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YOKO KURAHASHI

馬がそこにいるだけで……🌙 —―『ザ・ロイヤルファミリー』を観て

2025.12.07 11:08

From 倉橋燿子


“これまで、馬が登場する物語を
何冊書いてきただろう?“


TBSの日曜劇場、
『ザ・ロイヤルファミリー』

を観ながら、ふと自分の作品に
登場した馬たちのことを
思い返していました。



私の作品には、さまざまな形で
馬が登場しています。


例えば、『パセリ伝説』では、
“5つの星を持つ動物たち=
五星獣”に馬のデュークが登場。



ファンタジー作品なのもあって、
デュークは人間の言葉でしゃべる、
ちょっと自信のない、気弱で
愛おしいキャラクター。



さらに遡ると、『ペガサスの翼』
という上中下巻のシリーズで、
主人公・理央と馬の物語
書きました。



学校に行けなくなった理央を
母親が知り合いの牧場に連れて
行ったことをきっかけに、
馬の“ペガサス”と出会い、
癒されていく物語。



さらに遡って、デビューしたての頃
に書いた『風を道しるべに……』
初めて馬を作品に登場させた
記念すべきシリーズ。



主人公・麻央のそばには、いつも
馬がいたし、「ポーラスター」と
いう馬との出会いと別れは、麻央
にとってかけがえのない体験に。


この作品のおかげで、私も
はるばるイギリスの乗馬学校へ
取材しに行くという、普通では
なかなか味わえない体験が
できました。



こんなふうに思い返してみると、
「よほどの馬好きなんだろう」と
思われても不思議ではないほど、
馬に関わる作品を書いてきました。



その理由を象徴する一冊が
次の本です。


『生きているだけでいい!
 ~馬がおしえてくれたこと』

(講談社 青い鳥文庫より)



珍しくドキュメンタリーとして執筆
したこの本は、乗馬クラブの経営に
とどまらず、NPO法人引退馬協会
まで立ち上げてしまう、エネルギー
に満ちた主人公・沼田恭子さんの物語。


今も連絡を取り合う仲でもあり、
幼なじみでもある沼田さんの、
馬との出会いや馬に懸けてきた
人生の軌跡を描いた一冊です。





亡くなったご主人の夢の実現のため
に、乗馬クラブを始めた彼女が
引退した馬たちを救う活動を始め、
さらには東日本大震災で被災した
馬たちを助けに行った、実際の経験
を基にした内容です。




私の作品に馬がよく登場するのは、
彼女の存在が大きく、おかげで
馬の素晴らしさを知る機会に
恵まれたというわけです。



とはいえ、乗馬をするわけでも、
競馬ファンでもない私にとって、
ドラマ『ザ・ロイヤルファミリー』
は、競走馬の世界を映像で
観られる貴重な機会。


過酷なトレーニングを重ね、
ひたむきに努力する競走馬の姿に

「こんなふうに
 頑張ってきたんだね」

と胸が熱くなる場面も多く、
馬たちへの思い入れも一層
深まりました。



今年5月、
沼田さんの乗馬クラブで開かれた
“馬たちといっしょに聴く音楽会”
に出席した際には、ハープが
奏でる楽曲を馬と共に聴くという
非日常の空間で最高の時間を
過ごしてきました。



ハープのメロディーに合わせるよう
に、馬たちがヒヒーンと鳴き声を
上げ、まるで一緒に歌っている
みたいで、その場もワッ🎵と
盛り上がった瞬間でした。





馬を見ていると、ただそこに
存在するだけで、癒しの力が
備わっている気がしてなりません。



ただ馬がいる景色がいい。
気持ちがふんわりとして、
煩雑な日常が風の中に溶けていく。




ストレスの多い今の時代、
年齢を問わず、どれほどの人が
悩みや不安を抱えて
生きていることでしょう。


日常の隙間に、ひと時でも、
馬と共に過ごす時間と空間が
あったら、きっと心が癒され、
希望や元気がもらえる――。




その確信があるから、私はこうして
馬の物語を書き続けてきたんだなあ
と改めて気づかされた時間でした🌙





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