教えてもらった通りにやったのに!指示通りの仕事をしたのにやり直しになってしまい理由がわからない
新しい仕事を始めたり、新しい職種に挑戦するとなったときは
覚えることもたくさんで質問もたくさんすると思います。
やり方を教わって、実際にやってみて
報告をしたらやり直しになった経験はありませんか?
教えてもらった通りにやったのになんで?
そもそも違うことを教えたんじゃないの?
教え方が下手なんでしょ?
と思ってしまったこともあるでしょう。
というか、そう思うことが大半です。
教えた人からすれば
なんで教えた通りのことが出来ないのか?
なんで勝手にやり方を変えたの?
これを使ってと言ったのになんで使わなかったの?
そもそもちゃんとメモを取ってたの?
と気持ちよくはないはずです。
メモを取っていてこの様なことが起きてしまう場合も多く、メモって意味ないじゃんと思ってしまった人もいるでしょう。
自責の視点から考えてみると
教え方がまずかったのかな?
聞き方がよくなかったのかな?
と、一歩前進します。
その上で
どこに「ズレ」があったのかを擦り合わせないと同じことを繰り返します。
この「ズレ」の正体はなんなのか?
それは、それぞれの頭の中にある解釈フィルターから生じる認識の違いです。
人は自分の経験や持っている知識から
単語の意味を導きだします。
それによって同じモノを連想したとしても
考えている内容が異なります。
なぜなら、経験や知識、感性などは人によって違うからです。
連想ゲームをイメージするととてもわかりやすく、広いテーマであればあるほど答えが揃う確率は下がり
具体的に狭めれば狭めるほど
その答えを知っているか知らないかという単純な知識量の問題になります。
①赤い物はなんですか?
②赤くて甘い物はなんですか?
③赤くて甘い果物はなんですか?
④赤くてショートケーキに乗っている甘い果物はなんですか?
④まで来ると知っているか知らないかです。
③までは全員の答えが違うでしょう。
仕事に関しては経験が顕著に現れます。
職種に関して言えば
同じ職種でも会社によってやる仕事の範囲が異なることは多いです。
担当業務の部署そのものが異なる場合もあります。
「あとは関連部署に承認を取っといて」
と教えられたとして
作業のイメージや前職の経験から導き出した違う「関連部署」に突撃してしまったり
「データを同じ種類毎にまとめて」
と教えられたとして
その会社の定義と経験上の定義が異なった場合にデータをまとめ終わってから分類が違うと指摘を受けたり
「こういう資料にこの情報を追加して」
と教えられたとして
以前別の環境で評価してもらった経験から
気を利かして似た様な資料にも情報を追加して
なんで勝手にいらない情報を加えたのか?と指摘を受けたり
メモを取ったとしても、フィルターを通して
伝え側と受けた側の認識のズレがあると
普通は
「ちゃんとメモを取らないから間違える」
→「しっかりメモを取れば間違えない」
と、受けた側の責任にされがちですが
「しっかりメモを取っても間違える」
というのが本質であって
職場のルールに慣れてフィルターが適応するまではミスが減りません。
仕事上のコミュニケーションが「連想ゲーム」になってしまうと、その補填に時間が必要になってしまいます。余計なコストになります。
効率的に端的に指示を出した、教えたと思っていても、全体をみると全く効率的ではありません。
それは受け手だけに原因があるわけではなく、伝える側にも原因があり
教える段階でお互いが自分の経験からの「連想」で解釈して仕事をスタートしてしまうので
認識のズレがあるまま
教える側「これでわかるだろう」
受ける側「こういうことだろう」
と、だろう運転で進んでいくわけです。
教える側「この人はこういう経歴だからこれくらいはわかるだろう」
受ける側「経験があるからこういう意味だろう」
一瞬でも「だろう」と推測をした瞬間が実は「確認」のタイミングを見極めるポイントになります。
試す意味合いでリスクの低い内容を見極めに使うこもありますが
初期の段階でのコミュニケーションが一番丁寧にあるべきで
一語一句を教えるということではなく
認識のズレをなくして指示と実施の距離感を限りなく近づけるという事です。
受ける側も、しっかりと確認をするべきで
一語一句を逃さず聞いて確実にメモを取るという意味ではなく
自分が「だろう」と思った部分にズレがないか?をしっかりと確認することで
実務内容と過去の経験や知識のギャップを埋めるということです。
片方だけがわかってなくても結局は「ズレ」てますからね。
では、どのようなコミュニケーションを取れば良いのか?
色々とやり方はあると思いますが
基本は現時点で認識している内容を見える形にすることでしょう。
時間は有限で、限られた中でやることは沢山あります。
予定外の出来事は沢山起きて、時間はカツカツになります。
上記の補填などはその代表例であって
教えた側も受ける側も結局は倍の時間がかかってしまっているのだとしたら
注力するポイントを変えてみると良いです。
本来時間をかけなければいけないポイントの見極めは非常に重要です。
それが本質的な問題解決につながります。
人によってフィルターは異なります。
なんであの人はいつもミスをするんだ?
なんであの人はこれでわからないのか?
見えてる世界だって異なります。
同じ風景を眺めていても、見えているものや見え方も違います。
スピリチュアル的な話ではなくて
経験から「着眼点」が異なるという話です。
食品の看板があったとしたら
・あの看板を作るにはいくら必要か
・あのレイアウトの目的はなにか
・あのデザインとても良い
・色彩がとても目立ち訴求力ある
・毎月いくらて掲載してるんだろう
・こんな会社あるんだ
・○○さんの働いてる会社だ
・美味しそうだから行ってみようかな
・美味しかったなまた食べたいな
・競合他社はこんな看板作ってるのか
・いい看板でしょ?
・この場所の交通量から想定できる効果は
・明日の営業先だからネタにしよう
・昔働いてた会社だ
・この会社募集してるかな?
・たしか○○とコラボしてるよな
などなど、職や立場、状況などによって見てるポイントが違います。
一つのモノを見る時にどこに着眼するかが自分の特性で自分が興味をもっている分野でもあります。
自分がどこを見てるのか?
モノの見方の物差しになるので
意識してみたら面白いと思います。
同じモノを見てるのに前提を引かないと会話が噛み合わない場面ってけっこうありますよね。
職場だと専門用語や独自のルールがあり、仕事には目的とゴールがありますし
出来る出来ないの線引きも主観と客観で異なります。
結果として現れやすいだけです。
アウトプットにはフィルターの精確の高さ=真意を見極める力が大切です。
教える側から「能力が高い」と判断される指標になる部分でもあります。
もしくは一切フィルターを通さないこと。
その場合もしっかりと確認をして認識を合わせることがより重要です。
わかってると思ってもわかってない。
わかってると思ってたけど、結果が違った。
これでわかると思ってたけどわかってなかった。
知ってるだろう
わかっているだろう
が
意外と自分だけの認識だったりもするのです。
今回は筆者も過去に悩んだ経験から
悩みに悩んで見つけた一つの考え方を紹介しました。
これを意識してから
ミスコミュニケーションは減り
実際にリカバリーの時間も減りましたので
是非、参考にしていただけましたら幸いです。
自分で考えてやる文化と指示以上の仕事をしてはいけない文化のギャップが生じる場合によく起きます。
マネージメントの方法も人によって違い
どちらが良いのか?悩みどころになりやすい部分ですが、その環境によるというのが答えに近いです。
転職ありきの活躍を見込んで接してくれる状況は非常に稀ですので、それに合わせるか合わせないかの判断で転職を意識するタイミングにもなります。