血の宿命(1)幕開け
2015年12月20日、朝日杯フューチュリステークス
この日は、JRAG1完全制覇がかかる武豊と良血の母をもつエアスピネルが
主役になると誰もが信じてた。
そしてその日から遡ること10年
2005年の春、3歳牝馬戦線は例年になくハイレベルな年であった。
その中で中心にいたのが
新馬戦を圧勝し、その後も阪神ジュベナイルフィリーズには負けたものの
ファンタジーステークスとフィリーズレビューを制したラインクラフト。
新馬戦から3連勝でフラワーカップを制したシーザリオ。
デビュー戦から武豊が手綱をとるエアメサイア。
この3頭であった。
しかし、この3頭の中で最も実績が劣るのがエアメサイアであったのである。
エアメサイアは、2004年11月新馬戦でデビュー勝ちする。
武豊は武豊TVⅡ(フジテレビONEで放映されている武豊の番組)で
「この時、まさかこの馬で桜花賞にいくとは思わなかった」と後述したほど
平凡な印象であったようである。
その後、白梅賞には負けるもののエルフィンステークスに勝利し
フィリーズレビューで3着にはいりようやく桜花賞の切符をつかむ。
この時初めて強さを感じたと上記の番組内で武豊が語っている。
第65回桜花賞(4/10阪神競馬場芝1600)
1番人気は、単勝3.9でシーザリオが支持され、つづいて2番人気は僅差の単勝4.6で
ラインクラフト、エアメサイアは3番人気で単勝は6.5で支持されていた。
このレースは。大外から積極的に先行したラインクラフトがシーザリオの猛追をかわし
制するのである。エアメサイアは4着。
第66回優駿牝馬(5/22東京競馬場芝2400)
ラインクラフトがNHKマイルにむかったため、シーザリオの単勝は1,5倍と
断然の1番人気となった。2番人気は、単勝8,6倍のエアメサイアであった。
レースの方は、スタート出遅れ気味のシーザリオをエアメサイアに騎乗する武豊が
上手く蓋をして先行する。一方、蓋をされたシーザリオに騎乗する福永祐一は
ここで思い切った決断をする。後方待機に切り替えたのであった。
展開は、スローで進み4コーナーへ。この時点でシーザリオはまだ後方12番手にいた。
直線先に抜け出したエアメサイアがグイグイ伸びて先頭にたつ。
武豊は、この瞬間勝ったと思ったそうである。
しかし、ここで前残りの展開で届かないであろうと思われていたシーザリオが
後方から飛び込んできてゴール前クビ差で差し切ったのである。
武豊は、完璧な騎乗をしてエアメサイアは完璧な競馬をした。
それでもシーザリオに負けたのである。
オークス後、シーザリオはアメリカ遠征でアメリカンオークスを制したものの
レース後に繋靭帯炎が発覚し長期療養を余儀なくされ
翌年、復帰を目指したが調教中に再発して2006年4月に引退。
エアメサイアとシーザリオの2頭の戦いは、エアメサイアは一度もシーザリオに勝つことなく終止符がうたれたのである。
その後、エアメサイアは、ラインクラフトをくだして秋華賞でG1タイトルを獲得。
しかし、秋華賞以後善戦はするが勝ち切れず故障により
2007年2月28日に管理する伊藤雄二調教師とともに引退した。
くしくもエアメサイアの秋華賞が師の最後のG1タイトルであった。
ちなみに伊藤雄二厩舎でエアメサイアの調教助手をしてたのが
現在、エアスピネルを管理している笹田和秀調教師であり
シーザリオを管理してたのはリオンディーズを管理している角居勝彦調教師である。
時が流れて2013年
キングカメハメハを父にもつ2頭の仔馬が生まれる。
エアメサイアの第4子であるエアスピネルと
シーザリオの第6子であるリオンディーズです。
ここから、第2幕がはじまるのである。