍛錬が行き届いたかなと内心、ほくそ笑んだものです。

2,宮にて

 翌日、8年来参加し損ねた火渡りの神事があり、今年こそは!と思い、日程調整して神社に馳せ参じました。火をわたるのに、町会やぼくのような好事家が行列を成していました。行列ではだしになると、神社に敷き詰められた、それでこそなつめ位の大きさの石が足裏とじかに触れ、激痛がはしりました。

 一方で、神主さんは涼しげな顔で、火の道に、土に、砂利道にとはだしで闊歩していました。

 5,6歩くと、痛みが治まり、ぼくもあるけるようになりました。

 非日常的な体験が、人間本来のバランス感覚を整えた気がしました。

 

 砂利と外圧に対するカラダのバランスを考えさせられる、2日間でした。


もみじが蔦黄色になる時節にて

 謙久