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司法書士田中康雅事務所|新百合ヶ丘・麻生区の相続相談

相続登記義務化の期限はいつから?|「死亡から3年以内」という誤解を整理

2025.12.21 23:05

相続登記の期限は「死亡日から3年」ではありません。起算点は「不動産を取得したことを知った日」です。

 相続登記が義務化されたことで、「亡くなってから3年以内に登記しなければならないのでは」というご相談がとても増えています。ですが、これはよくある誤解です。 この記事では、相続登記義務化の期限がいつから数えるのかを、3つのパターンに分けて整理します。

この記事の内容
・期限は「死亡日」からではありません
・起算点は3つのパターンに分かれます
・2024年4月1日より前の相続は2027年3月31日まで
・「知った日」はいつになるのか
・期限を確認したら、次に考えること


期限は「死亡日」からではありません

相続登記の申請義務の期限は、原則として「相続によって不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内」とされています。死亡日が起算点になるわけではありません。 多くの場合、亡くなったことも、自分が不動産を相続することも同時に分かるため、結果として「死亡日から3年」に近い形になります。ただ、必ずそうなるとは限りません。疎遠だった親族の相続人になっていた場合や、後から不動産の存在が分かった場合は、起算点が後ろにずれます。 ここでいう「知った日」とは、相続が開始したことと、自分がその不動産の所有権を取得したこと。この両方を知った日を指します。片方だけでは足りません。


起算点は3つのパターンに分かれます

ご自身がどれにあたるかを確認してみてください。

2024年4月1日以降の相続

 取得を知った日から3年以内です。たとえば2024年8月1日に相続が開始し、その時点で不動産を相続すると分かっていたなら、2027年8月1日までになります。

2024年4月1日より前の相続

施行日と、取得を知った日の、いずれか遅い日から3年以内です。すでに相続したことを分かっている場合は、2027年3月31日が期限になります。

遺産分割が後から成立した場合

遺産分割が成立した日から3年以内です。相続人申告登記などで先に義務を果たしていた場合に、あらためて生じる追加の義務です。

遺産分割したら、いつまでに相続登記?|基本義務と追加義務の2段構え


2024年4月1日より前の相続は2027年3月31日まで

下の図は、施行前に起きた相続について、どんなに古い相続でも期限は2027年3月31日になることを示したものです。


相続登記の義務化は、2024年4月1日から施行されました。そして、それ以前に発生していた相続についても対象になります。 ただし、いきなり期限切れになるわけではありません。施行前の相続については、施行日から3年間という期限が設けられています。この結果、2024年4月1日より前に発生した相続は、どんなに古い相続であっても、期限が2027年3月31日より前になるということはありません。

混同しやすいところ

 逆に言えば、2024年4月1日以降に発生した相続の期限は、2027年3月31日ではありません。「取得を知った日から3年」で数えます。この2つは混同されやすいので、ご注意ください。 

2027年3月31日までに相続登記が必要な人|2024年4月1日より前の相続も対象です 


「知った日」はいつになるのか 

実務でご相談が多いのは、この点です。いくつか例を挙げます。

同居していた親が亡くなった

死亡と自宅の相続を同時に認識しているため、実質的に死亡日が起算点になります。

疎遠な親族の相続人だと後から知った

通知などで、相続人であることと不動産の存在を知った時点から3年です。

忘れていた山林や私道が見つかった

その不動産の取得を認識した時点が起算点になります。不動産ごとに考えます。

遺言があると後から分かった

遺言によって自分が取得すると知った時点が起算点になります。

制度を知らなかった場合

「制度そのものを知らなかった」ことは、起算点とは関係がありません。制度を知っていたかどうかではなく、相続と取得の事実を知っていたかどうかで判断します。 


まとめ

まずは必要以上に焦らず、ご自身がどのパターンにあたるのかを確認するところから始めていただければと思います。 


期限は数えられます。決まらないのは、その先です

期限がいつまでかは、上の3つのパターンで数えられます。ここは調べれば分かることなので、答えははっきりしています。 実際に手が止まるのは、その先です。「では、誰の名義にするのか」。自宅を配偶者が継ぐのか、子が継ぐのか。将来売るのか、住み続けるのか。ここが決まらないまま期限だけが近づいてきます。 期限に追われて名義を決めると、後から「別の人が相続していればよかった」となることがあります。急いで決める前に、確かめておくことがあります。

自宅は配偶者と子のどちらが相続する?|7つの視点

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決まらないまま期限が来そうなときは

遺産分割がまとまっていなくても、申請義務に対応する方法があります。法定相続分の登記と、相続人申告登記です。どちらも義務は果たせますが、あとで本来の相続登記が必要になります。

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