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マンション長寿命化促進税制 完全ガイド

2025.11.28 23:57

なぜ今、マンションの長寿命化が重要なのか

 日本全国で築年数の古いマンションが急増しています。適切な修繕を行わないまま放置すれば、建物の劣化が進み、資産価値の低下だけでなく、居住環境の悪化や安全性の問題にもつながります。

 しかし、修繕には多額の費用がかかるため、なかなか実行に移せない管理組合も少なくありません。そこで国が創設したのが「マンション長寿命化促進税制」です。

この制度を活用するメリット:

1. 固定資産税の大幅な軽減

長寿命化工事を実施することで、翌年度の固定資産税が1/6〜1/2に減額されます。これは各区分所有者の直接的な経済的メリットとなります。

2. 資産価値の維持・向上

適切な管理と計画的な修繕が行われているマンションは、市場での評価も高くなります。管理計画認定を取得することで、対外的な信頼性も向上します。

3. 安全で快適な住環境の確保

外壁塗装や防水工事などの長寿命化工事により、雨漏りや外壁の剥落などのリスクを軽減し、安全で快適な住環境を保つことができます。

4. 計画的な修繕による負担の平準化

長期修繕計画に基づいた修繕積立金の積み立てにより、突発的な大規模出費を避け、計画的に修繕を実施できます。

適用期限は令和9年3月31日まで

 この制度の対象となる工事完了期限は令和9年3月31日です。検討から実施まで時間がかかることを考えると、早めの準備が重要です。

 本ガイドでは、制度の要件から具体的な手続の流れまで、わかりやすく解説しています。まずは自分のマンションが要件を満たしているか確認し、管理組合での検討を始めましょう。

 管理計画認定制度や長寿命化促進税制に関する制度全体の解説は、「管理計画認定制度(主軸ページ)」をご覧ください。





Ⅰ.制度の概要

 マンション長寿命化促進税制は、適切な管理と計画的な修繕を行うマンションに対して、固定資産税の減額措置を提供する制度です。

減額内容

長寿命化工事完了翌年度の建物部分の固定資産税額を1/6〜1/2の範囲内で減額

対象:区分所有者の専有部分が居住用部分であること

適用範囲:100㎡相当分まで



Ⅱ.適用要件

1. マンションの基本要件

以下のすべてに該当する必要があります:

✅ 築20年以上が経過している

✅ 総戸数が10戸以上である

✅ 過去に長寿命化工事を行っている(外壁塗装等工事、床防水工事、屋根防水工事)

✅ 区分所有のマンション(分譲マンション)が対象


2. 工事の要件

実施期間:令和5年4月1日〜令和9年3月31日に工事完了

工事内容:長寿命化工事(外壁塗装等工事、床防水工事、屋根防水工事)

工法・部材:建築工事標準仕様書(JASS)や建築保全標準(JAMS)等を参考としたもの


3. 管理要件(いずれか)

パターンA:管理計画認定マンション

令和3年9月1日以降に修繕積立金の額を管理計画の認定基準まで引き上げたこと

パターンB:助言・指導に係るマンション

長期修繕計画に係る助言又は指導を受けて、長期修繕計画の作成又は見直しを行い、一定の基準に適合することとなったこと



Ⅲ.管理計画の認定基準

管理組合の運営

管理者等及び監事が定められている

集会(総会)が年1回以上開催されている

管理規約

管理規約が作成されている

以下の事項を規定:

 o緊急時等における専有部分の立入り

 o修繕等の履歴情報の保管

 o管理組合の財務・管理に関する情報の提供

管理組合の経理

管理費と修繕積立金の区分経理がされている

修繕積立金会計から他の会計への充当がされていない

修繕積立金の滞納に適切に対処(3ヶ月以上の滞納額が全体の1割以内)

長期修繕計画

長期修繕計画の内容及び修繕積立金が総会で決議されている

7年以内に作成又は見直しがされている

計画期間が30年以上かつ残存期間内に大規模修繕工事が2回以上含まれる

将来の一時金の徴収を予定していない

修繕積立金の平均額が著しく低額でない

計画期間の最終年度に借入金の残高がない

その他

組合員名簿、居住者名簿が適切に備えられている(年1回以上内容確認)

都道府県等マンション管理適正化指針に照らして適切


修繕積立金の額の目安

「修繕積立金ガイドライン」に示す下限値(機械式駐車場分を除く)

地上階数/建築延床面積    月額の専有面積当たりの修繕積立金額

20階未満

5,000㎡未満           235円/㎡・月

5,000㎡以上10,000㎡未満    170円/㎡・月

10,000㎡以上20,000㎡未満   200円/㎡・月

20,000㎡以上         190円/㎡・月

20階以上           240円/㎡・月

※原則として、上記の下限値を下回る金額から上回る金額に引き上げられたことが必要



Ⅳ.手続の流れ(管理計画認定マンション)

事前準備

1.管理計画の認定取得

o都道府県等へ管理計画の認定を申請

o認定通知書の交付を受ける

2.修繕積立金の引上げ

o令和3年9月1日以降の引上げが対象

o修繕積立金引上証明書の発行申請


工事実施

3.長寿命化工事の実施

o令和5年4月1日〜令和9年3月31日に完了

4.各種証明書の取得

o大規模の修繕等証明書

o過去工事証明書

o修繕積立金引上証明書

申告

1.固定資産税減額申告

o工事完了日から3か月以内に市町村等の窓口へ申告

o必要書類を添付



Ⅴ.申告に必要な書類

管理組合が用意するもの

総戸数を確認できる書類(設計図等)

過去に長寿命化工事を行っていることを確認できる書類

現在の長期修繕計画及び令和3年8月31日時点の長期修繕計画

管理計画の認定通知書又は変更認定通知書の写し

区分所有者が用意するもの

固定資産税減額申告書(市町村等で取得)


施工会社が用意するもの

長寿命化工事の施工計画書、工事完了報告書、仕様書、工事前後の写真等

専門家が用意するもの

大規模の修繕等証明書

過去工事証明書

修繕積立金引上証明書

(マンション管理士、建築士等が発行)



Ⅵ.重要なポイント

タイミングに注意

管理計画の認定は、固定資産税の賦課期日(1月1日)時点、かつ、減額措置の申告時点で取得している必要があります。

申告期限

工事完了日から3か月以内に申告が必要です。期限を過ぎると減額措置を受けられません。

証明書の配付

管理組合の管理者等が各証明書を取得し、その写しを区分所有者に配付することで、各区分所有者が申告手続を行えます。


Ⅶ.よくある質問

Q: 過去に長寿命化工事を行っていない場合は対象外ですか? 

A: はい、過去に外壁塗装等工事、床防水工事、屋根防水工事のいずれかを行っていることが要件です。

Q: 管理計画の認定はいつまでに取得すればよいですか? 

A: 固定資産税の賦課期日(1月1日)時点、かつ、減額措置の申告時点(工事完了から3か月以内)で取得している必要があります。

Q: 減額措置はどのくらいの期間適用されますか? 

A: 長寿命化工事完了翌年度のみ固定資産税が減額対象となります。


まとめ

 マンション長寿命化促進税制は、適切な管理と計画的な修繕を行うマンションを支援する制度です。減額措置を受けるには、管理計画の認定取得、修繕積立金の引上げ、適切な工事実施、期限内の申告が必要です。管理組合と区分所有者が協力して手続を進めることが重要です。

 詳細は各市町村の窓口または専門家(マンション管理士、建築士等)にご相談ください。






▼ マンション長寿命化促進税制資料 国土交通省

リンク先>
国土交通省:

マンション長寿命化促進税制(固定資産税の特例措置)


サイト内リンク>
大規模修繕工事と長寿命化促進税制|固定資産税の減額措置