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「みんなのアカデミア ~radio campus, sharing your story」

12月のマンスリーゲスト 園田 純寛さん

2025.12.01 07:07

収録を終えて:

苔への愛がとまらない。

園田さんのお話を目の前でおききするだけで、幻想的で美しい苔の姿が 光や色のイメージとともに脳裏に浮かび、言葉だけでは表しきれない苔への思いが伝わってくる。


由比ヶ浜の「苔むすび」を訪れると、苔たちの醸すなんとも不思議な魅力にすぐさま惹きつけられた。苔テラリウムの中の世界を眺めているだけで小宇宙を旅するような感覚を覚え、時を忘れる。そして、園田さんやスタッフの皆様の溢れ出る苔愛に触れ、帰路は気づけば私も苔目線に。もっと深い「沼」にはまっている常連の方々、上級者も鎌倉のそこここにいらっしゃるに違いない。


穏やかな物腰と同居する、未踏の道を切り拓き、果敢に進む姿勢。そのブレない強い軸が、園田さんの真っ直ぐに伸びる背筋にもあらわれるよう。アート、空間づくり、農業、そしてワークショップやツアーといった体験に至るまで、苔にまつわる、あらゆることに取り組み、生産し、新しい価値を提案し、創る。これまで誰も目をつけ、手を出さなかった領域へと向かうそのフロンティアスピリットも園田さんと苔を結びつける大いなる力なのかもしれない。


その歩みを導き、大きく背中をおした、映画との出会い。当時中学生でいらした園田さんが映画「もののけ姫」に衝撃を受けた時の高揚感を想像してみる。全身に何か大きな力を感じながら、映画館を出られたのだろうか。その夜は眠ることができたのだろうか。その日から、見える景色はどんなふうに変わり、広がっていったのだろうか。


園田さんのお話を伺っていると今すぐ、鎌倉のあちこちにいる苔に会いにいきたくなる。園田さんマジックはこれからもますます苔のある風景の解像度をあげ、その存在の価値や意味合いを変えていかれることと思う。つい先日のある新聞記事によると園田さんの母校である北海道大学大学院などの実験で苔の胞子が宇宙でも長く生存できる結果が得られ、宇宙での農業に向けた研究への一歩となるとのこと。

そんな風も吹くなか、園田さんが苔とともにある どんな新しい世界をみせてくださるのか。今から待ちきれないような思いです。