【流 通】東京大学など 森林・泥炭地火災から発生する煙霧による健康リスクを解明
2025.11.14 00:40
東京大学などによる研究グループ(※)は、インドネシア・中央カリマンタン州のパランカラヤ大学との共同研究から、同地域で森林・泥炭地火災から発生する煙霧が呼吸器疾患を増やすことを示した。また発生源に近い地域では、煙霧による健康リスクが大きくなる可能性を示した。
東南アジアで発生する煙霧は、地域の大気汚染物質だけでなく、周辺地域で発生する火災由来の煙が原因となる。この研究では、粒子径が10μm以下の粒子状物質(PM10)と衛星画像による火災(ホットスポット)を用いることにより、煙霧の種類を火災由来、非火災由来に分けて分析した。火災の近隣地域では、火災由来の煙霧の健康影響が大きいことが明らかになった。今回の研究は、インドネシアを含む東南アジア地域において、火災の発生地域や煙霧の種類・継続期間を考慮した曝露評価を行った点で新規性があり、これまでの研究にはない知見を提供した。この成果は気候変動に伴い増える可能性のある日本を含む世界各地の森林火災による煙霧発生時の公衆衛生対策の強化や優先順位付けにも貢献することが期待される。
※ 東京大学大学院医学系研究科 PHUNG Vera Ling Hui(プン ヴェラリンフイ)助教、北海道大学大学院医学研究院 上田佳代教授、同大学北極域研究センター 川崎昌博研究員、鹿児島大学大学院理工学研究科 大橋勝文教授、京都大学大学院農学研究科 内藤大輔助教らによる研究グループ
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