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山岸産業医事務所

子の看護等休暇について、ご存じですか?

2025.11.10 17:41

2025年4月に、育児介護休業法の一部改正があり、子の看護等休暇の拡充がなされました。

企業の人事・管理者の方は、今回の変更点のうち、特に「子の看護等休暇」の変更点に

ついては、最低限は把握されておくと良いと思います。

私が訪問させて頂いている企業の担当者の方々には、なるべくお話しするようにしていますので、この記事を読むと、「またか」と思うかもしれませんが、せっかくなので読んでみてもらえると嬉しいです。

これから冬にかけて、例年通りインフルエンザが流行します。また、コロナウイルスについては、実は今も「流行の波」があり、およそ夏季3か月、冬季3か月のペースで流行が見られます。これらが年末から年明けにかけ、それぞれ流行することが予想されます。


従業員のお子さんがインフルエンザやコロナに罹患し、5日間ほどお休みする都合、親である従業員もお子さんの看護のために同様に5日間、休まなければならない場合が多々発生すると思われるため、当HPでも、情報提供致します。


詳細は、厚生労働省のHPやご案内を見て頂ければと思います。

https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/ryouritsu/ikuji/nursing/

(厚生労働省HP 「育児休業制度 子の看護等休暇」)


・下記に想定問答を載せておきますので、参考までに読んでみてください。


*状況設定

あなたは現場の管理者です。ある日、従業員から朝に電話がかかってきました。

(この従業員は、週3日以上出社の労働契約で、小学校3年生までの子供がいる方です)


◆ 望ましくない(改善前の)やりとり ↓

従業員:「子供がインフルエンザになってしまったので、今週いっぱい、5日間お休み

をしなければならなくなりました。」

あなた(管理者):「分かりました。仕事のことは気にせず、お子さんの看護に専念して

ください。しかし、あなたは入社してすぐであり、まだ年次有給休暇が出ていないため、

今回は欠勤扱いとなりますが、よろしいですね?」

↑ このエピソードの従業員を、即座に欠勤扱いにすることは、正しい対応とは言えないです。


◇ 望ましい(改善後)のやりとり ↓

従業員:「子供がインフルエンザになってしまったので、今週いっぱい、5日間お休み

をしなければならなくなりました。」

あなた(管理者):「分かりました。仕事のことは気にせず、お子さんの看護に専念して

ください。あなたは入社してすぐであり、まだ年次有給休暇が出ていないため、通常は

欠勤扱いとなりますが、今回はお子さんが小学3年生までで、かつインフルエンザで

看護のためにお休みを取得する場合は、おそらく『子の看護等休暇』が申請できる

かと思います。『無給かもしれません(*無給または有給については、各企業の育児介護休業法関連の就業規則などに基本的には記載がありますが、分からない場合には、人事などに確認しておくと良いと思います)が、その場合、欠勤扱いにはなりません。念のため、お子さんが受診された病院のレシートなどを保管しておくと良いと思います。」

↑ が、今回の法改正後の現場の管理者あるべき対応だと私は考えます。


このようなエピソードは、他にも例えば、子どもが通うクラスがインフルエンザの感染者が多数発生したために学級閉鎖となったために、お休みが必要となった場合や、年次有給休暇があと少ししかないため、次の年次有給休暇の付与までに使い切ってしまうことを心配する従業員の方にも、同様に情報提供をしてあげることが管理者のあるべき対応だと考えます。


*最重要ポイント:「子の看護等休暇」は、厚生労働省のHPにもあるように、

法律で定められた権利ですが、これは「有給か無給かは問わない」ため、企業ごと、

あるいは雇用形態ごとに、「有給休暇扱い、または、無給休暇扱い(欠勤ではない)」

が異なるため、事前の確認が必須と言えるでしょう。

できれば、企業の人事などから、管理者に分かりやすく事前に周知・想定問答を

レクチャーしてあげると親切だと感じています。


詳細は専門家(社労士など)にご確認いただければと思いますが、法改正の内容を考えれば、上記の想定問答は間違っていないと考えます。育児介護休業法の改正の主旨を理解し、従業員が権利を正しく行使できるよう、ご参考にして頂ければ幸いです。


・法律が変われば表示が変わる。

・法律が変われば望ましい対応が変わる。


そのため、私もなるべく法律改正の情報のアップデートをしていきたいと考えています。


引き続き勉強をしていきたいと思いますので、何卒よろしくお願いいたします。