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2018/11 損傷した橋の代替ルート 防予フェリーで周防大島へ

2019.03.03 22:21

※Yahoo!ブログで投稿した記事を移転したものです。内容は2018年11月14日時点のもので、最新の情報とは異なります。


2018年10月22日の未明、山口県の本土と周防大島を結ぶ大島大橋に貨物船が衝突。この事故により橋桁の損傷、水道管の脱落など大きな被害が出ました。

11月現在も、橋は総重量2t以下の車両のみの片側交互通行(一部時間帯のみ8t以下の車両も通行可)、平均風速5mを超えている場合には一時通行止めとなります。また歩道に仮設の水道管が設置されているため徒歩や自転車での通行はできないという状況が続いています。

現時点で橋を使わずに島へ渡る方法は2つあります。1つは10月24日から運航している運賃無料の臨時連絡船(柳井港~椋野漁港)。使用する船舶は2隻で、それぞれ定員は61名と31名。車両の運搬は出来ません。

もう1つが山口県柳井港と愛媛県三津浜港を結ぶ防予フェリー。1日13往復のうち4往復(いずれも平日ダイヤの場合)が周防大島の伊保田港を経由します。橋を通行できない大型車にとってはこれが唯一のルートになります。


このフェリーを利用し周防大島で乗降する乗客・車両はどのくらいなのか気になったので、11月10日(土)柳井港12:25発の便に乗船してきました。


伊保田港経由の便は周防大島松山フェリー株式会社のしらきさんで運航されています。他の便に使用される3隻よりも小型で定員は150名。

乗用車やトラック、ダンプカー、観光バスも乗船し定刻に出港。乗客は40人ほどで、15人ほどが徒歩での乗船でした。


出航から20分ほどで大島大橋の下を通過。現在も脱落したケーブルや配管が海に垂れ下がっています。

損傷した橋桁は応急復旧工事が着手されており、「バイパスビーム」と呼ばれる補強用の鋼材が橋桁左右下部に設置される予定です。工事施工のため、15日21時~16日5時、16日21時~17日5時は橋が全面通行止めとなります。

これにより風による通行規制が緩和される予定で、12月上旬には工事完了により通行規制が解除される見通しです。(歩行者等の通行は制限を継続する見込み)


柳井港から1時間15分で周防大島伊保田港に到着。ここでトラックとダンプカー計2台が下船、乗用車2台が乗船し、愛媛に向けて出港していきました。

今回の事故以降、乗船した車のほとんどが周防大島までの利用だったという事もあるようですが、この日は橋の風速規制もなく昼間ということもあってか乗降少なめでした。

そして、徒歩で下船したのは自分含めて2人だけでした・・・


というのも、この伊保田港は橋や町役場から約36kmも離れた島の東端。本土~島中心部の代替ルートとしては椋野漁港への無料臨時連絡船を利用するのがもはや当然。往復2500円のフェリーを徒歩で使う人はかなり限られるでしょう。


需要がありそうなのは伊保田港から徒歩10分にあるなぎさパーク。ここには戦艦陸奥の艦体の一部などが保存された陸奥記念館、日本一小さい水族館とも言われるなぎさ水族館、対潜飛行艇PS-1が保存されている陸奥キャンプ場があります。

ここへ乗用車以外の陸路で来る方法として、JR大畠駅から1日6往復・所要時間1時間の路線バスがありますが、橋が通れない現在は島内の東瀬戸バス停発着の上2往復に減便中です。


1943年、伊保田沖での爆発事故により沈没した戦艦陸奥。沈没現場の海を望む丘には、慰霊塔とともに引き揚げられたスクリューや副砲・艦首が保存されています。


ちょうど伊保田港を経由しない防予フェリー(柳井港行)が通過していきました。


16:17発の便で本土へ戻ります。伊保田港に入るしらきさんの後をまたまた経由しない便(三津浜港行)が通過。

橋の通行規制解除までは他の便も寄港できれば便利ですが、この港の設備では大型フェリーの着岸ができません。山口県が発表した「大島大橋損傷に係る緊急要望」において、災害時の物流体制を確保するための港湾施設等整備について、財政的な支援を国に要請しています。


伊保田港全景。中央の建物が今年9月に完成したばかりの切符売り場と待合所です。

ここからはトラックが6台乗船。乗り切れるのか運転手さん達はヒヤヒヤしていましたがなんとかなったみたいです。なお徒歩では4人下船し、乗船は自分1人でした・・・

そして右端に写っているのが給水車。現在、直径300mmの仮設水道管を橋の歩道に設置する応急復旧工事が行われており、12月上旬には町内全域の家庭へ送水が可能になる予定です。


帰りも乗客は40人ほど。大島大橋に到達するまでギリギリ日が持ちませんでしたが、10数人がデッキに集まり橋を眺めたり撮影したりしました。

現在行われている応急復旧工事により、18日午前5時から風速規制がかかる基準を5mから10mに緩和するとのこと。そして12月上旬には車両通行規制が解除される予定ですが、引き続き歩行者等は通行できません。現在のところ無料の臨時連絡船は11月30日までの予定となっていますが、その後は臨時バスなどが運行されるのか気になるところです。


ご覧いただきありがとうございました。