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父息子、北海道2人旅 with タクロー

2025.12.01 00:10

愛し君へ


今年も残すところあと一ヶ月。

君にとって素敵な一年の締めくくりになりますように。


さて、今回のラブレターは、本日公開されました、

刈川圭祐初の旅行記エッセイの冒頭部分をお届けいたします。

12月中に、3~4日に1話のペースでサイトにてアップ致しますので、

どうぞ最後まで御覧ください。


「父息子、北海道2人旅 with タクロー」


■第一章 ブッキング


“親孝行は親のためならず”

親に情けをかけると、めぐりめぐって自分のためになる。

親孝行とは、親が満足するまでポイントを稼ぐゲームではなく、

自己満足のために行うパフォーマンスなのかもしれない。


「北海道って行ったこと無いんだよなぁ」

東京郊外にある居酒屋のメニュー表を見つめながら、

オヤジは独り言のようにつぶやいた。

店内は北海道フェアの真最中で、

メニュー表にはイクラや雲丹の画像が飛び出さんばかりに並んでいた。

この居酒屋は、数か月前からタブレットを導入していたが、

オヤジくらいの年齢の人たちは、変わらず店員を呼んで注文をしている。

不憫な店員の代わりに、僕がオヤジに注文を聞いてタブレットを操作する。


「何飲む?」

「生ビール。」

「何食べる?」

「焼き鳥」

「タレ?塩?」

「タレ。」

「きゅうりの浅漬けはいいの?」

「じゃあ、それも。」

「あとは?」

「とりあえずそんなもんで」


僕はバイトの面接なら確実に落ちるような態度の悪い店員と化し、

70歳前男と40歳前男のお店ごっこは続く。

きっと日本中の居酒屋で、この光景が見られるのだろう。

独り言のようにつぶやいた割には、

オヤジは北海道フェアの商品には一切興味が無かった様だ。


僕とオヤジは月に2回ほど2人で食事に行く。

オヤジは現在、東京郊外のマンションに1人暮らしをしている。

食事に行く時は、僕がマンションまで車で迎えに行き、

居酒屋・イタリアン・寿司など、その日のオヤジの気分によって店を選ぶ。

東京郊外ともなると居酒屋は駐車場付きで、テーブル数以上の台数を完備していた。

それなので居酒屋に行っても、僕は飲まない。

酒が嫌いなわけではないが、そもそもオヤジと2人で飲もうという気にはならない。

話は北海道に戻る。


(続きは下記のサイトから)


刈川圭祐初旅行記エッセイ「父息子、北海道2人旅 with タクロー」Note にて連載中。

https://note.com/karikawakeisuke


次会う日まで会えない時間を大切に。