「選手達は魂のこもった試合を見せてくれた」レイラック滋賀FC
J3・JFL入れ替え戦第2戦が12月14日に行われ、レイラック滋賀FC(JFL2位)はアスルクラロ沼津(J3最下位)のホーム、愛鷹広域公園多目的競技場で1-1と引き分けた。第1戦を3-2で制していた滋賀は、2試合合計4-3で勝ち上がり、J3昇格を決めた。滋賀県初のJクラブ誕生という歴史的な快挙となった。一方、沼津はJFL降格が決まり、2017年から続いたJリーグでの戦いに一旦区切りをつけることになった。
今季最後の公式戦を終えた角田監督は、「入れ替え戦の2戦目で、本当に難しい試合になると想定していた」と試合を振り返った。相手がどんな戦い方をしてくるのか、最後まで読めない状況だったという。その中で「選手はやり遂げてくれた。魂のこもった試合を見せてくれた」と語り、結果は引き分けながらも「Jの切符を掴んだ試合だった」と総括した。
昇格が決まった瞬間については「今は正直落ち着いている。喜びすぎた」と語った上で、滋賀県のサッカー環境にも言及した。滋賀には以前から優れた選手が多く存在していたが、プロリーグがなく、県外に出ざるを得ないという課題があったという。クラブは数年前から、その受け皿となり、子どもたちの目標になることを掲げてきた。「まずはそこを掴めてよかった。滋賀のサッカーはこれからもっと発展する。滋賀県、そして滋賀のサッカーの歴史が変わった一日になった」と語り、この昇格の意味の大きさを表現した。
勝敗を分けた要因については、入れ替え戦だけでなくシーズンを通した積み重ねがあったと振り返った。JFLは決して楽なリーグではなく、30試合を通して接戦を勝ち切れるかどうかを繰り返してきた。その経験が、この舞台での力になったという。
試合で鍵となった玉際やセカンドボールについても、「ここまで来てサッカーを大きく変えることはできない」とした上で、最終的に問われるのは「魂の部分」だと語った。180分を通して、その姿勢を選手たちが体現した結果が昇格につながったという。サッカーは根本的に戦いであり、その覚悟をピッチ上で表現できたことが、いいゲームにつながったと振り返った。
角田監督は、昨季途中から特にメンタル面を重視してきたと明かす。戦術やスタイルを落とし込むのは当然として、それ以上に戦えるメンタルがなければ意味がないと考えていた。苦しい場面でも感情を出すことを求め、嬉しさ、悔しさ、怒りといったすべてをピッチで表現するよう伝えてきたという。監督自身も練習から感情を前面に出し、選手と向き合ってきた。その積み重ねが、球際や一体感につながったと語った。
最後に指導方針について、「自分の仕事は勝つこと」と言い切った。エンターテインメント性も大切だが、勝たなければ伝わらないと考え、シーズンを通して勝つためのメンバー選考、勝つためのトレーニング、勝つための試合にこだわってきたという。その姿勢は選手にとって厳しいものだったが、「最後にその成果が出たと思う」と語り、J3昇格という結果でシーズンを締めくくった。
写真:HiroshigeSuzuki/SportsPressJP
取材:TomoyukiNishikawa/SportsPressJP