10億人で声を上げよう〜女性への暴力撤廃デー

「11月25日は国連の定めた「女性に対する暴力撤廃デー」です。国連は、今も世界では3人にひとりの女性が生涯に一度以上何らかの暴力を振るわれている、その人数は10億人に相当する、という発表をしています。

今年も世界の各地から、「女性への暴力をなくそう」との声が上がっています。また、最近はAIを使ったデジタルの世界での性暴力が、SNSなどを通じて広がっています。

内戦状態にある国、女性の地位が著しく低い国で、女性に対する暴力、レイプ、殺人が起こっていると、ニュースで見聞きすることは多いです。それらは10億のうちのほんの一握りです。よその国の出来事だというわけでもありません。例えば日本にも性暴力は溢れています。DVや、それに伴う殺人も日々起こっています。声を上げることが憚られたり揉み消されたりしているものも多く、気にしなければ耳にすることもないかもしれません。沖縄では、米兵による性暴力が地位協定の問題も絡んで、私たちが知らされることもなく起こっていたりします。

それらは、家父長制が縛る社会の暴力です。社会が女性に対する暴力を助長させるのです。最近では女性も仕事を続けながら子どもを育てますが、家庭のやりくりをする中で、お母さんでしょうとか、女だから、妻だから、と言われることは少なくありません。家父長制の社会においては、意識しなくても固定化した性別役割と期待が存在し続け、女性が生きにくくなるのです。

そんな社会を変え、10億人の女性に連帯する意思を示し、立ち上がろうというキャンペーンがあります。女性に対する暴力を撤廃したいという意思を世界に伝えるために、「Break the Chain 」という音楽に合わせて踊ろうというアクションです。ダンスは、10億人で立ち上がろう、というメッセージになっています。

先日、東京の表参道でこれを踊りながら通りを歩くイベント「あるこうよ　むらさきロード」が開催されました。それに合わせて、太平洋の真ん中でも船の上でダンスをする企画がありました。世界のあらゆる場所で、女性が立ち上がり、声を上げられるようになれば世界は変わる。そう信じて連帯し、声を上げ続けましょう。