日米欧経済
・米国
11月のISM景気指数は、製造業が9か月連続で50を下回る低迷を示す一方、非製造業は予想外に9か月ぶり高水準となった。労働市場では、週次の新規失業保険申請件数が3年ぶり低水準となったが、10月のADP民間雇用者数は2023年以来で最低水準、チャレンジャー社による人員削減数も11月としては3年ぶり高水準となるなど、雇用環境減速の兆候が見られる。物価面では、FRBが重視する10月のPCEコアデフレーターが9月から小幅減速となり、今のところ米関税によるインフレ圧力は見られない。こうした物価の安定と雇用の悪化を背景に、今週のFOMCでは25bpの利下げが予想される。
・欧州
ユーロ圏の7-9月期GDP成長率は前期比0.3%に上方修正されたが、10月小売売上高は9月から小幅減速。年末商戦を向け消費回復の緩慢さが示された。物価に関しては、11月の消費者物価指数が前年比で小幅加速したものの、前月比では▲0.3%とマイナスに転じた。加えて、10月の生産者物価指数も前年比▲0.5%と3か月連続でマイナスで、欧州の物価動向は落ち着く。ラガルドECB総裁も、基調的に中央銀行の中期インフレ目標と「一致している」との見解を示した。トランプ大統領が米国の新車排出ガス規制の緩和を発表、主要自動車生産国である独、仏、伊の経済にとっては追い風との見方が広がる。
・日本
7-9月期法人企業統計では、全産業の設備投資が前年比2.9%と3四半期連続のプラス、企業利益も同19.7%と8か月ぶり高水準となった。11月の消費者態度指数や10月の景気先行・一致指数なども揃って前月から上振れるなど、企業および消費者マインドの好転傾向が裏付けられた。その影響もあり消費者物価は高止まり。これを受け、植田日銀総裁は講演において、金融政策の正常化の前提となる企業の賃上げスタンスに関して、精力的に情報収集していると発言。高市首相も今月利上げを容認しているとの報道を受け、10年金利は1.95%と18年ぶり高水準に上昇した。