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「宇田川源流」【現代陰謀説】 青森地震でも出てきた「震災デマ」の正体

2025.12.25 22:00

「宇田川源流」【現代陰謀説】 青森地震でも出てきた「震災デマ」の正体


 毎週金曜日は「現代陰謀説」をお届けしている。

現代にある陰謀を解き明かすという頼は、現代報道されたり、ニュースを読んで、その中に隠されている内容や、その中からわかる「不自然さ」から、その内容を解明し、その中でその内容を見てゆくということを企画している。日常何気なく通り過ぎているニュースの中に、陰謀などの「萌芽」は必ず買うされているものであり、それらをしっかりと読み込むこと、またはそれらの中で様々な人々の考え方やズレが見えてくる。その内容をしっかりと見てゆくことによって、その次の一手を考えてゆくということを練習する企画になっている。

 さて、日本では「陰謀」というと「サブカルチャー」の中の一つとして数えられることになっており、UFOや幽霊などと同じカテゴリになる。日本人は、必要以上に「エビデンス」や「科学的実証性」を追及してしまうために、心因的な効果などを重視する分野を真剣に考えないようになってしまっている。しかし、日本以外の国では、当然にそれらの内容を考えるチームがあり、その中においては「想像をできないような内容」が検討されていることも十分にありうるということになるのである。そのへんの「あり得ない内容」を照会する場面も一度作ってみたいと思っているのであるが、まあ、そのへんはまたの機会に期待していただきたい。

とくに災害に関しては、様々なデマや嘘がネット上をにぎやかにさせる傾向がある。っ実際に、日本の場合は、信じやすい国民性から、「本当かもしれない」と善意でうそやデマを広めてしまう人も少なくないのである。そのことがかえって大きな被害を産むことも少なくない。

実際に、熊本地震の際には、「動物園からライオンが逃げ出した」などというデマと、それに合わせた街中にライオンがいるAIで加工された写真が掲載されて大きな問題になった。そもそもそのような内容は「いたずら」で行うことなのかもしれないが、しかし、そのことによる社会的な影響は大きなものになる。

人々の不安につけ込み、そして社会的に、少なくとも被災地域において大きな影響が出てくることをしている。これはまさに「陰謀」の邦画であるということになるのではないか。そのような「パニック心理」につけ込んで様々なことを吹き込んだり、行動を起こさせたりすることが「陰謀」の基本であるということを考えれば、まさにこのようなデマが大きな問題を産むことになるのではないか。

 さて、今回はそのような「陰謀」につながるような、繋がらないような、そんな感じの話である。

<参考記事>

震度6強の地震、「人工地震だ」などのデマがSNSで拡散…「冷静に対応」呼びかけ

2025年12月9日 21時55分 読売新聞オンライン

https://news.nifty.com/article/world/china/12181-4768763/

<以上参考記事>

 12月の上旬に青森で大きな地震があった。この地域の地震は、実際にカムチャッカで7月8月に大きな地震が発生していることから、正直に言って地震が起きて不思議はない環境にあったのですが、残念ながらまたデマが出てきていることに非常に「興味」を感じています。そもそも上記の参考記事にかかれているのは、、「(政府や中国が人為的に発生させた)人工地震だ」などのデマや、「(人間によって駆除された)熊のたたりがついに起きた」といった投稿(参考記事より抜粋)があり、さすがにそれはないだろうと考えています。

こうしたデマを流す人の心理には、いくつかの特徴的な要因があります。

 まず、不安や恐怖の解消欲求が大きな背景にあります。地震という突発的で制御不能な災害は、人々に強い不安を与えます。その不安を「誰かの意図的な行為」や「超自然的な原因」に結びつけることで、偶然や自然現象よりも「理解しやすい物語」に変換し、心理的な安心感を得ようとするのです。

 次に、自己の存在感や影響力を高めたい欲求があります。SNSでは、センセーショナルな情報ほど拡散されやすく、注目を集めます。デマを流す人は「自分が特別な情報を知っている」という優越感や、他者からの反応を得ることで承認欲求を満たそうとします。

 さらに、陰謀論的思考の快楽も関係します。複雑な現実を単純化し、「裏に黒幕がいる」という構図を作ることで、世界を理解した気になれる心理的報酬があります。これは、偶然や自然の不確実性よりも「誰かの計画」という方が秩序を感じやすいからです。

 最後に、文化的・感情的な物語への傾倒も見逃せません。「クマの祟り」というような説明は、科学的根拠はなくても、物語性や感情的インパクトが強く、人々の記憶に残りやすいのです。こうした物語を信じたり広めたりすることで、現実の不安を一時的に忘れられる心理的効果があります。

一方デマを信じやすい人々には、いくつか共通する心理的・認知的特徴があります。代表的なものを挙げると次のようになります。

1. 不確実性への耐性が低い

 予測不能な出来事や複雑な情報に直面すると強い不安を感じやすく、その不安を減らすために「単純でわかりやすい説明」を求めます。陰謀論や超自然的な原因は、その不安を一時的に解消する役割を果たします。

2. 承認欲求や所属欲求が強い

 SNSで同じ情報を信じる仲間とつながることで「自分は特別な情報を知っている」「仲間がいる」という安心感を得ます。これは孤独感や不安を補う心理的な支えになります。

3. 情報リテラシーが低い

 情報の真偽を見極めるスキルや、信頼できる情報源を選ぶ習慣が不足している場合、感情的に強い情報や拡散されている情報を「正しい」と誤認しやすくなります。

4. 認知バイアスの影響を受けやすい

 例えば「確証バイアス」により、自分の信じたい世界観に合う情報だけを選び、反証する情報を無視します。また「陰謀論的思考」は、複雑な現象を単純な因果関係に置き換えることで安心感を得る傾向があります。

5. 感情的な物語に惹かれる傾向

 科学的な説明よりも、感情や物語性のある情報(「祟り」「黒幕」など)に魅力を感じやすく、記憶に残りやすいことから信じやすくなります。

 さて、これらの内容を「あえて陰謀論」的に見れば、地震は陰謀ではないが、これらのデマが「日本人はデマや扇動に流されるかを試している陰謀ではないか」というようなSNSの言説があります。この言説に関しては一概にデマとは言い切れないのですが、逆にそのような投稿そのものが陰謀でなくても、もしも日本に陰謀を仕掛けようとしている人がいれば、投稿や反応を見て分析をしている可能性はあると思われます。

まず、SNSは「社会の感情のセンサー」になっているという点です。現代の情報環境では、国家や組織が他国の世論や心理状態を把握するために、公開されている投稿や反応を分析することは一般的な手法です。これは、軍事や外交だけでなく、経済戦略や世論操作の準備段階としても行われています。つまり、誰かが陰謀を仕掛ける意図を持っているなら、まず「どのような情報に人々が反応するか」を知るために、SNSのデータを収集・解析するのは合理的な行動です。

 次に、デマや陰謀論は「脆弱性の指標」になるという点です。社会がどの程度、根拠のない情報に影響されやすいかを測ることは、外部からの干渉を計画する上で重要な情報です。例えば、ある国の人々が科学的説明よりも感情的な物語に強く反応する傾向があるとわかれば、その弱点を突いた情報操作が可能になります。これは、過去の事例でも確認されており、選挙や国際紛争で「偽情報キャンペーン」が実際に使われてきました。

 さらに、SNSのアルゴリズムが拡散を加速する構造も危険性を高めます。アルゴリズムは「反応が多い情報」を優先的に表示するため、デマや扇動的な投稿は自然に広がりやすくなります。この現象を観察することで、外部の勢力は「どのような言葉やテーマが最も炎上しやすいか」を学習できます。これは、将来的な情報攻撃の「実験場」として利用される可能性があります。

 最後に、こうした分析は必ずしも陰謀そのものではないが、陰謀の前段階になり得るという点です。つまり、現時点で「日本人はデマに弱い」という言説自体が陰謀でなくても、その言説や反応を材料にして「どのように揺さぶれば効果的か」を研究する者がいる可能性は否定できません。情報戦の世界では、こうした「心理的地図」を作ることが、攻撃の準備として非常に価値があるのです。

 要するに、危険性は「陰謀があるかどうか」ではなく、「陰謀を仕掛けるためのデータが既に収集可能な環境にある」という事実にあります。

このようなことを分析して、震災などのパニック心理になっている状態の中をしっかりと見る必要があるのではないでしょうか。