EQ通信 Vol,2
国内総生産(GDP)が世界第3位でありながら、心のインフラが整わない本国において「資本と幸福」をどのような接続詞で結びつけようか。
そして、その相関関係や如何に。
もちろん個人べースで物事を考えるという小さな物差しを用いれば、確かにお金は在ったほうが幸せなのかもしれませんが、家族のムード、会社のムードというようにマスを大きくしていき「国全体のムード」で考えた場合、経済的側面ばかりを用いて幸福とメンタルヘルスは語れないということが容易に理解できます。
上記はこの先の日本に必要なものを考えるきっかけを与えてくれる図です。
横軸がEQスコアで縦軸は世界保健機関(WHO)によるメンタルヘルス&幸福度の指数です。
Australiaいいですね。
では、なぜ日本は最下位なのでしょうか?
そしてこの図から何が読み取れるでしょうか?
私が経済学や社会学の教官であればテストに出したい問題です。
諸説あると思いますが、きっと皆さんが思いついたものは全て正解かもしれません。
ダメな理由を列挙するのはネガティブな作業ですが、それも全て未来の子供たちのためではないでしょうか。
福祉・医療・教育・子育て・社会制度など幾つかあるトピックスの中で私は簡単にテコ入れをすることができるとすれば教育だと思っています。
お子さんに、やりたいことさせてあげてますか?
「子供のやりたいこと」と「子供が将来生きていくための収入源」を結びつける知恵を親として発揮していますか?
「それじゃ飯は食えない」なんて口癖にしていませんか?
誰が「パパのように高給取りにならないと不幸せだ」と教えたのですか?
誰が「パパのようにならないように もっと いい大学(会社)へ」と言ったのですか?
少子高齢化は止められません。
待機児童問題も努力しています。
福祉は年配者に敬意を払い良しとします。
医療は予防に努めたいものです。
でも教育と子育ては親の考え方によるところが大きいはずです。
なぜ可愛い我が子に死ぬほど勉強させて、必要のない知識で脳みそにシワを作らせているのでしょうか?
世の中の多くが心配事を減らすためにお金を使っていませんか?
プールの授業で泳げなかったら恥をかくからという理由で行くスイミングだったらやめた方が良いですし、英語がしゃべれないと生きていけないという心配を払拭するための塾ならやめた方が良いはずです。
心配を減らすために加入した保険で保険貧乏になるってどんな気分でしょうか?
世の中、心配の種を減らすためにどれだけお金を使っているのでしょうか?
ラットが回す回し車を加速させているのは一体誰なんでしょう?
時代が変わると言われ、AIの時代になると言われ、利口になるように言われ、頭を冴えわたらせるようにと準備させられた現代人。
「そんな機能いりません」という付加価値以上の付加価値を搭載する高級車。
誰かスローダウンを唱える者はいないのでしょうか?
私たちは上記の図を無視して前に進むことは許されないと思っています。
日本で生きる大人である以上、少しでも幸福度を高めることにストイックになっても良いのではないでしょうか?
今の日本を例えるならば、頭が良くなる方法を学び お金を得る方法(人の役に立つためにはという発想)を学ばないというのは、練習試合の勝ち方を必死に学ぶようなものであり、本来の目的とは反れたテーマについて労力を使うコストが、果たして、この掛け替えのない人生の中でやるべきことなのかを筆者の問いかけとして第二話を終わりにさせて頂きます。