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現行区分所有法と改正区分所有法

2025.11.11 23:26


 区分所有法は、マンションなどの区分所有建物の管理、権利、および利用に関する基本的なルールを定める法律です。


 管理規約改正を進めるにあたっては、

区分所有法や標準管理規約の位置づけを正しく理解することが重要です。

 マンション管理規約の基本と最新改正については、

「優先順位別 管理規約改正項目一覧 ー何から改正に着手すべきか 法律・規約」

で体系的に整理しています。


Ⅰ 現行区分所有法の要点

 2026年4月の改正区分所有法の施行に備え、現行の「建物の区分所有等に関する法律」(区分所有法)の主要なポイントを再確認します。


1. 区分所有建物と権利の構成

▲ 専有部分等の定義




2. 管理と意思決定の主体

区分所有建物においては、管理組合が結成され、その運営は集会(総会)を通じて行われます。

▲ 管理組合等の内容




3. 主要な集会決議の要件(現行法)

集会における重要な意思決定には、普通の決議よりも厳しい多数決の要件が定められています。

▲ 決議要件一覧


 *ポイント: 集会での決議は、区分所有者の人数と議決権の割合の両方の要件を満たす必要があります。





4. 専有部分の使用と義務違反者への措置

区分所有者は、専有部分を自由に利用できる一方で、共同生活を維持するための義務を負います。

専有部分の用途制限: 専有部分の使用は、建物の用途(例:住居専用)および規約に違反してはならない。

義務違反者への措置: 規約や集会決議に違反し、共同生活に著しい障害を生じさせる区分所有者に対しては、集会決議(各3/4以上)により、以下の措置を裁判所に請求できます。

 専有部分の使用禁止請求

 区分所有権および敷地利用権の競売請求

 専有部分の引渡し請求(占有者に対して)



*まとめと次へのステップ

 現行法では、所有者不明や反対者の存在によって、特に共用部分の変更や建替えといった重要な意思決定が困難になるという課題が指摘されてきました。来年の改正は、主にこれらの課題に対応し、管理の円滑化や建物の再生をしやすくするための要件緩和や新たな仕組みの導入が中心となります。

 現行法の要点、特に決議の要件(過半数、3/4、4/5)をしっかり理解しておくことが、改正法の変更点を理解する上での土台となります。



Ⅱ 改正区分所有法の主要なポイント

 現行法の確認を踏まえ、来年施行される改正区分所有法(2026年4月施行)の主要なポイント、特に管理の円滑化と建物の再生に関する変更点について解説します。

 今回の改正は、高齢化や所有者不明化が進むマンションの適切な管理や、老朽化マンションの再生を促進することを主な目的としています。



1. 管理の円滑化に向けた変更点

 所有者不明の専有部分が増加すると、管理行為(修繕や共用部分の変更など)の決議や実行が困難になります。


1-1. 所在等不明区分所有者の持分の算定特例(議決権の算定)

現行法では、所在が不明な区分所有者の議決権は分母(総議決権数)に含まれたままとなり、必要な賛成を得るのが困難でした。

【改正点】:所在が不明な区分所有者の議決権と敷地利用権の持分は、一定の手続きを経ることで、集会決議の分母となる議決権・持分総数から除外できることになりました。

【効果】:所在不明者がいても、その他の区分所有者によって管理組合の集会決議が成立しやすくなり、円滑な管理運営が可能になります。


1-2. 所在等不明者の専有部分への立ち入り

現行法では、緊急時を除き、専有部分内部の調査や修繕のために立ち入ることは困難でした。

【改正点】:管理組合の実施する共用部分の維持管理に必要な調査や工事を実施するため、所在等不明者の専有部分への立ち入りを可能とする法的な仕組みが整備されました。



2. 建替え・再生の円滑化に向けた変更点

老朽化マンションの増加に対応するため、大規模修繕や建替えの意思決定を促進する措置が導入されます。


2-1. 特定共用部分の変更(新設)

建替え以外の選択肢として、大規模修繕や改修による長寿命化を促すための新たな決議区分が設けられました。

▲ 決議要件の比較


*建物の長寿命化を目的とした特定の重要な変更について、従来の3/4決議よりも緩やかな2/3決議とすることで、建替えに至る前の改修工事が行いやすくなります。



2-2. 団地再生事業の創設

複数の棟で構成される団地において、敷地を一体的に利用した建替え(団地再生)を円滑化するための仕組みが創設されます。

【改正点】:団地内の建物のうち、一部の棟のみを建て替える「一部建替え」や、すべての棟を一度に取り壊して建て替える「全部建替え」など、団地の実情に応じた再生を可能にする新たな手続きが導入されます。




3. 法制度の整備

 その他、管理組合の法人化を容易にするための見直しや、外部の専門家が理事長に就任しやすくなる制度の整備なども行われます。

管理組合法人の設立要件の緩和:法人の設立決議要件の緩和(4/5から3/4へ)など。

管理者(理事長)の外部専門家登用:管理組合の管理者として、区分所有者以外の弁護士や建築士といった外部の専門家を選任しやすくなるための規定の整備。



まとめ

今回の改正は、「所在不明者対応」による日常管理の維持と、「特定共用部分の変更」による建物の長寿命化促進を柱としており、マンション管理の現場に大きな影響を与えることになります。





リンク先>
老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律について  法務省