朝のように目覚める季節。
Naoyaです。
今日は二十四節気の3番目、啓蟄(けいちつ)です。冬眠していた虫たちが目を覚まして、土から出てくる頃です。
暖かい日もだんだん増えてきましたが、いきなり気温が下がって寒い日もあって、かと思うとまた暖かい日になったりもして。今の時期ならではの気候の変化を繰り返して、本格的な春になっていきます。よくその気候のことを「三寒四温」という言い方で表現するのを目にしたり、耳にしたりしますが、実は「三寒四温」というのは間違いだそうで、「三寒四温」とは本来、中国北東部や朝鮮半島での冬の気候を示す言葉なのだそうです。今の時期の日本の気候を表現する春の言葉ではないそうです。
春は季節のサイクルにおける始まり。つまり、朝のようなもの。人間は冬眠しませんが、でも、冬の間の体や心の機能は暖かい時期と比べると、鈍って停滞している「冬仕様」なのは確かです。春を迎えて徐々に暖かくなってくると、人間は頭で考えて判断して、アクティブに行動したくなりますが、「冬仕様」だった心身をいきなり暖かい時期と同じように稼動させるのは、やはり無理なわけで。心身がびっくりして、不調になることも少なくないかと思います。
最近、カードリーディングをすると「養生しましょう」というメッセージがちょくちょく出ていたのですが、まさに今のような不安定な時期は、心身の養生が必要だなと思います。要するに、不安定になりがちな心身のバランスを整えて、本格的な春に向けて準備をするのです。朝、目覚めたら活動を始める前に、しっかりと朝ごはんを摂るようなものです。あるいは、スポーツをする前の準備体操、ストレッチのようなウォーミングアップのようなものです。
春の山菜や野菜にはほろ苦いものが多いですが、その苦味は冬の間に蓄積した体内の毒素や老廃物を排出する作用があるとも言われています。うちではよく、菜の花を酒蒸し焼きにして食べるのですが、菜の花もそのひとつ。旬の食材というものは理にかなっていて、その時期に食べることにもちゃんと理由や意味があります。
朝が来たのにまだ起きたくないと言って、ベッドの中でしばらくゴネるような経験は誰もがしていると思います。頭がスッキリせずに寝ぼけた状態で「あとちょっとだけ寝よう」みたいな感じで、しばらくゴロゴロしてから起きる。そういうゴロゴロする時間も、眠っていた体を徐々に慣らしていくために必要なプロセスだと思っています。季節のサイクルにおける朝のような春が巡ってきた今は、まさにベッドの中でゴロゴロして整えるような時期です。
湯船で体を温めること、温かい飲みものを飲むこと、きちんと栄養を摂ること、ストレッチで体を動かすこと、深呼吸をすること、そして、充分に睡眠を取ること。忙しく過ごしていると雑になりがちなことを、丁寧にやることが養生のポイントだと思います。春へと目覚める準備を整えてみてください。