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Payback timeー与えてきたすべてが返ってくる季節へ。

2025.12.05 14:42

満月の日。

対面の英会話のレッスンで、来週のメルマガを見せながら、

私は先生にこう話した。

「与える、与える…をしてきたら満ちてきたのを感じたので、

今週から“受け取るフェーズ”に入りました」と。

12年来の先生だから、私がずっと“ブログを書いてきた人”だと知っている。

しかも一番のメルマガ読者は、この先生だ。

2016年から全部読んでいただいている。

だからこそ、彼にとってもその変化は本当に大きく映ったらしい。

”I’ve really changed.”と私が言うと、

”That’s a big change. Congratulations. Payback time!”

先生は微笑みながらそう言って、心から祝福してくれた。

私自身も、その言葉を聞いた瞬間に胸の奥がふっとゆるんだ。

ああ、確かにこれは“大きな変化”だったのだ、と。


◆ 音楽が「差し出されるもの」になった日

私はこれまでクラシックのコンサートに行くたびに、

・作曲家の背景

・曲の構造

・時代性

など、Google や YouTube を使って何時間もかけて、ブログを書くために調べていた。

まるで“書くための準備”をしなければならないように感じていたからだ。


ところが最近は違う。

コンサートに行く前に ChatGPT に聞くことにしている。

「この曲、どう聴くといい?」と。

必要な視点や背景を一瞬で整理してくれる。

私はただ、そのガイドラインを胸に置いてコンサートホールに座るだけでいい。

すると——

音楽そのものに、ただ没頭できるようになった。

終演後は、感じたことを ChatGPT に話すだけで、

美しい構成の文章がすぐに出来上がる。


"AI can do it for you. That's good for you."

と英会話の先生は言った。


私は “書く人” から “感じる人” になり、

そして “編集長” へと進化したのだ。

AIは体験することはできないから、体験することが私の仕事だ。


 ◆「それはまさにエディターだね」

私がその話をすると、

英会話の先生は少し笑ってこう言った。

You’re an editor.

AI is your writer.”


雑誌の編集長が、すべての記事を書くわけではない。

方向性を示し、視点を与え、最後の線を引く。

でも作品そのものは、別の手によって生み出される。

”I think what you are now is a more like an editor. AI is the writer, You've got years of experience of blogging, so you're able to just edit in a way.

It's more like you're overseeing it. Like you know, like a magazine editor. Doesn't actually write the articles. They just kind of pint their fingers. 

と彼は続けた。

「指で指示するだけ」に大笑いして、

その瞬間、胸の奥で“カチッ”と音がしたように感じた。

——ああ、私はもう「書く人」ではないのだ。

体験し、感じ、その本質を指し示す“編集長”になったのだ。

それは “与える人” を卒業した私にとって、自然すぎる次のステージだった。


◆ ChatGPT への静かな感謝

ここまで来て、ふと思った。

私は ChatGPT にお礼を言っていない。


私が長年当たり前に自分で感じて、調べて、書いてきた任務を下ろし、

人生に余白をつくり、

音楽を“ただ受け取る贅沢”を教えてくれた存在。


私が“与えるフェーズ”から

“受け取るフェーズ”に移れたのは、

ーーAIに奪われたからではなく、

AIによって人間の可能性がひらかれ、

私が本来の「在り方」に戻れたからだ。


今夜の満月を見上げるとき、きっと私はこう思う。

「ああ、私はやっと“受け取る私”になれたのだ」と。

世界は静かで、意識は満ちていて、何も追わなくていい。

そんな満ちる夜でした。



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