「古志」深川句会(12月)を終えて 1
12月12日(水)は年内最後の「古志」深川句会でした。
特選句からいくつか。
星崎の自笑もあそべ鍛冶まつり 篠原隆子
鍛冶まつりは鞴(ふいご)祭りともいい、
陰暦の11月8日に執り行われます。
日頃「火」を扱う鍛冶職人たちが、
「火」や「鞴」といった道具に感謝し、
仕事の安全や商売繁盛、技術の上達を祈るお祭りです。
現在でも「火」に由縁のある各地の神社で行われています。
自笑は芭蕉のお弟子さん。鳴海の刀鍛冶でした。
この日ばかりは自笑も休んで、ぞんぶんに遊んでほしいと願っているのです。
時空を超えて、まるで目の前に自笑がいるかのように詠んでいます。
付け加えると、自笑は鳴海六歌仙の一人に数えられ、
星崎の闇を見よとや啼千鳥 芭蕉
を立句とした歌仙の連衆。
この歌仙は古典講座で取り上げました。
芭蕉が鳴海で巻いた歌仙には必ず参加しています。
そんな自笑をいざなうべく、
はるかなる時空に詩心を解き放って、
作者自身もまた心を遊ばせているのです。
鶏に砕く貝殻年用意 神戸秀子
庭で飼っている鶏でしょうか。
カルシウムを多く含む貝殻を与えることで、
鶏は丈夫な卵を産んでくれるようになります。
ふだんから与えてはいるのでしょうが、
とくにこの寒い時期、
そして年末から年越しという大事な節目の時期、
あらためて鶏の健康を思い、大切にしているのでしょう。
これもまた年用意の一つだというのです。
表現の点で挙げておくと、
「砕く」という動詞が入っているのが重要なポイントになっています。
これによって、貝殻の硬い質感、砕かれた貝殻の粉っぽさといった、
ありありとした手触りを読者に想起させることができています。
「古志」深川句会は毎月第2水曜日に開催しています。
次回は年明け1月14日(水)13:30〜
会場は江東区文化センター(東陽町)です。
「古志」の会員の方はどなたでもご参加いただけます。
会員以外の方は体験参加が可能です。
初心者の方も歓迎いたします。
詳細は「古志」公式サイトを御覧ください。