輪島の職人は、交換不可能/僕らの新しいローカリズム
2025.12.05 00:00
今年最後の満月、コールドムーンに、記事が公開されました。
ディーン&デルーカ「僕らの新しいローカリズム」シリーズ、能登編の最終回は、「赤木明登うるし工房」です。
輪島塗の塗師(ぬし)である赤木さんの、「伝統」や「職人」への深い敬意を感じる取材でした。タイトルは、赤木さんのこの言葉から。
「その人がいなくなると、もうつくれないものが本当にあるんです。職人はかけがえのない、交換不可能な存在。反対に個性的なものは、交換可能だと僕は思います」
個性は、別の個性で交換可能。
分業制の一人である職人は、交換不可能。
取材後の私は「交換不可能」についてよく考えるようになりました。
ちなみに、取材時に思い描いたのは「とんかつとんき」の美しい分業です(交換不可能)。
赤木さんが経営する「茶寮 杣径(そまみち)」は2024年に被災して、現在「海辺の食堂 杣径」として営業されています。
料理長の北崎裕さんが能登の山海に走り、出合った素材から生まれる「ご馳走」。そして日本古来の「淡い味」を追究する北崎さんの世界観。
来年には、オーベルジュ「茶寮 杣径」も海辺の街で再開されるそうです。