重度の知的障害がある人向けの、居宅介護付き単身住宅
重度の知的障害がある人向けのグループホームは、まだまだ地域に極めて少なく、特に、“強度行動障害”等の状態にある人向けの住まいは、全く足りていないのが現状です。
モナミは、2020年に障害福祉事業をはじめた時から、重度の知的障害がある人向けのグループホームの設立を進めてきました。モナミが運営する“一戸建てタイプのグループホーム”の、半数のご利用者が、“強度行動障害”の状態にあるご利用者となります。
【なぜ、共同生活をすることが、前提となっているのか?】
グループホームの運営を開始して数年が経ちますが、日々の生活のご支援をしていて感じるのは、シェアハウスの形態での「共同生活」を苦手とする人が多い、ということです。
しかしながら、軽度の障害者向けの「アパートタイプ」のグループホームは(少数ではありますが)存在するも、重度の障害がある人向けの「個室での単身の生活」を提供するサービスは、見たことがありませんでした。
・そもそも、障害者グループホームが、「見ず知らずの人との共同生活」が前提となっているのは、なぜなのだろうか?
・自分だったら、そもそもシェアハウスでの共同生活をしたいだろう?
こんなことを感じるようになりました。
特に、重度の知的障害がある人の中でも、自閉傾向の強い人は、モノの位置や日々のルーティンにこだわりを持つ人も多く、その“こだわり”が、他の人の暮らしぶりに向いてしまうこともあります。
他の人の生活が「いつもどおりか?」がどうしても気になってしまい、いつも通りではないことが、パニックの原因になってしまう。
そのような人に、他の人の生活がどうしても気になってしまう「共同生活」を強いることは、「自分らしく生活していく」こととは、程遠いだろう、と感じはじめました。
【環境に配慮した生活空間を創る】
■人海戦術や他サービス併用の限界
モナミでは、当初は、一戸建ての共同生活の中で、なんとか見守りができる支援員を増やしたり、他のサービスを併用する(訪問ヘルパーを増やす)という“人海戦術”で、他のご利用者の生活が気にならないように努めて参りましたが、そもそも、「グループホームという共同生活のサービスを前提としなければよいのではないか?」「単身で生活のできる空間を創り出せばよいのではないか?」と考えました。
■「他の人のことを気にせず、安心して暮らせる」新たな環境の創出
そこで、モナミは、既存のグループホームを順次リフォームし、グループホームに併設する形で「単身で住める空間」を創設しました。重度の障害があったとしても、他の人のことを気にせずに、自分だけの空間で、安心して自分らしく暮らせる「支援付き住居」を、モナミはこれからも創設していきたいと考えています。