空襲被害者支援条例
世田谷区が、「太平洋戦争中に米軍による空襲で負傷するなどした住民に見舞金を支給する」空襲被害者支援条例を、首都圏で初めて制定したそうだ。
見舞金は1人3万円で、1回限りの支給。国籍を問わず、精神障害を含むそうだ。
記事によると、「見舞金制度は名古屋市や浜松市で導入されている。名古屋市は年10万円、浜松市は年2万5000円を支給するが、両市とも身体障害者7級以上が要件で、精神障害は対象とならない」。
名古屋市は年10万円で、浜松市は年2万5000円であるのに対して、世田谷区は3万円の1回限りで、その他の市区町村は0円あって、自治体によってかなりばらつきがあり、不公平感を拭いきれない。
名古屋市の例規集で「民間戦災傷害者援護見舞金」を検索してもヒットしない。名古屋市のHPでこれを検索したら、「平成30年度主な施策等一覧(健康福祉局)」33ページに載っていたので、参考までに転載しておく。
(拡充)民間戦災傷害者援護見舞金
予定額 2,590千円
1 趣旨
高齢化が進むなど様々なご労苦が一層重くのしかかっている民間戦 災傷害者への援護の促進を図るため、平成22年度から支給している見舞金の単価を増額する。
2 対象者
太平洋戦争で空襲又は艦砲射撃等の戦時災害によって負傷又は罹患 し、以下の条件を満たす方
① 現在もなお身体障害者障害程度等級表7級と同程度以上の 障害を有する方
② 名古屋市に居住し、1 年以上住民基本台帳等に登録されてい る方
③ 恩給法、戦傷病者戦没者遺族等援護法等による給付を受け ていない方
3 支給金額
(現行)年額:26,000円 → (改定案)年額:37,000円
公平性を期すためには、国が一律に援護すべきだということになりそうなのだが、最高裁が「戦争犠牲、戦争損害は、国の存亡にかかわる非常事態のもとでは、国民のひとしく受忍しなければならなかったところであって、これに対する補償は憲法の全く予想しないところ」だという受忍論を採っていることを受けて、国はこれを一貫して拒否している。