Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

COLORS BIKE

今日得するか、1年後に得するか。

2025.12.05 13:06

正直ちょっと説教臭い感じがして、あまり残る形でお伝えしたことは無いのですが、タイトルで言えば当店は後者です。


先日のハナシとも繋がる部分なのですが、個人的に赤色や黄色で価格を記載して、安い事をアピールした購買意欲の煽りは好きではありません。

自転車屋さんの本質をご理解頂いて、その上で購入頂ける事が最も好ましいと考えています。

マァ、正直きれいごとなので、こんなことがいつまで続くかは分かりませんが。笑


個人的解釈では、完成車はパッケージングが”完成”しているのであって、車体としては完成していない認識なので、これまでも完成車だろうと一度バラして気になるところを修正して組み立ててきました。

組み立て料金として当店で販売する車体は5,000円を車体の金額関係なく頂いています。

組み立てに関わる消耗品や実際に丸1日を費やして心を込めて組み立てている事への料金です。

COLORSで購入したから良いんだ、と思って頂くために値下げ表示は今後も基本的にはしないでしょう。メーカー側が掲げた値下げや当店が安く仕入れが出来た分はお客様へ還元しているのはこれからも変わりません。


さて


とある10万円の車体を

A店では9万円に値引きで販売していました。

当店では10万円+組み立て料金5,000円で計10万5,000円で販売しています。

普通はA店で買います。

当たり前です。誰だって安く購入したいと思うでしょう。


例えばA店で購入した車体が1年後にヘッドベアリングがサビて交換が必要になり、交換工賃やパーツ代で15,000円掛かりました。

となればどうでしょうか。支払った金額は同じです。

当店で同タイミングに販売した車体がまだ調子よく乗れているとしたら、少し得だと思いませんか?


大丈夫です、絶対的賛同が得られないのは分かっています。

でも、価格競争でA店はインターネット販売には勝てないでしょう。

価格を下げ続ければ良いのかも知れませんが、限界があり何のための自転車屋さんなのか分からなくなってしまいます。

そうなりたくないなぁ、という話です。


というのを文章で書いたところでなかなか伝わらないので、今回完成車の組み立てを一部ご紹介しようかと思います。



ブランドによって差はありますが、完成車はこんな大きな箱に入って入荷します。


出してみましょう。

梱包がなされ、パーツはほとんど取り付けされています。




ハンドルがプラプラしてるので固定します。

もちろんネジの具合を確認しつつです。




ネジが長すぎると怪我をする事があるので、最適な長さに加工または交換します。

ネジの入りが悪い場合はタップをかけます。(後述)




フレーム等に大きな傷や異常が無いか確認します。




確認できたらすぐ養生します。




ネジの動きが悪かったのでタップにて手直ししています。

これもマストとする組み合わせも多く存在し、しないことの方が少ないです。

ボトルケージ台座やダボ穴にも全てタップを通します。使わないであろう箇所も作業してネジが固着しない様なグリスを塗布して戻します。




まだメンテナンススタンドに乗せていない状態なので、レバーの位置やサドルの角度等の地面上の平行でないと確認出来ない箇所を先に決めます。

無駄に時間をかけている訳ではなく、ちゃんと効率も考えています。




ホイールを外してタイヤを外して振れ取り。

ホイールはこの後の作業で邪魔なので、先に外す流れでホイールの作業から取り掛かります。




ローター位置もこだわりがあるので一度外して付け直しています。

固定の確認も兼ねてですね。




リムテープの幅が狭いな、と感じたので交換しています。

これの代金は組み立て料金に含まれています。




フォークを外して、ヘッドベアリングにちょっとやそっとでは錆びない魔法をかけます。

この時点でワイヤー類は抜いてしまうので、当然、油圧ブレーキ関係も一からやり直しになります。

ここまでする自転車屋さんはかなり少ないと思います。




コラムがまっすぐ切られている保証なんてありません。

確認して修正します。

最初からポジションが分かっていればコラムカットもこのタイミングに行います。

アンカーナットも付いていますが、一度外して色々処理をしてから戻します。




そんなこんなでパーツを外しては確認して処理をして付け直してを繰り返します。

ちなみに端折っていますが、油圧ブレーキのブリーディングを行って、ホイールを取り付けしています。じゃないと変速調整は出来ません。

くどい様ですが、効率は常に考えて作業しています!

リヤディレーラーに収まる部分は金属のシフトアウターキャップが好ましい(と思っている)ので、交換します。もちろん自分が交換したくてやっているので追加でこのキャップの費用は掛かりません。




チェーン落ちでフレームが割れてしまう事もあります。

フレームの形状やBBの規格を考慮してアルミ板を加工してガードを作成する事もあります。

もちろん組み立て料金に含まれています。

ホントに最後の最後にバーテープを巻きます。


正直付いているパーツを外して、また付けて…を繰り返すので、フレームの状態で一から組み立てる方がよっぽど効率的です。笑


完成!は撮り忘れたのと、撮影し切れない、書ききれない事が多すぎてここまでもほんの一部です。


ここまで読んで、少しでも価値があるなとか、実質得だな、と思って頂けるのであれば、自転車屋さん冥利に尽きます。