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キリスト教で読む西洋史ー聖女・悪女・聖人・皇帝・市民

オルレアンの少女19-聖女復活して大勝利!

2019.03.01 11:30

ジャンヌの負傷に英軍から歓声があがった「見ろ!あのアマは神の遣いなんかじゃねえ」。戦友達がかけつけて手当てすると思ったより軽傷だとわかった。しかし勢いは英軍にもっていかれて、戦線は膠着状態となった。夕方になり、オルレアン軍の司令官ル・バタールは「もう引き揚げようぜジャンヌ」と言った。ところがジャンヌは「休憩して夕飯を腹一杯食べましょ」と言った。

引き籠って外に出てこれない英軍の前で、仏軍は堂々と宴会をした。ひとしきり食べたところで、ジャンヌの行動を付武官であるジャン・ドーロンが証言している。ジャンヌは自分の軍旗を掘の前まで持ってこさせて、大きく振った。仏軍は皆それに終結した。英軍は恐怖に襲われた「あのアマまだピンピンしてやがる」
英軍兵は歓喜したあとだけに奈落に落とされた気分だったろう。神か魔女か、ともかくそこに居るのは人間とは思えない。仕掛けとしても狙ってできるわけではない。大天使ミカエルの指示はさすがである。

ジャンヌは、兵士を正面の門に全員突撃させた。英軍はもはや持ちこたえることができなくなっていた。堅い門が突破されたとき、兵士は我先にと逃げ出した。大将グラスデールは、ロワール川の橋に来たが、別働隊が橋を焼いて川に落ちて溺死した。英軍の兵士も大勢川に逃げて溺死、英軍が逃げればいいと思っていたジャンヌは大声で泣いた。
下はジュール=ウジェーヌ・ルヌブー作「オルレアンのジャンヌ・ダルク」(部分)