令和7年11月 月例インターネット句会 Vol.165
木暮陶句郎 選
◎特選 11句
秋惜む心のままに執る絵筆(清水 檀)
すれ違ふ風の空耳枯野道(アンサトウ)
白鳥の心を閉づるやうな羽(鈴木由里子)
冬の朝二度寝の底の光かな(佐藤 聡)
冬隣伸ばせば触るる手のありて(中島 圭子)
立冬や水面をおほふさざれなみ(堤 かがり)
冷まじや頭部画像に深き闇(小川 りつ)
飛びたてる鴉の羽音今朝の冬(堤 かがり)
月冴ゆる今宵は夢を差し替へて(鈴木由里子)
こころ今木の葉時雨に攫はれて(清水 檀)
白銀の風に蟷螂枯れゆけり(木村 佑)
○入選 29句
秋しぐれ静かに暮るる窓の外(渡辺 真澄)
木枯や轆轤に残る皿の息(佐藤 聡)
秋夕焼未踏の町に今立ちぬ(吉田 春代)
東家は鹿に囲まれ上野村(佐々木一栗)
風の吹くたびに濃くなる紅葉かな(星野 裕子)
ひとしづく頬滑り落つ初時雨(小暮 蓮生)
駅伝の吾子はアンカー冬紅葉(堤 かがり)
紅葉かつ散る永遠といふ今に(杉山 加織)
秋雨やジャズの流れる喫茶店(高橋ちとせ)
牡蠣鍋で出稼ぎの父待ち侘びる(小須賀正幸)
公園の鳩に囲まれ秋の昼(吉田 春代)
一度ではめくれぬ紙や冬来る(木村 佑)
野辺の路水引草の咲き競ふ(高橋ちとせ)
陶器展小春日和の上州路(さくら悠日)
冬紅葉卆寿を超ゆる狂言師(高橋 菜活)
インフルもコロナも風邪よ冬ぬくし(安部 呑歩)
海鳴りの不意に鳴りやみ北颪(太田 直史)
火恋し夜風いつしか雨の音(渡辺 真澄)
セピア色のバッハの楽譜暮の秋(小川 りつ)
会ふときはいつもランチと紅葉狩り(吉田 春代)
銀杏の落ちて踏まれて嫌われて(清水 檀)
身に入むや繋がってゐる俳句愛(中島 圭子)
山茶花の寄り添ひてゐる道祖神(安部 呑歩)
つま先白し立冬のレオタード(木村 佑)
頁繰る音しなやかに冬日和(杉山 加織)
冬麗のまろきランプや夢二館(小川 りつ)
冬蝶や森の陽だまり拾ひゆく(佐々木一栗)
西軍と東軍のゐて鴨の陣(アンサトウ)
空の青使ひ切つたる神渡(杉山 加織)
互選
6点句
秋惜む心のままに執る絵筆(清水 檀)
箒目の五線譜めきて小六月(杉山 加織)
空の青使ひ切つたる神渡(杉山 加織)
5点句
古里は星降るところ懸大根(木暮陶句郎)
4点句
ゆつたりと曲がる小春のモノレール(木暮陶句郎)
木枯や轆轤に残る皿の息(佐藤 聡)
3点句
秋深しをんな三人立ち話(竹俣 修)
落葉降る猫とワルツを踊ろうか(渡辺 真澄)
立冬の風が暦をめくりをり(佐々木一栗)
冬蝶や森の陽だまり拾ひゆく(佐々木一栗)
一村の明るき柿のシャンデリア(稲葉 京閑)
虫喰ひも味あるアート柿の秋(清水 檀)
一度ではめくれぬ紙や冬来る(木村 佑)
芭蕉忌の風のもてなす旅路かな(木村 佑)
小春日やぶつきらぼうな上州弁(アンサトウ)
2点句
火恋し夜風いつしか雨の音(渡辺 真澄)
セピア色のバッハの楽譜暮の秋(小川 りつ)
新酒いまからだ巡るや血のごとく(佐々木一栗)
枝束ね香束ねて菊の供華(稲葉 京閑)
紅葉の真っ只中にゐてひとり(星野 裕子)
石蕗あかり仄かに照らす石畳(清水 檀)
銀杏の落ちて踏まれて嫌われて(清水 檀)
厨窓名残の月に水の影(中島 圭子)
冬隣伸ばせば触るる手のありて(中島 圭子)
西軍と東軍のゐて鴨の陣(アンサトウ)
水といふ光を凹め散紅葉(木暮陶句郎)
子ら駈ける園の小春をかき回し(木暮陶句郎)
神の留守すこしばかりの愚痴こぼす(杉山 加織)
頁繰る音しなやかに冬日和(杉山 加織)
1点句
戦場ケ原ざわめきだけの枯すすき(竹俣 修)
神の留守焼き饅頭で腹満たし(小須賀正幸)
神留守の未明密かに足がつる(小川 りつ)
半世紀暮せる人と走り蕎麦(小川 りつ)
冬麗のまろきランプや夢二館(小川りつ)
公園の鳩に囲まれ秋の昼(吉田 春代)
コスモスの色をつついて風さりぬ(吉田 春代)
雲去りてバイト帰りを後の月(下境 洋子)
木々縫うて届く冬日のやわらかし(下境 洋子)
足元へ届く冬日のベンチかな(下境 洋子)
柿の葉のまだ一枚落ちもせず(永 豪敏)
山の影湖に映して日短(星野 裕子)
ひとしづく頬滑り落つ初時雨(小暮 蓮生)
冬の雨静かに濡らす古墳群(小暮 蓮生)
湯上りに塗るもの数多冬の夜(岩佐 晴子)
青空と紅葉とオレンジ色の橋(さくら悠日)
花柊悪魔を騙す甘き罠(安部 呑歩)
母強し水洟の子の鼻を吸ふ(木村 佑)
つま先白し立冬のレオタード(木村 佑)
白銀の風に蟷螂枯れゆけり(木村 佑)
すれ違ふ風の空耳枯野道(アンサトウ)
陽だまりは一時の凌ぎ冬の蝶(アンサトウ)
ひかりより色を賜ひて冬紅葉(アンサトウ)
駅伝の吾子はアンカー冬紅葉(堤 かがり)
鯉狙ふ鷹を見たさに一日湖(堤 かがり)
白鳥の心を閉づるやうな羽(鈴木由里子)
月冴ゆる今宵は夢を差し替へて(鈴木由里子)
まずい屋の自戒の屋号枇杷の花(太田 直史)
三次会跳ねて寒夜の副都心(木暮陶句郎)
互選結果
◎小川りつ 選
(14) 秋惜む心のままに執る絵筆
(28) 落葉降る猫とワルツを踊ろうか
(66) 石蕗あかり仄かに照らす石畳
(99) 小春日やぶっきらぼうな上州弁
(126) 鯉狙ふ鷹を見たさに一日湖
◎アンサトウ 選
(5) 木枯や轆轤に残る皿の息
(19) 花柊悪魔を騙す甘き罠
(77) 水といふ光を凹め散紅葉
(78) 箒目の五線譜めきて小六月
(92) 銀杏の落ちて踏まれて嫌われて
◎佐藤聡 選
(1) 秋深しをんな三人立ち話
(52) 神の留守すこしばかりの愚痴こぼす
(72) 芭蕉忌の風のもてなす旅路かな
(84) セピア色のバッハの楽譜暮の秋
(108) 神の留守焼き饅頭で腹満たし
◎中島圭子 選
(21) すれ違ふ風の空耳枯野道
(51) ゆつたりと曲がる小春のモノレール
(78) 箒目の五線譜めきて小六月
(110) 冬麗のまろきランプや夢二館
(129) 三次会跳ねて寒夜の副都心
◎星野裕子 選
(15) 厨窓名残の月に水の影
(66) 石蕗あかり仄かに照らす石畳
(77) 水といふ光を凹め散紅葉
(113) 冬蝶や森の陽だまり拾ひゆく
(130) 空の青使ひ切つたる神渡
◎小須賀正幸 選
(6) 神留守の未明密かに足がつる
(27) 戦場ケ原ざわめきだけの枯すすき
(37) 柿の葉のまだ一枚落ちもせず
(43) 青空と紅葉とオレンジ色の橋
(113) 冬蝶や森の陽だまり拾ひゆく
◎佐々木一栗 選
(28) 落葉降る猫とワルツを踊ろうか
(86) 木々縫うて届く冬日のやわらかし
(103) 子ら駈ける園の小春をかき回し
(111) コスモスの色をつついて風さりぬ
(130) 空の青使ひ切つたる神渡
◎高橋ちとせ 選
(1) 秋深しをんな三人立ち話
(14) 秋惜む心のままに執る絵筆
(40) 虫喰ひも味あるアート柿の秋
(62) 一村の明るき柿のシャンデリア
(124) 白銀の風に蟷螂枯れゆけり
◎竹俣修 選
(14) 秋惜む心のままに執る絵筆
(51) ゆつたりと曲がる小春のモノレール
(98) つま先白し立冬のレオタード
(117) 冬の雨静かに濡らす古墳群
(120) 湯上りに塗るもの数多冬の夜
◎岩佐晴子 選
(5) 木枯や轆轤に残る皿の息
(8) 雲去りてバイト帰りを後の月
(10) 枝束ね香束ねて菊の供華
(15) 厨窓名残の月に水の影
(35) 新酒いまからだ巡るや血のごとく
◎稲葉京閑 選
(5) 木枯や轆轤に残る皿の息
(23) 白鳥の心を閉づるやうな羽
(25) 古里は星降るところ懸大根
(51) ゆつたりと曲がる小春のモノレール
(125) 西軍と東軍のゐて鴨の陣
◎高橋菜活 選
(52) 神の留守すこしばかりの愚痴こぼす
(92) 銀杏の落ちて踏まれて嫌われて
(113) 冬蝶や森の陽だまり拾ひゆく
(125) 西軍と東軍のゐて鴨の陣
(130) 空の青使ひ切つたる神渡
◎鈴木由里子 選
(14) 秋惜む心のままに執る絵筆
(41) 冬隣伸ばせば触るる手のありて
(46) 一度ではめくれぬ紙や冬来る
(62) 一村の明るき柿のシャンデリア
(104) 頁繰る音しなやかに冬日和
◎小暮蓮生 選
(1) 秋深しをんな三人立ち話
(33) 公園の鳩に囲まれ秋の昼
(46) 一度ではめくれぬ紙や冬来る
(78) 箒目の五線譜めきて小六月
(84) セピア色のバッハの楽譜暮の秋
◎さくら悠日 選
(13) ひとしづく頬滑り落つ初時雨
(61) 立冬の風が暦をめくりをり
(64) 紅葉の真っ只中にゐてひとり
(104) 頁繰る音しなやかに冬日和
(130) 空の青使ひ切つたる神渡
◎木村佑 選
(5) 木枯や轆轤に残る皿の息
(25) 古里は星降るところ懸大根
(62) 一村の明るき柿のシャンデリア
(80) 火恋し夜風いつしか雨の音
(130) 空の青使ひ切つたる神渡
◎下境洋子 選
(25) 古里は星降るところ懸大根
(32) 半世紀暮せる人と走り蕎麦
(47) 陽だまりは一時の凌ぎ冬の蝶
(72) 芭蕉忌の風のもてなす旅路かな
(130) 空の青使ひ切つたる神渡
◎堤かがり 選
(14) 秋惜む心のままに執る絵筆
(46) 一度ではめくれぬ紙や冬来る
(51) ゆつたりと曲がる小春のモノレール
(90) 山の影湖に映して日短
(112) 足元へ届く冬日のベンチかな
◎清水檀 選
(25) 古里は星降るところ懸大根
(64) 紅葉の真っ只中にゐてひとり
(72) 芭蕉忌の風のもてなす旅路かな
(78) 箒目の五線譜めきて小六月
(99) 小春日やぶっきらぼうな上州弁
◎永豪敏 選
(10) 枝束ね香束ねて菊の供華
(40) 虫喰ひも味あるアート柿の秋
(61) 立冬の風が暦をめくりをり
(78) 箒目の五線譜めきて小六月
(103) 子ら駈ける園の小春をかき回し
◎渡辺真澄 選
(22) 駅伝の吾子はアンカー冬紅葉
(25) 古里は星降るところ懸大根
(35) 新酒いまからだ巡るや血のごとく
(40) 虫喰ひも味あるアート柿の秋
(61) 立冬の風が暦をめくりをり
◎安部吞歩 選
(20) 母強し水洟の子の鼻を吸ふ
(28) 落葉降る猫とワルツを踊ろうか
(78) 箒目の五線譜めきて小六月
(99) 小春日やぶっきらぼうな上州弁
(128) まずい屋の自戒の屋号枇杷の花
◎杉山加織 選
(14) 秋惜む心のままに執る絵筆
(41) 冬隣伸ばせば触るる手のありて
(73) ひかりより色を賜ひて冬紅葉
(80) 火恋し夜風いつしか雨の音
(101) 月冴ゆる今宵は夢を差し替へて